第6話
子供達の世界で見たウリエルの姿は尊く、触れてはならない美しさがあった。
彼は何故か、涙が出そうになった。
「彼女に会っていく?」
「いえ……やっぱり、いいです」
そう言って、彼は扉をそっと閉めた。
「彼女はね、ほとんど毎日お手伝いに来てくれるのよ。自分も忙しいだろうに……」
アスタロトは以前から疑問に思っていた事を、ガブリエルに聞いてみた。
「あの……なんで彼女は昔、地獄界の管理人なんかやっていたんです? この任務の方が彼女らしいというか、合っているというか……」
そう……地獄界という、過酷で忌まわしい場所なんて、彼女には似合わないじゃないか!
「さあ、どうしてかしらね。それは私にもわからないし、彼女自身も知られたくないんじゃないかしら」
「はあ……」
アスタロトは、向こうにウリエルがいる部屋の扉を見つめた。
「あの子達はどうなるんですか? この後」
「ある夫婦の下へ行く子もいれば、天使の見習いとなる子もいるわ。もちろん、中には地獄管理界への希望する子もいるのよ。私は、その手助けをするだけよ」
「えっ? もしかして、あの子達自身で自分の運命を決めるという事ですか?」
そう、というように、ガブリエルはゆっくりと頷いた。
彼女の美しい緑色の瞳がアスタロトを見つめる。
暫くして、ガブリエルの背後が賑やかになってきた。彼女の部下達が数人やって来たのだ。
これをきっかけに、アスタロトは彼女にお礼を言って、その場を去ったのだった。
その際部下達が、興味深そうにアスタロトを振り返り見ていた。




