表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界のソフィア ~人類最後の希望はAIが理解できない力でした~  作者: あかと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

魔導具


 朝。


 ソフィアはいつものように地下施設の外へ出ていた。


 右手を前へ向ける。


 意識を集中する。


 体の奥にある熱。


 研究施設で目覚めてから感じ続けている力。


 ソフィアはそれを魔力と呼ぶことにした。


 ボッ。


 火球が現れる。


 さらに魔力を流し込む。


 火球は一回り大きくなった。


 熱量も増している。


 だが同時に疲労も増えた。


「やっぱり」


 ソフィアは火球を消した。


 この数日で色々なことが分かっていた。


 魔力を多く込めれば威力は上がる。


 しかし疲れる。


 魔法を使い続ければ魔力は減る。


 疲労も蓄積する。


 そして魔力が尽きれば魔法は発動しない。


 つまり無限ではない。


「燃費は悪いわね」


 独り言を呟く。


 その時だった。


「また実験してるの?」


 背後からマリーの声がした。


 ソフィアは振り返る。


「日課だから」


「なんか研究者っぽいね」


「両親の影響かも」


「ソフィアの両親って研究者だったの?」


「うん」


「へぇ」


 マリーは納得する。


 しかしそれ以上は追求してこなかった。


 二人は地下施設へ戻る。


 朝食を終えた後、三人は工房へ集まった。


 マリーが机に紙を広げる。


 設計図のようなものが描かれている。


 ソフィアが覗き込んだ。


「何これ?」


「試作品だよ」


 マリーは笑う。


 金属筒のような形が描かれている。


 ジャン爺も横から見る。


「ふむ」


 職人の顔になっていた。


 マリーが説明を始める。


「火球って強いじゃん。アニマル型の金属は焦げてたし、片脚も歪んでた。でも撃てるのはソフィアだけ」


 それは事実だった。


 魔法はソフィアしか使えない。


 今のところは。


 マリーは紙を指差す。


「ならその火を溜めておけないかなって」


「魔法を保管するってこと?」


 マリーは頷く。


「うん。例えば魔法を込めた弾とかに」


 ジャン爺が腕を組む。


「魔導弾ってやつか」


 マリーは続ける。


「事前に魔法を保存できたら便利だと思うんだよね」


 それはそうだ。


 武器……武具……いや、魔導具と呼ぼう。


 それができれば、毎回ソフィア本人が戦う必要がなくなるだろう。


 魔法と違って、魔導具は誰にでも使えるということなのだから。


「問題は保存方法じゃな」


 ジャン爺が言う。


 工房に沈黙が流れる。


 ソフィアは少し考えた。


 小さな火球を出す。


 そして消す。


 再度、小さな火球を出す。


 先程より長く維持する。


 そして消す。


 魔力は減るが、魔法を出し続けていられるかどうかはソフィア次第だ。


「魔法の維持には私が必要」


 マリーも頷く。


「だよね」


 保存する方法が分からない。


 ジャン爺がブツブツと呟く。


「装置、回路……魔法……火球や炎を魔力でコーティングして魔力ごと組み込み保存すれば?」


 マリーが聞き逃さず同意する。


「なるほど! ジャン爺、それでいこう!」


 技術者同士で話か盛り上がる。


 あーでもない、こーでもないと。


 質問自体は飛んでくるが、ソフィアは完全に置き去りにされていた。


 3日後。


 ソフィアが昼食の用意をしているところに、マリーとジャン爺が勢いよくやってきた。


「できたよ!」


「完成したわい!」


 2人とも目のクマが酷い。


 寝る間も惜しんで作業していたのがバレバレだ。


「ほらコレ見て!」


「こっちはコレじゃ!」


 マリーは弾をジャン爺は銃を見せてきた。


 どちらにも魔法陣が刻み込まれている。


「この魔導弾は火球をソフィアの魔力で~」


「この銃も凄くてのう。使用者ロックが~」


 とにかく聞いてほしいと、作った物を我が子のように語り続ける2人。


 そんなマリーとジャン爺を見てソフィアは思う。


 いくら楽しかったからといって、3日で銃を作るなと。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