第179話 愚者を抉り捨てる断罪の凶刃
こんばんは。
怒涛の最新話連続投稿、最後の4話目となります。
今回は壮絶な描写がございます。
閲覧にはくれぐれもご注意ください。
遡ること一時間前。
スミレからの連絡が途絶えたことにより、誇太郎は気が気でなかった。
昨日、魔食布教会なるギーアの小隊と合流し、里を奪還する作戦を展開する旨は聞いていた。
そして、彼女等の考案する作戦の予定時刻に至るまでスミレ経由で把握していた。
だが、その時間になっても連絡が来ない。
手こずっているのだろう、最初はそう判断して誇太郎も待つことにした。
それでも、スミレに何かあったのではないかと思うと気が気ではなかった。増してや彼女の故郷を救う為だけではない、スミレ自身の因縁にケリを付ける為にも送り出したのだ。
死ぬことはない、だが万が一ということもある。
そう考えた瞬間、誇太郎は既に行動に移っていた。
「……俺も行かなくては」
即座にスミレへの救援として出向かねば。
一昨日のダメージを押してでも、彼女の救援に駆け付けねば。
そう考え、フィガロの邸宅を出ようとしたその時――。
「待ちぃや、コタロウ君」
連合国の盟主であり、邸宅の主でもあるフィガロに呼び止められてしまった。隣にはアルーシャ財閥のトップ、ソフィーの姿もある。
「どこに行くつもり……って聞くのは野暮かもしれへんな」
「スミレさんの所に行くつもりなのだろうけど、駄目よ。あれだけダメージ負っておいて、何より部下の仕事を待ちもせずに向かうなんて。リーダー失格よ」
両者共々、呆れた面持ちだった。
多くの人間の人生を預かる国や組織のトップの視点から見れば、誇太郎の行動は目に余るものに映るのは言うまでもない。部下に任せた仕事を信じ切れず現場に赴こうとしているのだ、待ったをかけるのは必然と言えよう。
それでも、誇太郎は首を縦に振らなかった。
「……頼む、行かせてくれ」
「駄目だって言っているでしょ」
「君が行ったら誰が留守を預かるんよ。そこんとこ考えとんの?」
ソフィーとフィガロの指摘は尤もだった。だが、簡単にこの衝動を曲げることもできなかった。
言葉に詰まる誇太郎だったが、そんな彼にぶっきらぼうな声がかかる。
「……やっぱ行こうとしてやがったか。呆れたもんだぜ」
声をかけてきたのは、龍人族のエルネスト。いつもの如く妹のパトリシアも彼の隣に立っていた。
「ま、テメェらしいっちゃらしいか」
「ホント落ち着きないわよね、アンタって」
「うるせぇな! お前らも止めに来たのか?」
しかめっ面で問う誇太郎だったが、エルネストの答えは違った。
「違ぇよ、ってか行きたきゃ行きゃいいじゃねーか」
「は……え?」
予想外過ぎる答えだったが、更に意外な言葉がエルネストの口から飛び出す。
「留守は俺が預かってやる。盟主サマと金持ち女も、それなら納得だろ?」
「い、いいのか!?」
驚きと喜びを混ぜる誇太郎とは対照的に――。
「構わへんけど、君って偉大なる少数派の副リーダーポジなん?」
「ただ待つだけじゃないのよ。事務作業だってあるわけだけど、可能かしら?」
フィガロとソフィーはやや懐疑的だった。
だが、エルネストは対策を講じてきたと言わんばかりに口角を吊り上げる。
「そーいうと思ってよ、昨日辺り面白れぇ奴拾ってきたんだわ」
「え。初耳なんだけど、エルネスト」
「言ってねーしな」
「何で言ってくれなかったんだよ」
「昨日のテメェは落ち着いてなかったかんな」
「……そんな顔に出てた?」
「気付いてねーとでも思ってたのか、アホ。そんな状態のテメェに話したって意味ねーからな。つーわけで、改めてここで紹介すんぞ」
呆然とする誇太郎にそう前置きすると、エルネストは背後にいる一人のメイドらしき人物に声をかける。
「おう! 出てこいや、オダリス!」
