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奪うほど欠けていく俺は、今度こそ居場所を守りたい ~能力も記憶も感情も奪う《万象奪界》の異世界盗賊譚~  作者: 色乃理
第二章 王都潜入

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第5話「罠の先」

 ベックの咳と、手押し車の音が遠ざかっていく。

 俺たちは保守通路の壁際で息を潜めた。足元では、細い水路が低く鳴っている。


 「……今」


 レナリア先輩の囁きに合わせ、通路の奥へ進む。

 行き着いたのは、小さな排水点検室だった。錆びた工具の並ぶ壁に、保守扉よりずっと広い鉄扉がある。

 《穿界視》で向こうを確かめると、厚い鉄板の外側に、もう一枚、鉄格子の戸があった。その先は外の排水支路だ。

 内側の鉄扉には、太い鉄の錠が取りつけられている。鍵穴はこちら側にしかない。外から入口を見つけても、鉄板に遮られて錠には触れない造りだった。


 「ここなら、ヴィンクも入れそう」


 ライラが鉄扉の幅を確かめる。


 「団長たち、呼ぶ?」

 「先を確かめてからだ。ここは開けておこう」


 俺はしゃがみ込み、鍵穴へ道具を差し入れた。《穿界視》で確かめると、頑丈な錠の中身は普通の仕組みだった。金属の爪を順に持ち上げ、ほどなく錠を外す。

 重い鉄扉を引き、外側の格子の閂も外した。水音に紛れるよう、ゆっくり押し開けると、ライラが小声で笑った。


 「お、やるじゃん」

 「これくらいならな」

 「呼ぶ時は、ここから火花を一つね」

 「ああ」


 内側の扉は開けたまま、外の格子だけを少し戻す。人が通れる隙間を残し、俺たちは部屋の奥の鉄階段へ向かった。


*


 濡れた鉄階段を上りきると、足元が乾いた床石に変わった。薬草や香辛料の匂いが鼻に届く。

 納品倉の裏通路だ。床には荷車の轍が残り、積まれた荷箱の向こうに魔石灯の明かりが見えた。


 「止まって」


 レナリア先輩の声に、俺とライラは荷箱の陰へ身を寄せた。

 箱一つ隔てた向こうを、荷役が通り過ぎる。俺は肩を壁に押しつけ、足音が離れるのを待った。

 荷箱の隙間から、仕分け回廊が見えた。

 穀物や薬材の箱が並ぶ奥で、灰色の手袋をした男たちが白い粉を小袋に詰め、薬草の下へ隠している。隣の男が荷札を替え、波印の封蝋を押した。

 厨房行き。施療院行き。兵站倉行き。


 「……ここで分けてるんだ」


 ライラが呟いた時、腰に大きな鍵束を下げた男が回廊の奥から現れた。こいつも灰色の手袋をしている。

 男は古い薬材棚の前で足を止め、麻袋をずらした。その陰に、人ひとりが通れる細い通路が口を開ける。


 「隠し道……」


 男が通路の右壁へ手を伸ばした。

 俺は《穿界視》を開く。床下を走る魔力の線が消え、男が通り過ぎると、再び浮かび上がった。


 「床に何かある。あいつが通る時だけ、魔力が途切れた」

 「止めてから通ってるってこと?」

 「たぶん」


 しばらく見ていると、別の男が同じ通路から出てきた。その時も、魔力は一度消えた。

 普通の荷役は近づかず、粉を扱う連中だけが出入りしている。

 調べる価値はある。


 人の流れが切れるのを待ち、俺たちは薬材棚へ近づいた。

 麻袋の陰へ入ると、数歩先の床石だけ、ひびもなく綺麗だった。


 「そこ、踏むな」


 《穿界視》で覗くと、石の下に黒い触媒石があった。そこへ魔力を送る銀線が、右の壁へ続いている。


