イケメン王子対脳筋兄貴
東ティモル山 ティモル城と王都を結ぶ街道を挟む山
緩やかな坂となっており比較大人数でも登りやすい山であるため、大人数での行軍が行いやすい山であった。
ある程度攻めにくい地形ではあるものの、守る側がそこまで大きく有利を取れる地形ではない。
今回、テンが布陣したのはこの山である。
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「こんなところに布陣して、どうなるんですか?」
布陣が終わった後のキャンプで疑問を持つアールだ。
それもそのはず、この場所は少しだけ守りが有利だが、倍、いや1.5倍の兵力差でも覆せない程度の地の利しかない。
そしてなにより、東ティモル山には戦略的に無視していい場所にある。
ガイエス兄上がくる予定のティモル城から街道を通って王都につくまで4日
僕がいる東ティモル山から王都に4日
つまりガイエス兄上はさっさと城をでて王都に辿り着けば勝ち、僕たちの負けだ。
「ここからだと、ティモル城が遠目に見えるんだよね。特に偵察を任されるような視力強化魔法に精通した者なら尚更ね。でもあっちからは山の中だならよくわからないんだ。馬を乗り継いで急いだとしても、情報に1日のラグがでるよ」
「つまり坊ちゃんは1日情報戦で有利になるためにここに布陣した?」
まだ要領を得てない感じで聞いてくるアール、1日でどうすふんだって話だろう。
「1日完全に有利を取ったわけじゃないんだ、山の中にいる限りは1日有利が取れるってだけ」
「つまりがこっちが出陣したらすぐにバレる?」
「そう、こっちが山をでたら少しはラグあるだろうけどすぐにわかる、だって遠目から視認できるし。」
「あーーーん?全然わかんねぇ、俺ぁダメだ、理解するのは諦めた。とりあえず従うからなんか指示があったくれ」
頭をぐしゃぐしゃしながらアールが考えるのを諦める。
「そうだね、昔シンと一緒に考えた作戦だから、実際やられるまで気づかないと思うよ。
じゃあ、とりあえずアールは800人連れて山をおりてくれる?次の日にまたここに戻ってきて。」
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【ガイエス視点】
「悪いな、遅くなった」
「お待ちしておりました。」
ティモル城につくと俺の知であるリュート、俺の両腕であるスケートとカクトが迎えてくれた。
「すぐに動くぞ、遅れたらそれだけ不利になる状況は?」
1800の兵を連れた俺はその足で城内の偵察兵に状況を確認する。
「それが、平原に800、東ティモル山に1300が確認されています。」
「なんだと!?なんだその兵数は、想定より多すぎるぞ、リュート!」
元々テンセイの兵は1000、ティモル城の残党が加わって1300と聞いてるのに2100とは計算が合わない。
すぐにリュートに確認をする。
「それにはカラクリがあります。東ティモル山は偵察に時間がかかるため1日遅れの兵数となります。平原は遠視で確認できるため数時間で偵察ができます。つまり昨日は東ティモル山に1300、今日は平原に800です。」
リュートからの報告を聞いた瞬間に理解できた、日付をズラして兵数を多く見せたかったのだろう、こんな小細工、シンセイの入れ知恵だな。
くだらんが、リュートがいなくては混乱しただろう。
「なるほど、なら東ティモル山に今日は500か。そのまま進軍して大丈夫だな!よし、今日は1日休む、明日から王都に向けて進軍だ!」
「ガイエス様!」
リュートが心配そうにこちらを見る。
「リュート、おまえの心配はわかる。だがこれは考えれば考えるほどドツボにハマるぞ。相手がどんな動きをしようと兵が増えることはない、同数なら何があろうと負けはしない。俺たちはしっかりと進むだけだ。惑わされるな。」
「ッ!!!なるほど、さすがガイエス様!この決断力、やはり王に相応しい!みんな行くぞ、王がここにいる」
リュートが吠え、みなが歓声をあげる。
「おいおい、出陣は明日だぞ」
次の日 反乱開始してから8日後
「全軍出陣!目標は王都だ!」
ティモル城に兵を残すことはせず、1800の兵全てを率いて王都へたつ。
「伝令、平原に800と500、東ティモル山に500です。」
「やはりか、惑わされる必要はない、このまま進むぞ」