「はい、ただいま参ります」
一同の前に現れたのは、エルネストやパトリシア同様人間と龍の血が混ざり合った龍人族のメイド――オダリス。
アッシュグレーのボブヘアーを携えたオダリスは、彼女の職業に違わぬ真面目な所作で一礼する。
「お初にお目にかかります。私はオダリス、しがないドラゴンメイドです。アロガンシア帝国のさる魔族の元で働いておりましたが、人件費削減が理由で追放されました。次なる主を探し、路頭に迷っていた所をエルネスト様に拾っていただきました」
「へぇ……ドラゴンメイド。メイド専門の龍人族やね、珍しい」
「私も初めて見たわ。角、翼、尻尾……本当に龍と人間のハーフなのね」
「まあ、龍人族自体帝国の中枢任されてっから、ほとんど戦線に来るこたぁねーからな。珍しがんのも無理ねーか」
珍しがるフィガロ達を差し置き、オダリスは誇太郎の前に立つ。
「あなた様がコタロウ様ですね?」
「あ、ああ」
「エルネスト様のご案内により、あなた様へお仕えするよう命を受けました。掃除、洗濯、お料理と言った家事はもちろん、事務作業も得意です。どうぞ、何なりとお申し付けくださいませ」
カーテシーを混ぜた丁寧なオダリスの対応に、誇太郎は面食らいながらも「こ、こちらこそ」と快諾の意を示す。
それを見届けたエルネストは、改まって声を張る。
「つーわけだ、テメェ等。コタロウが留守の間は俺とオダリスで面倒見とく。何かあったら全部こっちに回せ、それでいいだろ?」
「なーるほど、コタロウ君の為に影ながら動いてくれとったっちゅう訳ね。ええ仲間持ったやないの、コタロウ君♪」
「ありがたいけど……正直びっくりしてる。まさか、エルネストが人材確保してたなんて……」
「あぁ!? テメェが性懲りもなく飛び出すからだろうが!! 面倒見る方の身にもなれや、コラ!!」
がなり立てるエルネストに対し――。
「……待って、コタロウ」
ソフィーはまだ納得していない様子だった。
「まだ何か不足があったか?」
「はっきり言って多い、多すぎる。でも……ここまでお膳立てされていたなら、もう止めないわ。ただその代わり、条件がある」
「条件?」
首を傾げる誇太郎に、ソフィーは告げる。
「ギルド設営の話を真剣に考えること、人材確保に邁進すること、そしてリーダーの自覚をしっかりと意識すること。この三つを約束しなさい」
「……ああ、約束する」
素直に返した誇太郎の言葉を受け、ソフィーはオーガの里に繋がる転移門を用意する。
「……ほら、行きなさい。スミレさんの為にも」
「恩に着る」
「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
「ああ、行ってくる」
短く礼を告げ、誇太郎はオダリス達の見送りを受けながらスミレの救援の為に転移門をくぐっていった。
そこからの動きは電光石火の如く速かった。
待機中のノマドがいるコボルドの里に赴くと同時、誇太郎はスミレへと連絡を繋ぐ。
「……繋がった! スミレ、無事か!?」
『コタロウ!?』
「怒られるかもしれんから先に謝っとく、すまん! 連絡来ないから心配になって応援に来ちまった。今、ルイーサ殿の所にいる。そっちの状況は!?」
切羽詰まった様子で問う誇太郎に、スミレは突っ込もうと感情を押し殺す。
そして、今起きている現状を簡潔に説明した。
「そうか、オダマキが……」
『早く捕まえないと逃げられてしまうわ……。誰か怪しい人影とかは見てないかしら?』
スミレが問いかけるも、誇太郎から返答はない。
『コタロウ……?』
怪訝に思い再度尋ねると、恐ろしい程にドスの利いた声と共に返事が来る。
「……すまん、スミレ。そこに親御さん……確か、クロッカス殿かサルビア殿だったよな。いらっしゃるか?」
『え? あ、待って……今パパに変わるわ』