 「罠だ」


 レナリア先輩が目を閉じ、眉を寄せた。

 「……心に干渉するものだと思う。焦りを引っ張られる感じがする」

 「どんな罠か分かります?」

 「そこまでは。触れないで」


 男が手を伸ばした壁にも、線が通っていた。だが、床下の魔力を追っていて、手元の操作までは見ていなかった。


 「さっきの人と同じこと、できそう?」

 「何をしたか見えてない。下手に触れない方がいい」


 ライラが俺の顔を見た。


 「団長たち、呼ぼっか」

 「ああ」


 今度は迷わず頷いた。


*


 排水点検室へ戻り、ライラが鉄格子の外へ赤い火花を一つ飛ばした。

 しばらくして、濡れた外套を羽織ったガレウス団長が格子をくぐり、開いた鉄扉から入ってきた。肩をすぼめたヴィンクが続く。


 団長が、開いた鉄扉の錠を一瞥した。

 「こいつを内側から開けたか。上出来だ」

 俺が頷くと、団長は通路の奥へ目を向けた。

 「それで、何があった」

 「粉を分けてる場所の奥に、隠し通路がありました。鍵束を下げた男が入っていったんですが、罠があります」

 「そこで戻ったのは正解だ」


 俺はヴィンクへ向き直った。


 「ヴィンク。鎖槍で、離れたところから罠に触れてほしい」

 「分かった。案内しろ」


 鎖槍の柄を握るヴィンクに、ライラが笑った。


 「やっぱり便利だね、ヴィンク」

 「道具扱いするな」


 五人で薬材棚へ戻ると、団長が罠の手前でしゃがみ込んだ。


 「ユイト。見えることを教えろ。分からねぇもんは、分からねぇでいい」

 「はい」


 俺は床下の触媒石から、銀線を目でたどった。


 「ヴィンク。右壁の下、床から三つ目の継ぎ目だ。その奥の銀線が、罠に魔力を送ってる」

 「切れば止まるか?」

 「たぶん。さっき男が通る時も、ここの流れが消えてた」

 「十分だ。――《鎖槍操術(さそうそうじゅつ)》」


 鎖が低く鳴り、穂先が壁石の継ぎ目に食い込む。

 ヴィンクが石を浮かせると、隙間から銀線が覗いた。


 「そこだ」


 穂先が線を断ち、床下の魔力が消えた。

 レナリア先輩の表情が緩む。


 「引っ張られる感じも、消えたわ」


 ヴィンクは槍の先で床石を押した。何も起きない。続いて、穂先を継ぎ目へ差し込み、床石の端を浮かせる。

 俺も魔力が戻らないのを確かめ、隙間から覗く黒石に触れた。

 冷たい感触があるだけで、《万象奪界》は開かなかった。

 やはり、物には反応しない。


 壁の隙間に、切れた銀線が覗いていた。

 次に連中がここを通れば、侵入がばれる。


 「進むぞ。連中が戻る前にな」


 団長に続こうとした時、ライラが俺の袖をつまんだ。


 「息、浅いよ」

 「……ああ」


 一度、息を吸って吐く。俺はすぐに団長の背中を追った。


*


 隠し通路は、薬草の束が並ぶ棚の裏へ続いていた。棚の脇を抜けると、保管庫の中に出た。

 甘ったるい粉の臭いが鼻を刺す。

 棚には封蝋袋、床には偽の荷札。壁際には帳簿と、金貨の詰まった革袋が並んでいた。どれにも波印がある。

 棚の間を抜けた先には、荷を出し入れするためらしい幅広い扉が見えた。


 「罠まで置くわけだ」


 ライラが呟く横で、団長が帳簿を開いた。

 粉の納品、偽荷札の割り当て、門番への支払い。粉代や利子に加え、預かった札まで記されている。


 「王家の金じゃねぇ。潮待ちの連中が、人を縛って溜めた裏金だ」


 団長が帳簿を閉じた。


