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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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24/35

【24】リリカルが世界を揺らした日。〜騎士の後悔と、開いたクリスマスルート〜

そして、次の瞬間――

放たれる、悪臭。


アンジュはキョトンとして立っている。


そして、その後ろに大きな人影。


ルチアーノの歓喜の叫び。


「やったー!!

異世界転生しても俺様の香水は完成する!!

リリカル万歳〜❤️❤️❤️」


遥斗が覚えていたのは、それだけだった。




目を開けると、自分の部屋の天井が見えた。


そして、さらりと頬に落ちる金色の髪。


遥斗はまだ霞む目で、呟く。


「……アンジュちゃん……?」


「そうだ!

ルシアンよ!

ハルが目覚めたぞ!」


その一言で遥斗が飛び起きる。


(ルシアンくんって……言ったよね!?)


もう、恐怖が条件反射になっている遥斗に向かって、跪いているルシアン。


「……えーと……」


遥斗が思わず間抜けな声を出すと、響く低音ボイス。


「一ノ瀬くん……!

申し訳ない!


アンジュさまの身の危険を感じて……

思わずルチアーノの香水を完成させてしまった……!!


私が君を連れ帰ったが、

到底許されるべきことでは無い!

どのような罰も甘んじて受けよう……!」


遥斗はルシアンの言っている言葉の意味が、一言も分からなかった。


確かに、理由は分からないが、強い風が吹いた。


そして、鼻がもげそうな臭い匂いがした。


自分は、たぶんそのせいで、失神した。


あの匂いに、耐えられる人間がいるとは思えない。


それが、なぜ――

『ルシアンくんが香水を完成させた』

ことになるのか。


うーんと、目を閉じる遥斗。


(たぶん……

ルシアンくんはルチアーノくんの、

あの訳の分かんないフラスコとかの組み立てを手伝ったんだよな……?


それで、俺が入って行った時に、

ルシアンくんはまだ、あの準備室にいた。


そして、たぶん、俺がドアを空けっ放しにしていたせいで、強い風が入って来た。


そこで、ルシアンくんがいつもの様に、強風からアンジュちゃんを守った。


その直後、あのフラスコとかの中身が割れた……

そう言うことか……?)


頭の回転が早い遥斗にとって、

それが穴だらけの考えだと理性では分かる。


だが、こうでも考えないと、

自分のベッドの前に跪いている、

190センチ学ランの存在の後悔の念の圧に、

神経が負けそうになる。


そこで、ハッと閃いた。


(……これってチャンスだよな……!?)


遥斗は目を開けると、さらっと言った。


「罰とか良いですよ。

ルシアンくんに悪気は無かったんでしょ?

もう良いです。


じゃあアンジュちゃんにお願いしようかな?」


アンジュが青い瞳をキラキラと輝かす。


「何だ!?

ハルの寛大な申し出!

私は喜んで受けよう!」


遥斗がにっこり笑う。


「東京タワーの前にツリーがあって、

曲と時間に合わせてイルミネーションが点滅するらしいんですよ。


アンジュちゃん、ああいうの好きでしょ?


明日は土曜日だし、

アンジュちゃんと二人きりで、見に行きたいです」


「クリスマスツリー!?」


アンジュが嬉しそうに声を上げる。


遥斗も笑顔で続ける。


「じゃあファミレスかどっかで夕飯食べて行きますか!」




その夜、白鳥学園の豪華過ぎる理事長室では――


イレイナは赤ワイン、

ロクシーとルチアーノは強炭酸水で乾杯していた。


ロクシーが不敵な笑みを浮かべて言う。


「何だかんだあったけど……

クリスマスイベントには避けて通れない、

『初めて東京タワーを見に行く』ルートは通れた!


これで、一ノ瀬遥斗ルートの乙女ゲームは進む!」


ルチアーノもフッフッフッと笑う。


「やはり!

ロクシー先生……素晴らしい采配でございます!!」


そして、ルチアーノは

壁に向かって直立不動で立っているルシアンに目をやる。


「ルシアン!

お前も乾杯しろよ!

これで、一歩、現実に戻れるようになったんだぞ!!」


ルシアンは壁を見て、答える。


「アンジュさまが……

一ノ瀬くんと二人きりで、クリスマスツリーを見るのだ……。

乾杯など出来ない」


「んもー!!」と言ってルチアーノが立ち上がり、

ルシアンの元に行くと肩を抱く。


「ズッ友よ……!!

お前の初恋成就だって進んでるんだ!

それは、このメリバ確定ルートの乙女ゲームの中でも変わらない!


それに、

あの無礼者のハルとアンジュちゃんが見るクリスマスツリーは、本物じゃないのッ!!

クリスマスまでの限定イベント!


それと、

俺様のリリカルすら蒸留してしまう尊い香水にも感謝しろ!!」


その刹那――

ロクシーの投げたペーパーナイフが、

ルチアーノの頬スレスレに掠める。


「……ヒィッ……!!」と悲鳴を上げるルチアーノに、

ロクシーの鋭い声が飛ぶ。


「……あんたね……!

あのミニ香水工場で、

ルシアンが咄嗟にあんたの香水を完成させちゃったから、

後始末はイレイナがしたんだよ!?


ここがアメリカならCDC――疾病予防センターが動く案件だったんだからね!

あんたは普通に絵を描いてれば良かったの!!」


ルチアーノが瞬時にその場で正座になり、

床に付くくらい頭を下げる。


「……申し訳ございませんッ……!!」


すると、イレイナが水晶玉を片手にホホホと笑った。


「まあ、ルチアーノには手数料を請求するし……。


何と言っても、

ルシアンが大天使の恩寵を隠しきれず、

強風と共に現れて、

アンジュをあの災害級の香水から護る尊い画が取れたから、許す❤️」


ロクシーがジロッとイレイナを睨む。


「イレイナ!

欲望に走り過ぎじゃない!?」


イレイナは意に介す様子も無く、ワインに口を付ける。


「あら?

じゃあ、あんたがルチアーノと交わした契約料は?

無料でパソコンに張り付いてるわけじゃないでしょう?」


ロクシーがぐぬぬとなっていると、

頭を下げたままのルチアーノがビョンと跳ねた。




そして、翌日の土曜日の夕方。


待ち合わせをした遥斗とアンジュは、

ファミレスから、東京タワーへと向かっていた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

明日も17時更新です☆


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