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勇者召喚、ヤバいのが混じってた。 ~近代兵器と戦い抜いた男は、異世界で慈愛を振るう~  作者: 風水
第二幕・第三章:補給線の革命「不沈の進軍」

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第六十話:第三章完結「眠らぬ軍団の凱旋」

第六十話:第三章完結「眠らぬ軍団の凱旋」


朝日が、バルバロイ王都の巨大な城壁を白く照らし出した。

魔族の包囲網を紙細工のように引き裂き、通常なら一ヶ月を要する距離をわずか十日で踏破した四人が、王都の城門をくぐる。


出迎えたバルバロイ兵たちは、泥一つ付いていない彼女たちの装備と、十日間走り続けたとは到底信じがたい「万全すぎる足取り」に戦慄し、道を開けた。


「……到着。目的地への到達時刻、予定より二分遅れ。許容範囲内です」


サキモリが足を止めた瞬間、ようやく張り詰めていた空気が緩んだ。


「……ふぅ。……悪いなサキモリ殿、少し……限界だ」


アリサは重厚な盾を抱えたまま、地面に座り込むと同時に深い眠りに落ちた。


「おじさん……もう一歩も動けないわよ……」


ルミナはサキモリの肩を枕にし、そのまま力なく垂れ下がって深い寝息を立て始める。


エレンは満足げに微笑み、サキモリの服の裾を握りしめたまま、立ったまま意識を飛ばしていた。


三人の構成員が文字通り「シャットダウン」する中、サキモリだけは平然とバルバロイの役人へ告げた。


「謁見の準備が整うまで、倉庫の端を貸していただきたい。それと、市中に余っている『低品質ポーション』や『期限切れの素材』があれば、すべてこちらで引き受けます。……廃棄コストの削減、という名目で構いません」


バルバロイ側が困惑しながら運び込んだのは、初心者用の安価なポーションや、抽出に失敗した廃棄物の山だった。

サキモリにとっては、それこそが「最高のご馳走」であった。


彼は眠る三人を見守りながら、運び込まれた物資の山に手をかざした。


「……これら全ての構造を分解し、純粋な素材リソースとして再定義します」


サキモリの『調合』スキルが、猛烈な速度で発動する。

数千本の低品質ポーションが光の粒となり、不純物を排した極上の魔力水へと変貌し、サキモリのストレージへと吸い込まれていく。


その膨大な「分解と再構築」のフィードバックが、彼の脳内にシステムログを叩きつけた。


【システムログ:調合スキルが熟練度レベル5に到達しました】

ストレージ容量:50%増量(最大積載量 1.5トンへ拡大)

調合精度および完成品質:一律 10%向上

リソース消費効率:必要素材量を一律 10%節約可能


サキモリは、己の手のひらを見つめ、無機質な満足感を覚えた。


これまではギリギリの運用だった1トンという積載限界が1.5トンまで広がり、さらに生産コストが1割カットされた。

これは、今の「三倍速の行軍」をさらに加速させ、より高出力な『テトラ』の掃射を可能にする、致命的なまでの戦力増強を意味する。


「……これで、システムの冗長性が確保されましたね。……さて」


サキモリは、ストレージの奥に詰め込まれた1.5トン分の「死の資源」を確認し、静かに目を細めた。


三人の同行者が泥のように眠る傍らで、一人の管理者だけが、さらなる「無双」の準備を完了させていた。


不沈の軍団は、バルバロイの地で、真に「無敵の構造」へと進化した。


第三章:補給線の革命「不沈の進軍」 完

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