今までの彼と思えないほどの声に鳥肌を立たせながらも、スミレは父であるクロッカスへとスマホを渡す。
『変わりました、クロッカスです』
「初めまして、樋口誇太郎と申します。スミレにはいつも助けられております」
挨拶を一言交わすと、誇太郎の口から衝撃的な本題が告げられる。
「単刀直入に申し上げます、オダマキらしき人影が里の門から出てきました」
『何だって!? 一体、どこの門から――』
「……クロッカス殿、時間がない。ご許可を頂きたい。オダマキを屠ってもよろしいか?」
『なっ……何を言って――』
「事情はスミレと使者であるハッカから聞いております。その上で、奴を屠るよう私が指示を出しました。ですが、予め確認させていただきたく。今、この場で奴を殺しても問題はございませんか?」
声色からして、躊躇いは微塵も感じられなかった。その理由を問おうと思うも、時間がないということに変わりはない。
ならばやむを得まいと、クロッカスは告げる。
『……ああ。思いっきりやってくれ』
「その言葉を待っておりました」
許可を得てスマホの連絡を切った誇太郎は、傍にいるノマド族長――ルイーサに向き直る。
「ルイーサ殿、アシスト頼む」
「任せろ。ノマド各位に通達、コボルドの里付近にて標的を発見。ポータブル転移門を使用し、至急戻れ!」
互いにコンタクトを取り、そして――。
「オダマキ……テメェに生きる資格はねえ。今すぐ地獄へ叩き落としてやる」
オダマキを追い詰めたのだった。
*
「だ、誰じゃ貴様は……! 人間風情が舐めおって、ワシを誰じゃと思うとる!?」
両膝から血を流し、雪上を赤く染めながらオダマキは狼狽の声を上げる。
だが、その問いに誇太郎は答えない。
「人に散々争わせといて……テメェ一人だけ逃げるか。つくづく救えねえな」
「何じゃと!? どこの馬の骨とも知らぬ下等種族如きが生意気な! 一体何者なんじゃ!?」
ゲームキャラのNPCの如くオウム返しするオダマキに、誇太郎は心底吐き気を催しながら名乗る。
「俺は樋口誇太郎。人魔妖精連合国の自警団リーダーだ。そして、テメェが追放したオーガ……スミレは俺の仲間だ」
「スミレじゃと!? 貴様、あの忌み子の関係者か! あやつめ、とことんワシの人生を台無しにしおってえええっ!!!」
忌々し気にスミレを憎らしく罵るオダマキに、誇太郎はどす黒い怒りを煮え滾らせる。その影響で感情色の激怒の心力も、爆発的に増幅していく。
だが、まだ殺る訳にはいかない。眼前の愚か者に尋ねねばならないことがあるからだ。
「……殺す前に聞いてやる。何でスミレを追放した。仮にも族長なら、普通は迫害する奴等から対応すべきだろ」
眼光だけで皮膚を抉る錯覚を覚えるほどの殺気を飛ばし、誇太郎が問う。
対して、オダマキの答えは反省すら感じさせない醜悪なものだった。
「何を言うか! 迫害の原因となっていたのは他でもない、忌み子の方であろう! 実際にワシも直接見て痛感した、あれほどまでに醜いツラともなれば……一刻も早く追放せねば益々民共が騒ぎ立てるだろうと! ワシはただ迫害の根源を叩き出しただけじゃ! それが里の未来に繋がるんじゃあああっ!!」
「……何だと?」
「逆に貴様はどうなんじゃ!? 仲間というならば、奴の身体術は見ていよう! あれを見て、不気味だとは思わんかったのか!?」
見苦しい持論と共に、オダマキは誇太郎に問い返す。
オダマキがスミレを追放した経緯はハッカから聞いていた。だがいざ蓋を開けてみると、彼女の報告以上にオダマキの持論は醜悪極まりなかった。
その言い分は、激怒の心力をより一層膨れ上がらせる。
湧き上がる怒りを必死に押さえながら、誇太郎はゆっくりと口を開く。
