↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚、ヤバいのが混じってた。 ~近代兵器と戦い抜いた男は、異世界で慈愛を振るう~  作者: 風水
第二巻:第二期:獣人国編【武の証明と新たなる道】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
184/212

第百八十四話:【謝罪と再定義】

第百八十四話:【謝罪と再定義】


演習場に、大剣が床に落ちる乾いた音だけが空虚に響いた。


最強の武人であることを自負していた獣人王グレンは、目の前の青年が放つ、戦う前から敗北を確定させる圧倒的な「格」の差を前に、立ち尽くすことしかできなかった。


彼は震える手で膝を突き、やがて玉座の権威さえも脱ぎ捨てるようにして、その場に深く頭を下げた。


「……見事だ。我が慢心、そして無礼、深く詫びる。貴殿らは、決して制御されるべき道具などではなかった」


王の謝罪は、恐怖によるものではなく、サキモリという存在の深淵に触れたことによる、本能的な敬意の表れであった。


サキモリはその姿を、いつものように柔らかな、しかしどこか慈愛に満ちた眼差しで見つめ、一歩歩み寄って声をかけた。


「頭を上げてください、グレン王。それは非常に合理的な判断です。私たちは互いに構造を理解し、同じ脅威を敵として戦う『同志』なのですから」


サキモリは快くその謝罪を受け入れると、これまで無礼の象徴としてサキモリたちの身柄を縛るはずだった「隷属の首輪」を、その手で静かに塵へと帰した。


その瞬間、獣人国カーマインを支配していた「弱者を支配する」という傲慢な空気は霧散し、一人の武人、一人の賢者に対する濁りのない純粋な敬意へと書き換えられていった。


「王よ。これからは支配ではなく、対等な『同盟』という形で、手を取り合いましょう」


「私たちが、その橋渡しとなります」


サキモリの言葉は、獣人国を自身の配下とするためのものではない。


それは、獣人国という強固な軍事国家が、他国と手を取り合い、迫りくる脅威に立ち向かうための巨大な「連帯」の一部へと組み込まれる、新たな始まりの宣言であった。


(第百八十五話へ続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。