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ファントム、見守る1
新しい制服に身を包み、ユキは恥ずかしそうに鏡に映る自分を見た。
「なんか、照れるわね」
「年齢相応だな」
そんな灰島の台詞に、ユキはむっとした顔を見せた。
「これでも二十歳なの。年相応と言われて嬉しいと思う?」
「嬉しくないのか?」
「……微妙だわ」
嬉しい、けれど照れくさい。そんな複雑な感情にユキは振り回されていた。
「けど、苗字が違うの、なんて説明するの?」
神崎ユキ、そして灰島平太。続柄は養子と養父だが、苗字が違う。
「どうとでもなる。それに、お前は『神崎』のままが良かったんだろう?」
こんな気遣いに、思わず頬の筋肉が緩んでしまう。
「パパ、ネクタイ似合ってるわ」
「五月蠅い」
実際、濃いグレーのスーツに身を包んだ灰島は、モデルと言われてもおかしくないほど似合っていた。




