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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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52/58

【52】ルシアン推し、爆誕。〜颯真のハートはルシアンがガッチリ掴みます〜

そして、ロクシーが選択肢をクリックする。


それは――


②(ルシアンくん、まずはうちの道場に入ってくれないかな!?)だ。


ルシアンの演奏が終わると同時に、颯真が高速で拍手する。


そして、爽やかな笑顔で言った。


「ルシアンくん!ギターも凄いね! それで……武道に興味ある?」


ルシアンがチラリと颯真を見て、淡々と応える。


「武道? どの武道だ?」


「えっと……」


颯真が口を開こうとして、それに被さるようにルシアンの声が続く。


「Japanの正式な武道ならば、9種類。

柔道・剣道・弓道・相撲・空手道・合気道・少林寺拳法・なぎなたか?

その他の古武道か?

世界の武道といえば、格闘技、韓国のテコンドー、タイのムエタイ、ブラジルのブラジリアン柔術などがあるが」


颯真は感動で瞳をウルウルさせていた。


(……本物だ!!本物だよ!!全ての武道に精通している……!!)


一方、ロクシーは、

殺気を込めた目でパソコンを見ながら、

強炭酸水のペットボトルをドンと音を立ててテーブルに置くと、言った。


「なんで突然ベラベラと喋るかな!?

そこはいつもルシアンの短い返事でいいの!

『ある』か『ない』で良いでしょ!?」


そして、颯真が再び口を開く。


「あ、あの……!

俺は中学の時は部活でラグビーをやってて!

それで柔道と空手をやって、合気道も少しやってから……」


その時、ぐーっとかわいいお腹が鳴る音がした。


ルシアンがさっとアンジュに向かって跪く。


「これは……アンジュさま……!

なんと言うご無礼を!

もうすぐ夕食の時刻!

では、私は準備をして参ります!」


アンジュがにっこり微笑む。


「うむ!待っておるぞ!」


その少し幼さを残す美しい笑顔が、

ルシアンの眼を直撃。


ルシアンは瞬時に目を瞑り、

颯真に一言、「失礼!」と言うと、

目を瞑ったまま、アンジュの部屋を出て行った。




そして、その夜。


理事長室はハリウッドセレブのパーティ会場と化していた。


キラキラと輝くゴールドのミラーボールに、

大音量で流れるルチアーノ選曲のJapanのイケてる音楽。


10段のシャンパンタワーには、ドンペリが惜しみなく注がれている。


ロクシーは強炭酸水片手に、ツインテールを揺らし、踊りながら言った。


「新しい選択肢も出たー!

颯真のハートはルシアンがガッチリ掴んだし!


ギターを代わりに弾いてくれた颯真への重要ワード…… 『颯真はラッキーマンみたいであるな!』は、颯真宛にアンジュちゃんの動画でメッセージを送り済み!


しかも返事が来なーい♪」


ルチアーノもボックスステップを踏みながら、

顔を真っ赤にして雄叫びを上げる。


「そうであります!

全てロクシー先生の計画通り!

颯真はラッキーマンの存在が何なのかよりも、

俺様のズッ友ルシアンの武道が聞きたいのでありますよ〜!!

もう、ズッ友カッコいい〜❤️」


イレイナは、

その価格250g 約100万円の最高級キャビア『アルマス』をマザーオブパールに乗せて一口食べると、ホホホと笑う。


「颯真はどうでもいい!


でもね!

ルシアンが学ラン姿でアンジュの為にクラシックギターを弾いたあの映像……!!

しかも、アンジュはベッドで聴いてるのよ……!!


良い画が撮れたわ❤️」


そして、踊りまくるロクシーに、

ルチアーノがボックスステップのまま、すすっと近寄る。


「して、次なる手は!?」


ロクシーが踊りながら、

ジロッとルチアーノを見る。


「あんた……脚本覚えてる?」


ルチアーノがニンマリと笑う。


ボックスステップを、

物凄いスピードに変えながら――


「モチのロンでございます!

この不肖俺様☆

ロクシー先生の脚本は頭に叩き込んでおります!


次なるは――

颯真たち友達のお見舞いの後の……ハイッ!俺様とハルと中野とのお見舞いでーす!

俺様、尊い☆」


ロクシーがパチンとウインクする。


「その通り!

だけど、あんたが尊いか、そうでないかは、終わってみないと分からないからね!

罰金を忘れるな〜♪」


その言葉に、ぶわっと額から汗を吹き出しながらも、ルチアーノが笑顔で言う。


「お任せ下さーい☆☆☆」


そうして、乙女ゲームなのに

『ルシアンが颯真のハートをガッチリ掴んだ宴』は朝まで続いたのだった――




それから二日程してゴールデンウィークが始まった。


今年は三連休、3日間の平日、四連休のカレンダーだった。


アンジュの両親は、アンジュをゴールデンウィーク明けまで学校を休ませることにした。


これはゲームの設定なので、変更は出来ない。


アンジュは神に祈りを捧げ、ルシアンが作る朝昼晩の食事、おやつを食べて、ロクシーの脚本を守り大人しくしていた。


そして――


ゴールデンウィークの中日、三日間の平日の最終日、 お見舞いに来た颯真が言った。


「明日からの休みに、

アンジュさえ良かったら綾野と谷川がお見舞いに来たいって言ってるんだけど……」


アンジュはもちろんロクシーの脚本通り答える。


「そっ颯真が、いていていて居てくれるならばっ!!」


アンジュが心の中で叫ぶ。


(言えたー!神よ!感謝します!!)


颯真はそんなことには全く気付かずに、

屈託なく笑って言う。


「当たり前だろー」


そして、颯真はアンジュを安心させるように、

おどけた口調で続けた。


「そんなに緊張しなくても平気だよ。

なんたって、綾野と谷川なんだから!」


パソコンの前のロクシーが、ニヤリと笑って呟く。


「颯真……!その調子!」


そして翌日の午後――

颯真と陸と吾朗が、アンジュの元にやって来た。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

明日も17時更新です☆


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