ep.7 いなくならないで
「セイ、大丈夫?体調悪い?」
まるで3日オールしたときのような、寄り道の多いプレイ。
私がすることが多いそれを、今日はセイがしていた。
「大丈夫だけど……今日調子悪いみたいだし、落ちるわ」
そう言っていたのが、2日前。
ここ2〜3日、学校にも、ゲームの方にも、星は来ていなかった。
『セイ、大丈夫かな。』
そんな想いが、胸に積もる。
まるで、雪みたいに。
通知が鳴る。
星からかも、と思うのは今日何度目だろうか。
少なくとも、二桁はあるはずだ。
__もう、期待させないで。
そう思いながら、スマホを開いた。
その瞬間、酷く懐かしい話し方が目に入った。
『@ユリ
明日は学校行くわ。あと、今日ゲームってやる?』
話してないのは2、3日のはずなのに、もう何ヶ月も話していないかのような錯覚を覚える。
先ほどまで不安がっていた自分が、馬鹿みたいだ。
そう思いながら、急いで返信を打つ。
『21時からやる予定だけど……体調だいじょーぶ?』
一緒にゲームができるなら、それは嬉しい。
けれど、星がまた体調不良になる方が嫌だった。
『大丈夫。半から行くわ』
その言葉に、スタンプを押して、スマホを閉じる。
__お母さんがいなくて良かった。
夜、多少遅くまで起きていたとしても咎めるひとはいない。
強いて言えば、セイが少し言うくらいだろうか。
そして今日は、あまり長時間する予定はなかった日。
それなら、お小言を言われずに済むだろう。
そんなことを思いながら、誰もいない階下に降りようとする。
頭に血が上る感覚がした。
「わ、」
慌てて、姿勢を低くして耐える。
目の前が明るくなった頃に、私はやっと階段を降りだした。