 「なら盗む。帳簿、偽荷札、納品控え。裏金は二袋だけだ。逃げ足を鈍らせるな」


 団長は帳簿を袋へ押し込み、ヴィンクが革袋を二つ取る。ライラは偽荷札と納品控えをまとめ始めた。

 俺は別の帳簿を開いた。

 血印を押した運び手たちの一覧。その中に、ベックの名があった。


 「次の帳簿、持ってこい」


 背後の隠し通路から、男の声が届いた。続いて、足音がこちらへ向かってくる。

 ライラが入口を振り返る。俺は開いた頁に目を走らせた。

 小間物屋。第二搬入口から南納品倉へ、搬送済み。


 家族札、継続預かり。

 次回搬送予定――三日後。


 「……まだ使う気だ」


 レナリア先輩が、ベックの名の横を指した。


 「この記号、昨日の手首の印に似てる」

 「これで鎖を外せますか」

 「分からない。でも、誰がベックを使っているのかは追える」


 俺は頷き、帳簿を閉じて袋へ押し込んだ。ライラも納品控えを詰め終え、袋の口を絞る。

 その時、近づいていた足音が止まった。


 「……おい。仕掛けが落ちてるぞ」


 手が止まる。再び聞こえた靴音は、さっきより速かった。

 レナリア先輩が目を閉じる。


 「二人。こっちへ来る」

 「戻り道は使えねぇな」


 ヴィンクの言葉に、団長は棚の向こうの扉へ目を向けた。

 ベックの咳と、手押し車の音が遠ざかっていく。

 俺たちは保守通路の壁際で息を潜めた。足元では、細い水路が低く鳴っている。


 「……今」


 レナリア先輩の囁きに合わせ、通路の奥へ進む。

 行き着いたのは、小さな排水点検室だった。錆びた工具の並ぶ壁に、保守扉よりずっと広い鉄扉がある。

 《穿界視》で向こうを確かめると、厚い鉄板の外側に、もう一枚、鉄格子の戸があった。その先は外の排水支路だ。

 内側の鉄扉には、太い鉄の錠が取りつけられている。鍵穴はこちら側にしかない。外から入口を見つけても、鉄板に遮られて錠には触れない造りだった。


 「ここなら、ヴィンクも入れそう」


 ライラが鉄扉の幅を確かめる。


 「団長たち、呼ぶ?」

 「先を確かめてからだ。ここは開けておこう」


 俺はしゃがみ込み、鍵穴へ道具を差し入れた。《穿界視》で確かめると、頑丈な錠の中身は普通の仕組みだった。金属の爪を順に持ち上げ、ほどなく錠を外す。

 重い鉄扉を引き、外側の格子の閂も外した。水音に紛れるよう、ゆっくり押し開けると、ライラが小声で笑った。


 「お、やるじゃん」

 「これくらいならな」

 「呼ぶ時は、ここから火花を一つね」

 「ああ」


 内側の扉は開けたまま、外の格子だけを少し戻す。人が通れる隙間を残し、俺たちは部屋の奥の鉄階段へ向かった。


*


 濡れた鉄階段を上りきると、足元が乾いた床石に変わった。薬草や香辛料の匂いが鼻に届く。

 納品倉の裏通路だ。床には荷車の轍が残り、積まれた荷箱の向こうに魔石灯の明かりが見えた。


 「止まって」


 レナリア先輩の声に、俺とライラは荷箱の陰へ身を寄せた。

 箱一つ隔てた向こうを、荷役が通り過ぎる。俺は肩を壁に押しつけ、足音が離れるのを待った。

 荷箱の隙間から、仕分け回廊が見えた。

 穀物や薬材の箱が並ぶ奥で、灰色の手袋をした男たちが白い粉を小袋に詰め、薬草の下へ隠している。隣の男が荷札を替え、波印の封蝋を押した。

 厨房行き。施療院行き。兵站倉行き。


 「……ここで分けてるんだ」


 ライラが呟いた時、腰に大きな鍵束を下げた男が回廊の奥から現れた。こいつも灰色の手袋をしている。

