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勇者召喚、ヤバいのが混じってた。 ~近代兵器と戦い抜いた男は、異世界で慈愛を振るう~  作者: 風水
第四幕・第五章 第三部:【四位一体:神域への抵抗】

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第百四十六話:【テトラ・リンク、フル稼働】

第百四十六話:【テトラ・リンク、フル稼働】


「システム、オールグリーン。接続リンク、深度最大へ」


サキモリの声が、四人の精神の深淵で共鳴した。


常時九〇%。


かつては魂を摩耗させ、存在そのものを霧散させていた禁忌の出力。


だが今は、背後に立つルミナ、エレン、アリサがサキモリの希薄な輪郭を外側から強固に繋ぎ止め、現世へと固定する「楔」となっていた。


彼女たちがサキモリという存在を維持し、燃え尽きようとする魂を肩代わりして補強する。


その盤石な基盤システムの上で、サキモリの脳はコアとなり、三人の感覚、魔力、視界を一つの戦術ネットワークへと統合した。


「エレン、第一フェーズ」


『了解……!』


後方に位置するエレンが、聖域に漂う超高密度のマナを強引に引き寄せ、一本の矢へと収束させる。


放たれた高密度魔力矢は、竜の眼球――唯一の露出した粘膜を正確に狙い撃つ。


ニドヘグが巨躯に似合わぬ速度でこうべを動かし、視線だけでそれを霧散させた。


だが、その「意識の誘導」こそがサキモリの狙いだった。


「アリサ殿、今です」


『おおおぉぉぉッ!』


反対側から、アリサが爆音を響かせて跳躍した。


その手に握られているのは、もはや盾という概念を超えた、山をも穿つ巨大な質量の塊。


魔力によって再構築された「巨大概念盾アイギス」が、音速の壁を突破し、空間そのものを圧縮しながら竜の側腹部へと叩きつけられる。


質量突撃シールドバッシュ


ドォォォォォォンッ!!


「個」の力では止まっていた時間が、連携という歯車が噛み合ったことで、爆発的に加速していく。


サキモリの指揮下で、エレンの狙撃が竜の意識を散らし、ルミナの演算が物理法則の歪みを補正し、アリサの質量が絶え間なく衝撃を刻む。


四位一体の機動力は、山脈そのものである巨躯を翻弄し、聖域の白銀を極彩色の魔力光で塗り替えていく。


「……ッ、いけます。このシステムなら、届きます!」


アリサの突撃を受けたニドヘグの巨躯が、初めて、明確に揺らいだ。


その巨山のような足元に、一筋の亀裂が走る。


サキモリの瞳に、勝利への論理回路が鮮やかに描かれた。


存在を維持する絆がある限り、彼がその「存在」を燃やし尽くすことはない。


神の如き竜の支配に対し、羽虫たちが構築した「理」が、今、確実にその牙を届かせようとしていた。


(第百四十七話へ続く)

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