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ナマケモノ殿下と最強の盾

王者 1000以上前の魔王との戦いで兵を率いたり、内政面で手腕を発揮したと言われている。

 しかし、シンが、英雄と魔王の研究を続けることで分かったことがあった。

 魔王率いる魔族には物理攻撃は効きづらく、魔力を帯びた剣による攻撃が最も有効だった。しかし当時の兵は今よりも何倍も水準が低く、魔法剣を扱えるものはほとんどいなかった。

 そこで王者が編み出したのが無尽刀!

 軌跡の剣をその莫大な魔力で何日も維持することで、軌跡の剣を兵に持たせ戦力としたとされる。


 これはアキナの力を借りて翻訳した手記からわかったことだが、賢者の力も借りて、魔王との戦争中軌跡の剣を維持していた?

 賢者と王者は愛し合っており、その子孫がそれぞれ国を起こし、何百年と経つ間に思想を違え、現在の国となったらしい。

 ちなみに、シンセイとテンセイはその時初めて、賢者が女であることを知った。


---


 テンの無尽一刀流鳳仙花がゴリラ3人組を襲う

 およそ1人から繰り出されているとは思えない量の斬撃が繰り出される。


「調子にのるな!」

 テンの攻撃に慣れてきた脳筋兄が軌跡の剣を回避して攻撃をしようとするも、俺の三重結界で容易に防ぐ。


「そろそろ諦めたら?俺たち2人揃ったら、無敵だよ」

「シンセイが攻撃出来ないからな、テンセイの攻撃にもなれた、こちらも負ける気はしないぞ!」

「あれ、そう?じゃあシン、2人よろしくね」

 脳筋兄の慣れた発言に少しムッとしたテンがカクトをこちら側へ誘導し、俺の三重結界で剣を弾かせる。

 そうして少しだけ出来たスケートとテンと一騎討ちの時間。

 テンは自身が作った軌跡の剣を4本分、少しだけ弾き1箇所にまとめる。そしてまとめた剣に向かって一気に振りかぶり、軌跡の剣をごと斬る。


「無尽一刀流、5本斬り」

 合わせて5本の剣での攻撃はすごい威力となり、スケートが防御に使った剣を砕き、その鎧ごとスケートを切り裂いた。


 致命傷とはいかないまでも、戦闘続行は不可能な傷を負わせた。手数だけだと油断していたスケートは膝をつき、動けなくなった。


「これほど、とは、、、」

 そのままスケートは倒れる。


 俺の三重結界で剣を弾かれた少しの時間、スケートの援護が遅れたことで1人戦闘不能になったという事実が、脳筋兄をより本気にさせた。


「全軍、ここだ!他には目もくれるな、テンセイとシンセイ、双子の王子を狙え!」

 なんの遠慮かわからないが、今まで3人で相手をしていた脳筋兄軍は、スケートの脱落を皮切りに、多くの兵がこちらを狙ってきた。


 上空から降り注ぐ魔法を左手の三重結界で防ぎ、右からきた2人の兵の攻撃を右手の三重結界で防ぐ

 正面と左側からの敵はテンが切り裂いていく。


「どうシン?無尽一刀流上手になったでしょ?」

「あれだけ練習に付き合ったんだ、上手くなってくれなきゃ困るよ!」

 テンと俺は背中をほぼ隣合わせにして動く

 死ねぇとか、お覚悟をとか言いながら剣を振ったり魔法を使ってくるが、全く怖くない。


「この魔法剣、シンが賢者の手記から名前掘り出さなきゃエターナルインフィニティエッジって名前にするつもりだったのに、な!」

「さすがにセンスがないからこれでいいでしょ!」

 ある時はテンが前の敵を斬り、俺が後ろの攻撃を防ぐ

 ある時は俺が前からの攻撃を防ぎ、テンが後ろの敵を斬る


「ところでシンは誰が一番好きなの?」

「誰がとかそういうんじゃないよ、レイはずっと一緒だから何も言わなくてもお互いがお互いのことわかって、一緒にいて安心するし。クリスは気遣いができて優しい気持ちにしてくれるし。アキナはいつも盛り上げてくれて楽しい気持ちになる、みんな好きだよ!」

