第二百二十話:【聖女の祈り、勇者の支援:最高級ポーションの提供】
第二百二十話:【聖女の祈り、勇者の支援:最高級ポーションの提供】
内政の基盤が整い始めた聖都で、サキモリは次なる「一手」を投じる。
彼が大森林で採取した最高品質の薬草と野生果実。
それらを自らの調合熟練度と新たなスキルで最適化した、三トンにも及ぶ「栄養価の高い最高級ポーション」が政府へと提供された。
「シェーレ様。あなたは常に、戦場で傷つく勇者や兵たちの身を案じ、心を痛めておられる。このポーションを、あなたのお気遣いとして前線へ届けていただきたいのです。これは単なる治療薬ではなく、食事であり、活力そのものです」
サキモリが差し出したそれは、傷を癒やす効果に加え、極限状態にある戦士たちの肉体を内側から再構築する「飲む兵糧」でもあった。
その説明を聞いた宰相メイは、液体の詰まった瓶を光にかざし、その価値を即座に演算する。
「……なるほど。これだけの物量が前線に届けば、有能な勇者が一人戦線に追加されるより遥かに効果的に生存率向上が見込めますね。だって、理に適っていますもの」
一方、王女シェーレは、サキモリの言葉に含まれた意図に、今日一番の輝かしい笑顔を見せた。
「やはりサキモリ様の合理的な言動の裏には、私が思った通り、温かな優しさがあるのですね。あなたの真心、ありがたく使わせていただきますわ」
「私が直接前線に立てない間、彼らの命の灯を繋ぎ止めるのは、この液体です」
サキモリは淡々と答えたが、その視線は既に次の「欠乏」を捉えていた。
食糧、燃料、衛生、そして医療。
内政の布石を打ち終えた彼が次に求めたのは、国家の「硬度」――すなわち、物理的な守りと技術革新を支えるための鉱石資源であった。
「さて、次は『鉱山ダンジョン』ですね。さらなる資源を回収しに行きましょう」
防人たちの歩みは止まらない。
帝国クリスタを真の意味で不落の国家へと造り変えるため、一行は再び未知の領域へとその足を進める。
(第二百二十一話へ続く)




