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35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する   作者: エルリア


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257/262

257.いきなり進路を変更して

「こちらソルアレス。セリオス・ステーションコントロール、出港許可をお願いします」


「こちらセリオス・ステーションコントロール。あら、もう出発しちゃうの?」


いよいよ出発、管制に連絡を入れるといつものお姉さん?が返事をした。


結局顔を見ることは無かったけれど、なんだかんだ世話になったなぁ。


「えぇ、次に行くところがありますので」


「あの大きなクジラちゃんを見れなくなるのは残念だけど、よい旅を。セリオス・ステーションコントロール出航を許可します」


「お世話になりました」


「また近くに来たら立ち寄ってね、エドも喜ぶわ」


「エド?」


「あら、言ってなかったかしら。エドモンドは私の旦那よ」


は?


エドモンドって傭兵ギルドのあの偉い人だよな?


まさか最後の最後に度肝を抜いてくるとは思わなかったが、何にせよセリオス・ステーションを離れ次なる目標へと向かって出発。


加速許可領域まで移動してからエンジンの回転数を上げ、一気に航路を突き進む。


とはいえこの辺は入港待ちの船が多いのでそこまでの速度は出せないけれど、一時間も飛べば航路も空いてくるからそれまではノロノロ運転で行くしかない。


とはいえこの量、流石に多くないか?


「なんでこんなに船がいるんだ?」


「確かにいつもよりも多いですね・・・テネス」


「今調べてる。ん~、でも特にこれっていう通信は流れてないわね。考えられるとしたらハイパーレーンの突入待ちぐらいだけど、順調に流れているみたいだし偶然じゃない?」


「ふむ、まぁ俺達は別に構わないんだがローラさんが大変だなぁ」


ソルアレスにはオートパイロットがついているのでどれだけ周りに船がいても自動で飛行できるけれども、ノクティルカはそれがないのでこれだけの船を避けながら飛ばなければならない。


流石にこの大きさにもなると向こうも勝手に避けてくれるが、聊か数が多すぎる。


「確かにこれだけの船を避けながらとなるといくらローラ様でも大変でしょうね」


「どうする、航路を離れるか?」


「次の宙域に行くにはハイパーレーンを通るのが一番なのですが・・・急がれないのでしたら別航路もありますよ」


「え、あっちを使うの?」


「何か問題があるのか?」


「あそこはデブリ帯を抜けなきゃいけないのよ。掃除しても掃除しても減らないデブリ、そのせいで航路が使えなくなって、代わりにハイパーレーンが出来たそうよ。まぁ今の燃料があれば十分通過できるけど、そっちの方が大変じゃない?」