 俺が屈むと背中をつけたまま俺の上を通るようにひねりながらジャンプしてテンが前にでながら斬り裂くなど、お互いに背中同士をつけた状態で入れ替わりながら立ち回る。


「そういうテンはエーミィのどこがいいんだよ!」

「いや、運命感じるでしょ?こう、控えめに言っても世界一かわいいし、気立がよくて優しくて、そして辛い境遇で守ってあげたいって気持ちに」

 脳筋兄が呼んだ兵は10人20人、50人と増えていき、その全ての攻撃を俺が防ぎ、テンが切り裂いていった。


「2人で戦っているんだ、どこかに隙があるはずだ!」

「脳筋兄は馬鹿だなぁ、俺とテンの連携に隙なんてあるわけないでしょ」

「こらシン、バカは言い過ぎでしょ、知らないことはしょうがないでしょ。」

 いくら兵を注ぎ込んでも倒せないことに焦った脳筋兄が指示をするが、俺とテンの連携に隙なんてあるわけない


「僕もシンは2人合わせて勇者だよ、それでもかかってくるかい?」

「使ってる技自体は王者の攻撃に賢者の防御だけどね」

 2人で勇者になろうとして、俺は賢者の防御結界を、テンは王者の魔法剣を取得した。

 いろいろと紆余曲折あったけど、欲しかった力は手に入れられた。

 最強の攻撃に最強の防御


 テンの勇者発言に兵はは及び腰になってしまう。

 だが、脳筋兄の目はまだ死んでなかった。


「テンセイ、シンセイ、すまない。本来ならこれは身内に使うような、国内で使うような魔法じゃない。だがそれでも諦めきれないんだ」


 脳筋兄がそういうと、後ろに控えたこの国最強の宮廷魔導師達10人ほどが呪文を唱えていた。

 うーん、最近見ないと思ったら、脳筋兄が連れ回していたのか。


 宮廷魔導師たちが唱えた呪文は真っ黒な大きな炎を生み出す。


「この炎は地面をも焼く超級の呪文だ。地中の栄養素まで焼くため、焼かれた場所は数十年はの間草も生えなくなるだろう。三重結界でも防げない、テンセイ、シンセイ、最後だ、投降してくれ。」

 目を伏せながら、筋兄は投降をすすめた。


「投降はできないよ、そもそも、その程度の呪文じゃ俺の防御は破れない」

「シンも言ってるし、うってみていいよ、安心して避けるつもりはないから」

 脳筋兄は歯を噛み締めながら、両手を血が出るほど握りしめながら、宮廷魔導師に指示をした。


「うて」


 脳筋兄の号令のもと、宮廷魔導師達が魔法を放つ


 大きく黒い炎は伝説の不死鳥を模した大きな鳥の形となり、俺とテンを襲う。


 インフェルノフェニックス


 かつて王国が強固な敵城を落とす際に使ったと言われる超級の呪文

 強固な城壁と防御結界は意味を持たず即座に溶かされ、黒い溶岩となって土ごと焼く。インフェルノフェニックスがは敵城の中心まで壁や防御結界を溶かしながら進み、中心で大きく爆発、強固な敵城を消滅させ、死の土地に変えたと言われている。


 黒い不死鳥は俺とテンを目指し、羽ばたく、そして俺たちの目の前でその歩みを止めることとなる。


「四重結界」

 

 幾重にも紡いだ術式が不可侵の防御結界となり、伝説の黒い不死鳥を止める

 四重結界に触れた黒い不死鳥は、溶かせない、燃やせない四重結界相手に何も出来ず、少しづつ自身の形を保てなくなり、炎を減らし、やがて消滅した。


「レイとたった2人で黒いワイバーンを倒したんだよ。これぐらいは出来るよ。」



全話と合わせてずっとやりたかった話でした。

ここまでありがとうございます。

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