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勇者召喚、ヤバいのが混じってた。 ~近代兵器と戦い抜いた男は、異世界で慈愛を振るう~  作者: 風水
第二巻:第二期:獣人国編【武の証明と新たなる道】後編

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第百九十八話:【五人の宴:無自覚な観測者の受難】

第百九十八話:【五人の宴:無自覚な観測者の受難】


ミャオの卒業試験突破と禁忌のスキル書取得を祝う宴が、王都の一角で催された。


最高級の酒と、エレンの火属性魔力で絶妙に焼き上げられたドラゴンの肉が並び、賑やかな日常の風景がそこにはあった。


「ミャオ、あんた本当によく頑張ったね。次はもっと効率的な力の流し方を教えるからね」


ルミナは穏やかな微笑みを浮かべながら、ミャオの皿に大盛りの肉を分けた。


「……ありがとニャ、ルミナ。でも、卒業試験みたいな訓練はもうこりごりだニャ」


ミャオはアリサと酒杯を交わしながら、これまでの過酷な洗礼を振り返って身震いする。


アリサは豪快に笑い、自らの杯を掲げた。


「はっはっは! ミャオ殿、それがサキモリ殿のやり方だ。だが、その結果として今の貴公がある。祝杯を挙げようではないか」


武人同士の絆を深める二人の横で、話題は自然と「師匠」であるサキモリへと移っていく。


エレンが冷めた葡萄酒を口に運びながら、静かに、しかし確かな棘を含んだ声で切り出した。


「それにしても、サキモリ様は無自覚が過ぎますわ。あんなに平然と女性の柔肌に触れ、心拍数を確認するような真似、構造的に問題があるとは思いませんの?」


「だよね。おじさんはさ、呼吸をするみたいに人の心を掻き乱すんだよ。自覚がないから、だめなんだからね」


ルミナの言葉に、エレン、アリサ、そしてミャオの四人が深く頷き、サキモリへの愚痴という一点において、かつてない強固な団結を見せ始めた。


一方、その「元凶」であるサキモリは、四人の熱量に圧倒され、一切の反論を放棄していた。


「……皆さん、私はただ、効率的な管理を……」


「「「「黙るニャ(ですわ/だよ/のだ)!」」」」


一斉に突き放されたサキモリは、静かに溜息を吐き、ひたすら葡萄酒を煽ることに専念した。


彼はどれだけ飲んでも、決して酔いに溺れることはない。


サキモリがかつていた祖国の部隊において、「酒に負ける軟弱者は指導対象」という厳しい規律が当然であったからに過ぎない。


鍛え上げられた精神と肉体は、アルコールという不純物を即座に処理し、意識を明晰なままに保ち続ける。


彼はただ遠い目で夜空を観測し、賑やかな笑い声の渦中で一人、静かな時間の流れを見守っていた。


(第百九十九話へ続く)

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