ふむ、少々のサイズならともかく大型ともなるとそれはそれでめんどくさいが、ノクティルカの質量があればそのまま突っ切ってしまっても問題ないようなきもする。


最悪大きすぎるのはドローンで除去してしまえばいいわけだし、急ぐ旅ではないから船を避けて飛ぶよりかはマシだろう。


とりあえずどうするかをローラさんに相談、やはり船を避けながらというのはそれなりに気を張るようでそれならデブリの方が幾分かマシとの回答だった。


恐らくどっちもどっちだけど、賠償とかそういうのを気にしなくていい分デブリは気楽なのかもしれない。


「少々のデブリじゃノクティルカの装甲は傷にもならんし、仮に傷ついても直せばええやん?」


「それでいいのか?」


「え、船ってそういうもんやろ?そりゃミサイルをぶち込まれるとかは困るけど、航行してて傷が入るなんて当たり前やしそんなの気にしてたらどこも行かれへんやん」


「ふむ、まぁそりゃそうだ」


「ノクティルカを気にしてくれるんはありがたいけど、この船はそうやわちゃうで」


うちのメカニックがそういうのであればこれ以上は何も言うまい。


とうことで、俺達はメイン航路を離れ旧航路へと進路を変更。


もしもに備えて燃料は別に積んであるので燃料切れの心配はない、こう見えて同じ轍は二度踏まないんでね。


「進路変更完了、目的地まで約五日です」


「当初の予定が二日なのを考えると2.5倍。でもまぁ時間はあるし別に構わないだろ」


「急いだところでウイルスが除去できるわけでもないしね」


「因みに進捗は?」


「進捗無しです。ウイルスの解析度は3%と言ったところでしょうか」


「まっだまだじゃねぇか」


感染からそれなりに時間は経っているけれど、それでまだ3%とかよっぽどヤバいやつに感染してることになる。


うーむ、前に見たホロムービーじゃないけれど古代遺跡の呪いとかそんな類じゃないのか?


「これはやはりテルマ・オルビスタに行くしかありませんね」


「・・・つまり温泉に入りたいだけってことだな?」


「そういうわけではないですよ?ですがそいう場所でのんびりすれば捗るのではないかなと思っただけです」


「ヒューマノイドでもか?」


「もちろんです」


温泉に浸かるヒューマノイド、過去に前例があるし前に言っていたようにヒューマノイド用の温泉着的な物もあるそうなのでそれを着れば何とかなる。


因みにどんな物かは怖くて聞けていないのだが、あまり話を蒸し返すとめんどくさいことになりそうなのであえてそれ以上は何も言うまい。


本当は調べたら済む話なのだが、ここでネットワーク検索をすると履歴がすべてアリス達に筒抜けなので調べるに調べられないんだよなぁ。


まったくめんどくさい話だ。


「まぁそこにいってお前のウイルスが少しでも早く除去できるなら文句はないさ。因みにそのテルマ・オルビスタってのはどういう場所なんだ?」


「火山性惑星の近くにある複合コロニーです。惑星内部で暖められた温泉をふんだんに使い、複数のコロニーにてそれを運用しています。一部は貴族しか入れない場所となっていますが、様々な温泉が一度に楽しめるということもあり誰でも楽しめる作りになっています。なんでもテラフォーミング中に温泉を掘り当ててしまい、急遽それを使ったリゾートへと切り替えたのだとか。機転の速さが今の富を生み出す典型的な例ですね」


「テラフォーミング中にそういうこともあるわけか、なるほどなぁ」


「興味があれば惑星にも下りられるんだって」


「惑星に?火山が噴き出してるんだろ?」


「すべての場所がマグマに埋め尽くされていたらどうやって温泉を引き上げるのよ。パイプがある部分は問題のない場所だし、そこからマグマの海を見るのも観光資源の一つってわけ」


興味があるかと聞かれると少しはあるが、本当に大丈夫か不安になるなぁ。


なんにせよ温泉が複数あるというのは非常に魅力的、前に妻が行きたいと言っていたアリュマー星域の温泉地とは比べ物にならないほどの規模なんだとか。


ここまで色々な事をしてきたわけだし、ここらで一つのんびりしても罰は当たらないだろう。


まぁ、前も似たようなことを言った気もするけれど、何度も言うが急ぐ旅ではない。


目的はあくまでもアリスのウイルス除去を待つことだけ、それが終わるのに一カ月かかろうが一年かかろうがそれはそれで仕方がないだろう。


幸いお金も時間もある、昔じゃ考えられなかったがそれだけのことを俺達はやってきた。


だからここでそれを返してもらってもバチはあたらないんじゃないだろうか。


「まぁ暇で暇でどうしようもなかったら考えよう」


「言ったわね」


「いや、言質を取って何するつもりだよ」


「さぁね。まぁそのためにも目の前のデブリ帯を越える必要があるわけだけど。何があるかわからないからしっかりレーダー見ておいてよね、キャプテン」


「へいへい、了解」


アリスが復調するまでは俺がレーダーの監視役。


真っ黒い宇宙の先、メインモニターにはうっすらと白い靄のようなものが映し出されていた。


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