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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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【25】手を繋げない理由が強すぎる。〜イブの約束と、放課後イベント特訓開始〜

澄んだ冬の空気に、ツリーの飾りが輝いていて、

遥斗とアンジュは思わず目を奪われた。


複数のカップルや家族連れもツリーを見に来ている。


みんな幸福そうにツリーを見上げ、笑い合っていた。


遥斗も自分もそのうちの一組なんだと思うと、

自然と笑みが零れた。


アンジュと、目と目が合う。


アンジュの青い瞳に、

ツリーのイルミネーションが映って煌めいている。


遥斗がやさしく微笑んで、

アンジュの手をそっと握ろうとすると――

なぜか、二人の手の間を吹き抜ける、風。


それはまるで、空気銃のように、

狙って撃っているとしか思えない、速度と完璧な角度。


アンジュは小首を傾げて遥斗を見ている。


遥斗が再び手を繋ごうとすると――

やって来る、風。


遥斗が真っ青になっていると、

アンジュが不思議そうに言った。


「ハル?どうした?」


遥斗はモゴモゴと答える。


「……えーと……こういう時は手を繋ぐもんかなって……」


「なぜだ?

なぜ、手を繋ぐのだ?

ツリーと飾りを見るのであろう?」


心底、不思議そうなアンジュに、

遥斗は身体から力が抜けていくのを感じた。


手を繋ごうとしても、恐ろしい現象が起きる。


手を繋ぎたい相手は、

手を繋ぐ必要性を訊いてくる。


雰囲気、ぶち壊し。


遥斗はため息を一つ吐くと、

諦めて本題に入った。


「じゃあ、イブも見に来ませんか?」


アンジュの真っ白な頬が薔薇色に染まる。


「……なるほど!!

遥斗は相当クリスマスを大切にしておるのだな!

素晴らしい!


では、クリスマス・イブも一緒にここに来て、

神に感謝と聖なる祈りを捧げよう!」


遥斗はその美しく、

まだ幼さの残る笑顔を見て、ポツリと呟く。


「幸せな勘違いもいいね」


アンジュがにこりと微笑む。


「ハルよ!

日本語が間違っておるぞ!」


そう言うアンジュの大きな青い瞳に映る、

光輝くクリスマスツリーに、

遥斗の胸はぎゅっと痛みを覚えた。




ロクシーも、パソコンの前で、

遥斗に負けず劣らず、深いため息を吐いた。


「……良かった……!

クリスマス・イブの約束をした……!

ハルの『勘違いな幸せ』発言も出た……!

これでクリスマスルートを通過できる……!」


ルチアーノも特大クラッカーを次々と鳴らし、

薔薇の花びらを散らす。


「流石、ロクシー先生でありまーす!!」


だが、ロクシーはギロッとルチアーノを睨んだ。


「あんたさあ……。

ルシアンのやったこと、見たよね?」


ルチアーノの特大クラッカーを持つ手がピタリと止まる。


「でも〜……ルートは進んだし〜……」


言い訳がましいルチアーノの声を遮るように、

ロクシーが定規で自分の手をパンパンと叩く。


ルチアーノの額にブワッと噴き出る汗。


ロクシーの鋭い声が飛ぶ。


「そう!

ルートが、進んだから良い!

今回はね!


でも、いくら空気と言えども……

ハルの心が折れてたら、

重要ワードの『幸せな勘違い』はおろか、

クリスマス・イブの約束も出来なかったんだからね!


ルシアンに、

ズッ友のあんたから、ちゃんと理解させるように!」


ルチアーノがクラッカーを床に落とし、

敬礼して答える。


「……了解でありますッ……!!」


「そして、あんたには次の重大ミッションを……」


ロクシーがそう言った瞬間、

落ちたクラッカーがロクシーに向かって直撃した。





それから、ルチアーノは理事長室から

『神谷伊織』の部屋へと繋ぐ空間を

イレイナに5万ドルで作って貰い、

ロクシーの特訓が始まった。


明日の日曜日の夜に、遥斗に送るメッセージの内容から、

放課後に遥斗に話す内容、そのベストな話し方。


そうして、アンジュを呼ぶタイミングまでも。


ルシアン特定水晶玉も、

ルチアーノに再現させた。


もちろん、材料はイレイナが作り出し、

支払いはルチアーノだ。


ロクシーは、

ルシアンがこの"特訓"を見て、

記憶していることも分かっていた。


だが、それこそ、好都合だと判断し、

特訓は続いた。


そして、ルチアーノは日曜日の夜9時に、

遥斗にメッセージを送った。




遥斗はスマホを見て、首を捻っていた。


そこにはルチアーノからのメッセージ。


『ハル!

アンジュちゃんを俺様のミューズにしようとした誤解を解いてやる!

それと、お前の最大の誤解もな!!俺様、尊い☆

明日の放課後、美術部の準備室に来るように!』


(――なんでこんなに上から目線なんだろう……?

やっぱりルチアーノくん、変わった!?

それに俺の最大の誤解って何!?)


だが、遥斗も良い機会だと思った。


(ルチアーノくんがそう来るなら、

俺も言いたいことを全部言おう!)


そして、遥斗は

『了解』

というスタンプだけを返した。




月曜日。


学校の最寄り駅で、

目の下にクマを作って現れたルチアーノに

アンジュが青い瞳を見開いた。


「ルチアーノよ!

何かあったのか?」


ルチアーノは必死に作り笑いをして答える。


「何でもないよん♪

またもや、突然、新しい香水のアイデアが降って来てしまって……!

芸術家のさがっていうやつ?

徹夜して、設計を纏めてしまって!」


アンジュがにこりと微笑む。


「それは素晴らしい!

また、香水を作る時は呼んでくれ!」


ルチアーノの目と――

パソコンの前にいるロクシーの目がギラリと光る。


ルチアーノがコホンと一つ咳払いをすると、

小さな声で言った。


「じゃあ、今日の放課後、

メッセージするから、また美術部の準備室に来てくれますか?お姫様☆」


アンジュが高らかに告げる。


「よかろう!」


ルチアーノがホッとしたように笑う。


そして、心の中で叫ぶ。


(第一段階、成功だ……!!

ロクシー先生!不肖俺様の活躍を見ていて下さい……!!)




そうして、放課後がやって来た。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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