 男は古い薬材棚の前で足を止め、麻袋をずらした。その陰に、人ひとりが通れる細い通路が口を開ける。


 「隠し道……」


 男が通路の右壁へ手を伸ばした。

 俺は《穿界視》を開く。床下を走る魔力の線が消え、男が通り過ぎると、再び浮かび上がった。


 「床に何かある。あいつが通る時だけ、魔力が途切れた」

 「止めてから通ってるってこと?」

 「たぶん」


 しばらく見ていると、別の男が同じ通路から出てきた。その時も、魔力は一度消えた。

 普通の荷役は近づかず、粉を扱う連中だけが出入りしている。

 調べる価値はある。


 人の流れが切れるのを待ち、俺たちは薬材棚へ近づいた。

 麻袋の陰へ入ると、数歩先の床石だけ、ひびもなく綺麗だった。


 「そこ、踏むな」


 《穿界視》で覗くと、石の下に黒い触媒石があった。そこへ魔力を送る銀線が、右の壁へ続いている。


 「罠だ」


 レナリア先輩が目を閉じ、眉を寄せた。

 「……心に干渉するものだと思う。焦りを引っ張られる感じがする」

 「どんな罠か分かります?」

 「そこまでは。触れないで」


 男が手を伸ばした壁にも、線が通っていた。だが、床下の魔力を追っていて、手元の操作までは見ていなかった。


 「さっきの人と同じこと、できそう?」

 「何をしたか見えてない。下手に触れない方がいい」


 ライラが俺の顔を見た。


 「団長たち、呼ぼっか」

 「ああ」


 今度は迷わず頷いた。


*


 排水点検室へ戻り、ライラが鉄格子の外へ赤い火花を一つ飛ばした。

 しばらくして、濡れた外套を羽織ったガレウス団長が格子をくぐり、開いた鉄扉から入ってきた。肩をすぼめたヴィンクが続く。


 団長が、開いた鉄扉の錠を一瞥した。

 「こいつを内側から開けたか。上出来だ」

 俺が頷くと、団長は通路の奥へ目を向けた。

 「それで、何があった」

 「粉を分けてる場所の奥に、隠し通路がありました。鍵束を下げた男が入っていったんですが、罠があります」

 「そこで戻ったのは正解だ」


 俺はヴィンクへ向き直った。


 「ヴィンク。鎖槍で、離れたところから罠に触れてほしい」

 「分かった。案内しろ」


 鎖槍の柄を握るヴィンクに、ライラが笑った。


 「やっぱり便利だね、ヴィンク」

 「道具扱いするな」


 五人で薬材棚へ戻ると、団長が罠の手前でしゃがみ込んだ。


 「ユイト。見えることを教えろ。分からねぇもんは、分からねぇでいい」

 「はい」


 俺は床下の触媒石から、銀線を目でたどった。


 「ヴィンク。右壁の下、床から三つ目の継ぎ目だ。その奥の銀線が、罠に魔力を送ってる」

 「切れば止まるか?」

 「たぶん。さっき男が通る時も、ここの流れが消えてた」

 「十分だ。――《鎖槍操術(さそうそうじゅつ)》」


 鎖が低く鳴り、穂先が壁石の継ぎ目に食い込む。

 ヴィンクが石を浮かせると、隙間から銀線が覗いた。


 「そこだ」


 穂先が線を断ち、床下の魔力が消えた。

 レナリア先輩の表情が緩む。


 「引っ張られる感じも、消えたわ」


 ヴィンクは槍の先で床石を押した。何も起きない。続いて、穂先を継ぎ目へ差し込み、床石の端を浮かせる。

 俺も魔力が戻らないのを確かめ、隙間から覗く黒石に触れた。

 冷たい感触があるだけで、《万象奪界》は開かなかった。

 やはり、物には反応しない。


 壁の隙間に、切れた銀線が覗いていた。

 次に連中がここを通れば、侵入がばれる。


