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ナマケモノ王子のここ最近

「おー、やってるやってる」

「シン様、やってるやってるじゃありません!テン様がピンチなんですよ、大丈夫なのですか?」

 王都南部でユリウス軍4500と対峙するはずの俺は1000しかいない兵のうち、500の兵を率いてこっそり南東部、テンとガイエス兄貴が戦ってる戦場に向かっていた。

 そもそもユリウス軍と対峙する軍の半数を動かしたことについても心配しており、クリスはここ5日ほど心配しかしていない。


「クリスさんは心配性だなー、なんとかなるって」

「ここまでは上手く行ってる、さすがシンとテン」

 アキナとレイがクリスをなだめてくれる、フォーグラム街道をこっそり抜けてからずっとこんな調子だ。


 どうしてここにいるかというと


 ---

 【ちょっとだけ過去】

 反乱開始してから6日後、ユリウス軍がジンゴの丘についてから3日後、ガイエス軍がティモル城につく1日前


「よし、そろそろ顔見せはいいかな、兵を半分にわけよう、半分はここに残って、もう半分は俺が連れて別働隊として動くよ!」

「シンセイ様、ついに仕掛けるんですね!」

「シンセイ様の悪知恵、楽しみだなぁ」

「4500の兵に500でどうするおつもりですか!」

「奇襲は読まれています、再考を」

 俺の発言に隊長クラスの兵たちが期待、そして動揺する。

 4500相手に1000を動かしてもどうしようもないのは目に見えているし、奇襲も警戒されているだろう。兵たちの動揺はもっともだ、


「いいか、俺について来いよ、迷うな、必ず勝てる。」

 少し演技かかった声で士気をあげる


「シン様があんなセリフ使うのは珍しいですね。」

「なんかキャラじゃないよね、シンさんはあんな臭いセリフ使わない気がするー、それだけ追い込まれてるの?」

「あれは演技の時、多分別動隊の目的はユリウス軍じゃない」

 3人娘が他の人には聞こえない声で話をする。

 うーん、あんまりこの話は他の兵にはしたくないんだよなー、あとで口止めしなきゃかな


 そう思ってるとその日のキャンプ地のテントで3人娘に声をかけられる。


「シン様、この軍はどちらへ行くのですか?」

 心配でたまらないといった表情のクリスはいくつか持っているであろう疑問の1つをぶつけてくる。

 レイとアキナはとりあえず同席してるのだろう。


「もちろん、テンと脳筋兄の戦場にいくよ、テンが苦戦してるところにカッコよく援軍としてね」

 この話を聞いたクリスはある程度想定していたのか顔色を変えずに次の質問をする


「南のお兄様は大丈夫なのですか?500の兵でシンセイ様がいないとなると一瞬で壊滅しますが」

「そうだね、ユリウス軍が戦闘にきたら負けるよ。でもユリウスはこないよ、脳筋兄が解決できなかったモンスター騒動、この前の夜中の奇襲、それとクリスの婚約者となった俺への嫉妬。その全部が俺を大きく見せてくれる。めちゃくちゃ警戒してくれるはずだよ。まともにやり合えば確実に勝てるからね、だからこそ、いつもとほんの少し違うだけで変に警戒してくれる。」

 実際にユリウスが勝手に警戒きてくれる種は蒔いてる、ユリウスが俺を警戒すればするほど、実際には戦場にいない俺が大きくうつる。


「だからクリス、安心して、大丈夫だからね」

「ダメです、今回はダメです。安心できません、ちゃんと教えてください。」

 少し怒った、不機嫌そうな顔でこちらを睨むクリス

 後ろに座ってるアキナは呆れ果て、レイは魔法で氷細工を作って遊んでいる。


「だからね、ユリウスは俺のこと警戒してるから動かないの、しかもユリウスの陣にモンスターがきたり、残った部隊はカカシをたてて人数誤魔化したり、少し陣を移動したりして警戒してもらうんだ。それでユリウスを動き辛くして時間を稼いでる間に」

「それはわかりました!でも危険じゃないですか?私の知ってるお兄様はもっと単純に突撃しにくる気がするんですよ」


 と言った感じで、質問攻めにあった。

 アキナは途中から宥めてくれるけど、レイは遊んだり途中で寝たりして大変だ。


 テンの救援に向かうある日


「シン様、私達が先にガイエス様に見つかって各個撃破されるのではありませんか?」

「そこはテンと少し考えた作戦があるんだ。だからテン任せだね、大丈夫、脳筋兄なら上手く引っかかるし、上手くやるよ」

 それは心配ですねと首を傾げながら語るクリス。


「クリスさんはいつも悩んでるねー、肩の力抜いて行こう」

 アキナがいつものようにクリスを宥めてくれる。

 ほんとうに助かるなぁ、相性がすごくいいみたいだ


「シンは大丈夫だと思うよ、最悪負けても私たちは死なないし、あっ、でもクリスはシンとは離縁かも」

 あっ、レイが余計なことを言ってしまった。


「なら心配じゃないですか!私嫌ですよ、他の方と政略結婚だなんて!!!」

 クリスは涙目になって落ち込んでしまった。

 

「あーあ、シンさんどうするんですかー」

「これはレイが悪いでしょ!ちょっとレイ、逃げない」


 この日はクリスをなだめるのに大変だった。

 

---


 ということで反乱開始10日後

 


「ほんとに大丈夫なんですよね?お兄様はちゃんと待ってくれてるんですよね?」

「大丈夫大丈夫、ダメだったら王都にユリウスが来るだけだって、ガイエス兄貴がいなきゃどうせ城には入れないし大丈夫大丈夫。とりあえずテンが大変だから急いで行こうか!」

 露骨に話を変える俺にクリスが顔を膨らませて怒る


「もう!!!」

 怒った顔もかわいいなぁ


「よし、アキナ、クリス、ここで魔法の準備よろしく、俺とレイは突っ込んでくる。2人は戦争とか出来ないから、思いっきり魔法うったらここで隠れといてね。」


 さてさて、テンセイを囲んで油断しているガイエス軍の後ろにお邪魔しますかぁ!


「よーし、行くっよ、とにかくデカいのうつから、クリス狙いはよろしくね」

「アキナ様、お手柔らかにお願いします!!!」

 後方の魔法部隊クリスとアキナは2人で手を繋ぎ、アキナの高すぎる魔力をクリスがコントロールする。


「黄昏よりも暗いもの、血の流れより赤いもの、時の流れに埋もれし偉大なる〜、なんだっけ、まぁいいや、詠唱は気持ちが大事だからね、イフリートォボーーール」

「ちょっとアキナ様いい加減すぎますよ、ちょっと暴走気味じゃないですもう!!!」

 後方からとんでもない威力の魔法が、馬鹿でかい火の玉が敵部隊に届く


 アキナとクリスの魔法で作った火の玉はテンを包囲するために大きく部隊を広げていたガイエス軍の後ろに当たる。

 敵は直前に防御結界を張ったりしていたが、そんなもので止まる威力ではなくガイエス軍の後方は大慌てで半壊してしまう。


「よし、全軍突撃、この機を逃したら勝てない」


 俺の号令をうけてシンセイ軍500が突撃を行う。


「どこからきたんだ」

「なんの爆発だ!」

「渡川は許してないはずだぞ。」

「こちらは味方だぞ」

 

 高威力の魔法のあと俺の軍の突撃によって、ガイエス軍の後方は混乱状態に陥り入り兵数差でも覆せない状況となっていた。


 


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