「……思わないね。人面瘡殿はスミレが生まれた時からずっと支え続けてきたんだ。里の連中がどんなに迫害しようと、スミレ本人に嫌われようと……ただひたむきに見守ってきたんだ」
誇太郎の排撃は、ボルテージを上げて続く。
「だから不気味だとは一切思わねえ、むしろ立派な忠臣だろうが。それすら受け入れず、我が身可愛さに逃げ出したテメェの方が遥かに醜い!!」
「ぬぅっ!」
溢れ出す感情が止まらない。誇太郎は小太刀の山椒の柄に手をかけながら続ける。
「何より……スミレは頼れる先輩だ、この世界に来て間もなかった俺の面倒をよく見てくれた。そして人面瘡殿は気分を明るくさせてくれて、誰よりも早く敵の存在を捕捉してくれる頼もしい存在だった!! テメェみたいな人を見る目もないクズに、侮辱する資格なんてねえんだよ!!」
右目から一筋の涙を流し、誇太郎は死刑宣告する。
「何度でも言ってやる……テメェに生きる資格はねえ。さあ、ここで死ね……!」
その言葉と共に、誇太郎はゆっくりと歩き出した。オダマキを確実に殺す為、一歩ずつ雪道に足跡を残しながら。
強烈な殺気と共に近づいてくるその姿は、オーガであろうと周囲で見守る百戦錬磨のノマド達であろうと戦慄する程におぞましかった。
「ま、待て! 分かった! そこまで言うなら謝ってやる! ワシも判断を誤った、本当は奴の力は素晴らしいものじゃった! それなのに迫害していた連中と来たら……」
誇太郎は返さない。オダマキの言葉など馬の耳に念仏だ。
ならばと、オダマキはもう一つ案を出す。
「そ、そうじゃ! ワシを生かせば、迫害しとった連中を差し出してやろう! そいつ等全員の首で手を打とう! な、聞きたいだろう?」
これで助かる、本気でそう思っていたのかオダマキの口に笑みが現れる。
無論、これも誇太郎はスルーした。耳が腐る下衆の言葉など無意味だと分かっていたからだ。
そして、それを証拠付けるようにオダマキは更なる暴挙へ走る。
「クソッたれ!! こんな所で殺されてたまるかああああっ!!」
右手を挙げ、炎属性の攻撃を誇太郎目掛け放ったのだ。
だが、その攻撃は誇太郎がひらりと躱して虚しく空を切った。
「……テメェの攻撃なんざ当たらねえ。意地汚く言い訳する馬鹿の言葉を誰が信じるよ」
オダマキの醜悪な騙し討ちは、誇太郎の激怒に油を注ぐだけだった。
それから何度かオダマキは火の玉を投げるも、結局全て空を切り――。
「想像以上に吐き気のする遺言だったよ」
「うおおああああっ!? く、来るでねえええっ!!!」
一瞬で誇太郎に懐を取られてしまう。
そして、誇太郎はありったけの激怒の心力を乗せて――。
「オラああああああああああああっ!!!!!!!」
オダマキの右中腹部に山椒を叩き込む。
「怒髪衝天、腎肝裂きいいいいいっ!!!」
技名の通り、山椒はオダマキの腎臓に食らい付く。
そのまま臓腑と血管を抉りながら、刀身は肝臓へと進み――。
「破邪顕正! 地獄の行先は摩訶鉢特摩あああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
「ごばああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!」
最終的に喉元まで抉り裂いた。誰が見ても分かる程に、壮絶で残酷な断罪の凶刃だった。
それはオダマキの命脈を完膚なきまでに断ち切った。
「が……ぶぁ……っ……」
間欠泉の如く吹き出す返り血を、誇太郎は無言で浴びる。
そしてオダマキは、糸の切れた人形の如く雪上に倒れた。
その一部始終が余りにも壮絶だったためか、ルイーサを筆頭としたベテラン勢を除きノマドの若い人材は吐き気を催していた。
「何故じゃ……。ワシは……ごぶぁっ、何も間違っておらん……のに……」
白き大自然のキャンバスをオダマキの血が赤く汚す中、誇太郎は冷徹に見下ろす。
