ファントム、依頼される16
「それにしても、上手くいったな! まぁ、俺が仕組んだし、あのクロウの中二病的履歴も完璧なら、AIのフレームレート落としも、完璧なタイミング! 俺って天才だね!」
「別に。NSAのサーバーを『借りる』あなたなら当然のレベルよ。それより、次はどうするの?」
瀬尾の自己満足な発言をよそに、ユキは顔も上げずに、冷たく言い放った。
「これだな」
灰島がそう言って、カウンターに置いたのは、昨夜貰った黒いカードキー。
「うーん、ホテルのカードキーみたいに見えるけど」
玲奈の推理に、誰も異論はない。
「まぁ、普通のホテルではないだろうな。そもそも、ホテル名も何も書いてない」
「美女が待っていたら、飛んでいきそうね」
「……俺、ユキちゃんに嫌われるようなことしたっけ?」と言いながら、瀬尾がそのカードキーを手にした。指先に伝わる感触に、瀬尾はニヤリと笑う。
「あのじーさん、これを知ってて作ったな」
瀬尾が取り出したのは、以前、プロフェッサー・シルクが残したカード。
「これと同じだ。わずかな凹凸でバーコードが浮かび上がる」
そう言うと、瀬尾は前回と同じようにスマホでスキャンすると、そのバーコードをPCに表示させた。そこにアクセスすると……。
「オンラインカジノのログイン画面か」
専用VPNのダウンロードと、IDの入力画面が現れた。
「VPNは問題ないとして、ID……はこのカードの裏」
瀬尾がカードをひっくり返し、反対側もスキャンすれば、そこには文字が浮かび上がる。
「ライブカジノ型のようだな。問題ない」
「なら、俺もいただいたVPNから、情報をたんまりいただきましょ」




