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「彷徨うタイムトラベラー雪子」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑧)  作者: サナダムシオ


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⑩ アドバイス

「ところで、キミの今の状態について、キミ自身はどう考えているのかな?」

 天使は質問に対して、質問で返して来た。


「この、時が止まった世界について?」

「そうだね」

「どうせアンタたちみたいな、四次元人の仕業じゃないの?」


「いや、酷い言いがかりだなぁ。コレは、キミ自身がヤッている事なのに……」

「……?どういう意味かしら?」


「キミの体内の物理的な活動が余りにも速いために、周りの現象が相対的に、全て止まって見えているのさ」

「なっ……!?」


「仮に普通のニンゲンが、このチカラを使えば、その肉体は、たちまち老化の一途を辿るだろうねぇ」

「そうか……」


「だがキミは、幸か不幸か、不老不死の肉体を持っている。だからたまたま、無事でいるのさ。しかし、所詮は物理的なボディ。そんな酷使を続ければ、遅かれ早かれ、何かしらの不具合が……」

「……解ったわ。どうすればイイの?」


「まず僕の眼を見て」

「見たわよ」

「次はゆっくりと深呼吸して」

「すぅ~はぁ~……」

「眼を閉じて」

「閉じたわよ」


 それきり天使は沈黙した……そして突然アタシは、パン!と背中を叩かれた。アタシは目を開けた。世界は動き出していた。半信半疑だったが、天使の言った事は真実のようだった。アタシはどっと疲れて、その場にへたり込んでしまった。


 要するに心を落ち着けて、"今"に集中しろと言う事だったらしい。

 このチカラは、今後利用できそうだ。

 早くコントロール出来るようにならなければ……。

 アタシは直ぐにそう思った。


 少し歩くと、川が見えて来た。

 コレは例の、雪村が溺れていた場所だ。(第7巻 参照)

 今は晴れているから、別の日なのだろう。

 アタシは無意識に、自分にとっての聖地巡礼を、していたと言う事か。


 アタシは一人で苦笑してしまった。

「もういいわ。別の場所に行こうっと……」

 アタシはまた、あてどもない時空転移を始めた。


 次に出た場所は、少し蒸し暑いところだった。

 アタシは空中に浮いていた。

 多分、本能的にその方がイイと判断したのだろう。


 眼下に海が見える。

 それに多数の戦艦が何隻か停泊している。

 湾の岸辺の形から見ると、どうもそこは、ハワイのオアフ島らしい。

 と言う事はつまり……?


 案の定、北方から100機以上は有ろうかと言う、戦闘機がやって来たのだ!







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