「……間違いだらけだよ、テメェは。スミレを追放したことも、里長に就いたことも、この世に生まれてきたことも……全部だ」
「ご……ぁ……」
オダマキの全存在を完全否定し、誇太郎は最後にこう吐き捨てる。
「まあ、最後まで過ちを認めてない時点で……何言っても通じねーか。恨むなら、この世に生まれたことを存分に恨んで……摩訶鉢特摩に堕ちろ」
言い終えると同時に、山椒にこびり付いた血を誇太郎は拭い取る。
そしてオダマキは、拭き取られた血と同期するように冷たい大地の上で、物言わぬただの肉となり果てた。
*
オダマキを葬ってから二時間前後――。
「コタロウっ!!」
コボルドの里で待っていた誇太郎の元に、スミレが駆け付けた。
「ああ、スミレ。ってか、見た目凄く変わってないか?」
「私のことはいいの! それより、その返り血……外で狼に集られてるオダマキを見て、まさかと思ったけど……」
スミレの問いに、誇太郎は躊躇いなく答える。
「……ああ。オダマキは俺が葬った、この手で……な」
「そんな……傷も治りきってないのに、無茶して……」
「それよりもスミレ、ご両親とは仲直りできたか? オダマキよりも、そっちの方が気掛かりだった」
返り血を浴びながらも、誇太郎の穏やかに問う。
対してスミレは、真摯に答えることが礼儀と捉え、晴れやかな気持ちで答える。
「ええ……大丈夫だった。パパとママは……変わらなかった、私への愛は……本物だったわ」
「捨てたことに対する真意は聞かなかったのか?」
スミレが出向するに至った動機のことを尋ねると、スミレは静かに首を横に振った。
「……聞かないことにした。本当は気になるけど、これ以上気にするのは失礼だと思ったし。それに……」
「それに……?」
首を傾げる誇太郎に対し、スミレは屈託のない面持ちで告げる。
「これからの人生は……あなたの護衛として、武器を振るいたいの。私の人生を大きく変えてくれた、あなたの為に」
「……茨の道を進むことになるとしても?」
最終確認として誇太郎が問うも、スミレの意思は変わらない。
「あなたとならば、どこまでも」
覚悟を持って支えます。そういった強い意思が、スミレの瞳に込められていた。
確たる覚悟を目の当たりにした誇太郎は、短く俯いて――。
「ありがとう……」
敬意を込めて礼を告げる。
すると――。
「と、いうわけで……コタロウ? 護衛としてこれだけは言わせてもらうから」
「ど、どうした?」
張り付けた笑顔と共に、スミレが歩み寄る。
だが声色は笑っておらず、むしろ怒っている状態だ。
「リーダーとしての自覚はあるのかしら? 本当なら怪我を押してまでここに来る必要はなかったよね?」
「い、いや……でも結果的にオダマキは抑え込めただろ……!?」
「それは結果論! あなたは自警団のリーダーで、出向部隊のリーダーなんだから。怪我を押してまで来るくらいなら、仲間に頼るべきだったでしょ。あなたが私のことを大事に思うくらい、仲間だってあなたのことを大事に思っているんだから」
「……すまない。その通りだったよ」
「本当に分かってる?」
「分かってるって」
「じゃあ、二度としないって約束できる?」
「……場合によるかな」
「それじゃあ駄目でしょ!?」
スミレから猛説教を受ける誇太郎、その姿は立場の逆転した先輩後輩と言った様子だった。
漫才のようなやり取りをする二人を遠方から見ていたノマド族長、ルイーサは苦笑交じりに独り言ちる。
「締まんねーな、全く」
かくして、スミレの因縁は払拭され、オーガの里の安寧は見事に取り戻した。
そしてこの奪還を経て、連合国の成長はより一層躍進を遂げることとなる。
いかがでしたでしょうか?
オーガの里の奪還はなりましたが、本作の物語はまだ道半ばなので続きます。
何卒よろしくお願いいたします。