伝令からの報告は予想通り、気にする必要はない
次の日 反乱開始してから9日後
「伝令、平原に800と500と500、東ティモル山に200です!」
「ガイエス様!兵数がおかしくありませんか?」
伝令から話を聞いたリュートが警戒してこちらへ話かける。
「気にするな、俺たちが出陣したことで偵察の兵の情報にも別のラグが発生しているのだろう!今日の情報、半日前の情報、昨日の情報、もしかしたら一昨日の情報も混ざってるやも知れん。いくら情報を誤魔化そうと兵の数は増えん!そのままだ!」
次の日 反乱開始してから10日後、王都まであと1日の距離
「ガイエス様、右方にテンセイ様の軍を確認、数はおよそ1300、このままいけば大橋を渡ってこちらの横をつく方になります。」
伝令からの報告がきたか!読み通り1300の兵を連れている。こちを撹乱しようとしたせいで出陣が遅れてまだ渡川出来ていないようだな。
「大橋を出たところを囲め、渡川する船に気をつけろよ!相手の動きがわかっていればそこに矢と魔法を集中させるだけだ!」
俺が大声で号令をだすとリュートが細かい兵や陣容を各隊に報告してそれぞれの隊が大橋の出口に火線を集中出来るように布陣する。
「ガイエス様!俺は左の最前線にいきますよ!」
「スケート、勝手に決めるな!俺は右のほうに行きます!」
スケートとカクトは張り切って前線にいく、スケートが左、カクトが右、俺が中央に布陣する。これでもしテンセイが強引に包囲を抜けようとしても3人のうちどちらかに捕まる、一騎討ちで勝てはせずとも足は止まる。
そこで勝ちだ。
「スケート、カクト、頼んだぞ!
リュート、おまえは下がっていろ、テンセイの刃の中まで届くぞ!」
テンセイの策を読み切った俺は兵数でも、地形でも有利を取った。
「渡ってきたか、矢を放て、魔法も集中しろ、突破を許すなよ!」
大橋を渡ったテンセイ軍に矢と魔法を集中する、相手も防御を固めているから中々兵数は削れないが全く前に出て来れていないようだ、時間の問題だな。
あとはどこでテンセイを殺さずに捉えるかだ。
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【テンセイ視点】
「ちょちょちょ、ヤバいですよ坊ちゃん、なんとかしてくださいよ、狙い撃ちされてますよ」
必死でシールドを貼りながら矢や魔法を撃ち落としてるアールになんとかしろと懇願される。
「大丈夫大丈夫、作戦通りだから、ほんとに!」
防御に長けたメンバーではあるが、大橋を渡ったところを狙い撃ちにされてしまい部隊の足が完全に止まる。
危険ではあるが僕もアールも最前線で鼓舞をする
「あっ、ぼっちゃんまたきましたよデカい魔法きましたよ!」
「相殺するよ、左はアールがお願い!」
目の前にはいくつかの魔法が大きな魔法が迫っていた。
「イフリートウォール!!!」
「ガルーダウォール!!!」
僕のイフリートウォールとアールのガルーダウォールが炎の壁と風の壁となり敵の魔法を防ぐ
「何回もできることじゃないから、早いとこきて欲しいんだけどな!」
「ほら!ぼっちゃんも困ってるじゃないですか!ほんとに大丈夫なんすか?」
「作戦通りだけど困ってるだけ!大丈夫だって、もうすぐだから」
アールに急かされている、一応作戦通りではあるものの防御メンバーはみんな限界がきているなぁ
「そろそろ限界ですよぼっちゃん」
「テンセイ様、大丈夫なんですよねほんとに?」
「そろそろ限界です。先に逝きます、王になってください。」
いつも冗談ばかりのアールや近衛のメンバーも限界が来ていた。
はやくしてくれないかな、シン
ドォォォン!
大きな音がなり、敵軍に目に見えて動揺が広がる
シンがきた!!!
「最前列の防御部隊は後ろに引いて休憩して、中盤の主攻部隊はおまたせ、突撃の時間だよ!ここが勝機だ、みんなよろしく!!!」
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だいたいこんな感じの配置で戦ってます。
テンセイ軍は橋を渡ったところを狙い撃ちされています。
□=ガイエス軍
■=テンセイ軍
←=大橋
1コマ=約200
川=川
川川川川
□□ 川川川川
□□ 川川川川
□□ ←←←←←←←← ■■■■■■
□□ 川川川川
□□ 川川川川
川川川川




