表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天界物語~天使たちの舞踏会  作者: 髙橋涼羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/32

第29話

 地獄管理界の自室に戻ったアスタロトは、久々にキャンバスに向かっていた。

 元々彼は、絵画は見る事も描く事も好きだった。


 人間界の「ロック」という音楽に出会う前は、よく色々と描いていたっけ。

 地上の景色、人間の世界、色鮮やかな動物達、そして仲間達……。

 勿論、ウリエルの絵も。

 只、彼女のヌードを描いてしまった時は、部屋ごと破壊されちまったっけな。


 先程まで会っていたウリエルのベビードール姿がまだ目に焼き付いているうちに、絵に残そうと彼は思っていた。

 そして何と彼は、数時間もかからず描き上げてしまったのだ。


「よっしゃあーーっ! 出来た!」


 アスタロトは腕を組み少し離れて眺め、左右横から眺め、また正面に戻り眺め、そして満足そうに何度も頷いた。


 白い肌が透けそうなピンク色のベビードール姿のウリエルが、正面を向き黄金の翼を広げ、アスタロトを迎え入れるように両手を差し出していた。花びらを思わせる唇が、いまにも語りかけてきそうである。

 そして何より力を入れたのは、その瞳だった。

 翠色の瞳の奥に、何と自分の姿を映り込ませたのだ。


「見てるかーっ! カラヴァッジョー!」

 アスタロトは天井に向かって叫んだ。


 絵画の中のウリエルにうっとりと見つめていた彼は、その唇に口づけをしようとした。しかし彼は我に返り「おいおい、これじゃあ、あの変態じじいと一緒じゃん!」と、ベルゼブブを思い出し赤面した。


(けど、我ながらいい出来じゃん!)


 今にも飛び出して来そうな絵の中のウリエルは、優しい微笑みを讃えていた。


「何処に飾ろうかなあ? 絶対彼女に見つからないようにしなきゃな。また部屋ごと爆破されたら、かなわねえしな」

 独り言を言いながら部屋の中を歩き回っていたが「あ、そもそも彼女が来る事ねえや」と苦笑し、結局彼は奥のリスニングルームの壁に掛ける事にした。

 入るとすぐ目に付く、高級オーディオシステムの上にである。

 大好きなロックを聴きながら、ビールでも飲んでウリエルの絵を眺める。


 一人ニマニマしていたが「あっ、そうだ! こうしていられねえや」と、大急ぎで部屋を出て行った。

 彼は黒い霧となり、天界へと目指したのだった。

(まだウリエルがリリスの所から戻って来てなければいいが)


 ”リリスを舞踏会へ”……。


 アスタロトはウリエルに内緒で、ダメ元で行動するつもりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