 「進むぞ。連中が戻る前にな」


 団長に続こうとした時、ライラが俺の袖をつまんだ。


 「息、浅いよ」

 「……ああ」


 一度、息を吸って吐く。俺はすぐに団長の背中を追った。


*


 隠し通路は、薬草の束が並ぶ棚の裏へ続いていた。棚の脇を抜けると、保管庫の中に出た。

 甘ったるい粉の臭いが鼻を刺す。

 棚には封蝋袋、床には偽の荷札。壁際には帳簿と、金貨の詰まった革袋が並んでいた。どれにも波印がある。

 棚の間を抜けた先には、荷を出し入れするためらしい幅広い扉が見えた。


 「罠まで置くわけだ」


 ライラが呟く横で、団長が帳簿を開いた。

 粉の納品、偽荷札の割り当て、門番への支払い。粉代や利子に加え、預かった札まで記されている。


 「王家の金じゃねぇ。潮待ちの連中が、人を縛って溜めた裏金だ」


 団長が帳簿を閉じた。


 「なら盗む。帳簿、偽荷札、納品控え。裏金は二袋だけだ。逃げ足を鈍らせるな」


 団長は帳簿を袋へ押し込み、ヴィンクが革袋を二つ取る。ライラは偽荷札と納品控えをまとめ始めた。

 俺は別の帳簿を開いた。

 血印を押した運び手たちの一覧。その中に、ベックの名があった。


 「次の帳簿、持ってこい」


 背後の隠し通路から、男の声が届いた。続いて、足音がこちらへ向かってくる。

 ライラが入口を振り返る。俺は開いた頁に目を走らせた。

 小間物屋。第二搬入口から南納品倉へ、搬送済み。


 家族札、継続預かり。

 次回搬送予定――三日後。


 「……まだ使う気だ」


 レナリア先輩が、ベックの名の横を指した。


 「この記号、昨日の手首の印に似てる」

 「これで鎖を外せますか」

 「分からない。でも、誰がベックを使っているのかは追える」


 俺は頷き、帳簿を閉じて袋へ押し込んだ。ライラも納品控えを詰め終え、袋の口を絞る。

 その時、近づいていた足音が止まった。


 「……おい。仕掛けが落ちてるぞ」


 手が止まる。再び聞こえた靴音は、さっきより速かった。

 レナリア先輩が目を閉じる。


 「二人。こっちへ来る」

 「戻り道は使えねぇな」


 ヴィンクの言葉に、団長は棚の向こうの扉へ目を向けた。


 「ぶつかるより、城内側へ抜けるぞ」


 団長が帳簿の入った袋を担ぎ、棚の間を抜ける。扉を細く開けて外を確かめ、俺たちを手招きした。

 保管庫の外は廊下だった。最後に出た俺が扉を引くと、その表に「薬材保管庫」の札が揺れた。

 閉じた扉の向こうで、靴音が響く。

 団長が角の先へ顎をしゃくった。俺たちは足音を忍ばせ、その後を追う。


 角を曲がると、「食糧庫」と札のかかった扉が見えた。

 「いったん、ここに隠れる」

 団長が声を落とし、取っ手へ手をかけた。扉の隙間から、乾いた穀物と焼き上がったパンの匂いがする。

 その奥で、かすかな呼吸音がした。

 団長の手が止まる。


 背後で、保管庫の扉が開く音がした。靴音が廊下へ出てくる。


 ライラと目が合った。彼女も、食糧庫の扉と曲がり角へ素早く目を走らせる。

 ここにいれば見つかる。

 けれど、この扉の向こうにも誰かがいる。

貴重なお時間を使ってお読み下さり、ありがとうございます。

ユイトたちの続きを読んでみたいと思っていただけたら、ブックマークしていただけると嬉しいです。

毎日20:10に更新しています。

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