いくつもの報告
式からしばらくして、俺達にある一報が届いた。
それは俺達をSランクへ昇格させるというギルドからの手紙。
今回の件で、俺達が今までやって来たこともギルドに調べられた結果だ。
ケルベロスの討伐、新種の大型スライムの発見。
新種の人型モンスターの撃破2件。
しかし、吸血鬼とネクロマンサーのそれは無かった。
つまりだ、俺はあの2人を撃破していない可能性が高まった。
とは言え、こうなれば仕方ないとイリアさんが俺の功績を全て伝えた。
他にも、奴隷商の崩壊なども審査に入った様で晴れてSランクになった。
同時に、同盟を行なっており、今回の件に協力していたメリー達もSランクだ。
今までの功績から、既にSランク昇格の対象にはなっていたようで
この一押しがあった結果、メリー達もSランクへ昇格となった様だ。
「つ、ついにSランク…」
この事で、メリー達は本気で喜んでいた。
Sランクになるのは冒険者からして見れば憧れの様な物だったらしい。
Aランクへ成長するまでの苦労、そしてAランクでの活躍。
自分達がSランクに上がるために必死に努力をしていた彼女達には
この一報は凄まじく喜ばしいことだったみたいだな。
Sランクになれば色々な場所から声も掛るようになる。
貴族連中から護衛の依頼とかの指定依頼も一気に増えるそうだ。
依頼料はどれも高く、Sランクになればそれ以上を目指す必要は無い。
しかし、Sランクにまで成長する冒険者の殆どが冒険大好きな奴らばかり。
だから、Sランクに到達しても地下探索が解禁される位しか旨味はないかな。
「それと、これは国からの報奨金ね」
更には国からの報奨金として、俺達1人1人に100万ゴールドが送られた!
こ、これは凄まじい! 日本円に換えれば1億! なんて大金だ!
「な、ななな! な、なぁ!」
その報酬を手渡されたマリスがいつものようにその場で気絶した。
女王様と面会したときは気絶しなかったのに
やはりマリスはお金の衝撃に弱い。
「こ、これだけあれば、ずっと遊べるんじゃ…」
「出来るでしょうね。まぁ、細々と暮らさないと駄目かもだけど。
だけど、私の専属護衛になれば将来安泰の勝ち組ルートよ?」
「そ、それは確かに魅力的…」
「養子になれば、一生遊んで暮らせるわよ?」
「ま、まだ諦めてなかったんですね」
「勿論よ!」
うむ、確かにイリアさんの誘いは非常に魅力的ではある。
養子になれば、ずっと遊んで暮らせるし、借金の返済も可能かも知れない。
でも、なんかこう。俺の心の奥底に眠る冒険者としての血がそれは駄目だと告げている。
だって、探索とかして見たいし、未知を発見してみたい!
ありったけの夢をかき集めて、捜し物を探しに行きたい!
そう、俺のゲーマー魂と冒険者魂が告げているのだ!
「でも、俺は」
「分かってるけどね。まぁ、気が向いたらよ時間はいくらでもあるんだから」
「分かりました、ありがとうございます」
そしてだ、その数日後に届けられたもう一つの報告
この報告は嬉しい報告ではなかった。
「さて、これはヤバい」
「どうしたんだ?」
「き、緊急依頼が来まして…」
「緊急依頼?」
その一報を届けてくれたのは今日、ギルドの依頼確認へ向ったメリーだった。
その緊急依頼の内容はリバーススキュラの討伐だった。
この依頼は討伐クエストではあるが、今回は特例的に殲滅扱だ。
つまり、複数の冒険者が戦いを挑んでも構わない依頼。
既にこの依頼を受けた冒険者の数は200を越えていた。
依頼の報酬額が100万ゴールドという大金だからな。
しかし、既に100以上が消息を断っている。
残りの70もズタズタになり、辛うじて帰還している者が居るが数十人程度。
全てがパーティーの壊滅を報告している。
その化け物がこちらに向かってきているというのだからヤバい。
「リバーススキュラは危険度が高いモンスター。
報告にあったのは数件しかなく、全て未開拓地での報告らしいです」
「……そんなにヤバいのか」
「はい、危険度はSSランクですよ」
「それなのに200人も挑んでるのか!?」
「正攻法での攻略は不可能でしょうし、波状作戦を取ったのかと。
依頼の報酬額が多額であり、討伐が出来れば1発でSSランクへの昇格ですしね。
魅力を感じる冒険者が多く居ても不思議はないでしょう」
更にはこんな化け物がこっちに向ってきているだけだからな。
勝ち目がなくても戦わないと故郷が滅びるなんて状態だ。
報酬に興味が無かろうと挑む冒険者は居るだろう。
「私達はどうします? ギルドからは異常な程に手厚く依頼されました。
どうしても受けて欲しいと、この依頼以外は紹介しないとも言われましたし」
「半分以上脅迫か、とは言え待機すれば良いだけだから、脅迫にはなってないが」
「そうですね」
とは言え…どうだろうか、受けるしか無いとも思える。
こんなのがこの王都に来れば、王都は壊滅するだろう。
そうなればモンスター達の天下がやってくる。
折角潜伏していたモンスター達を見つけ出し、拘束したというのに。
しかし、可能性として潜伏し、内側から破壊するという作戦が失敗したから
力技で攻め込もうという判断かも知れないか。
「…ひとまず、俺達は受ける」
「ほ、本気ですか!?」
「あぁ、やるしか無いだろう」
「しかし、これはあまりにも危険すぎます!」
「放置しても駄目だからな…」
このままだと不味いと判断した俺はこの依頼を受ける事にした。
その判断に全員従うと、皆この依頼を受けることに賛同。
とは言え、このままだと危険なのは間違いない。
そう考えた俺は、全員を強化することにした。
「はい、スキルを購入しますか?」
「あぁ、頼む」
「では、こちらがスキルです」
ルアが啓示してくれたスキルはいくつもあった。
まずは瞬撃1万ゴールド。弓のスキルで、俺はこのスキルをレベッカとマリスに買った。
次は鳳撃、10万ゴールド。高く飛び上がり、周囲を焼き払う高威力の一撃。
これも2人分購入する事にした。これで21万ゴールドか。
次はポイントショック、10万ゴールド。
圧倒的な魔力を1点集中して放つ魔法のスキル。これを俺、クロの2人分購入。
これで41万ゴールド、残り結構あるな。
ひとまず、魔法使いの職業スキルを俺が購入
魔法使いの大にまで成長して11万1000ゴールド。
マリスは弓術大に成長してるから良いか。
しかし、特大に行くためには100万ゴールド必要とはな。
そして、剣術と銃術も大にまで成長させて20万ゴールド。
これで残りは30万程度か。
このホーリーショックって言うのも購入しておこう。
どうもこのスキルは魔法系ではなく才覚系らしく、俺しか使えないみたいだ。
何か気になるし購入で10万ゴールド、追跡弾を出すスキルらしい。
次にこのバーストストームというスキルも買うか。
銃から一定時間いくらでも弾を放てるようにするスキルらしい。
銃の形状が変化し、ARに姿を変えて乱射できるそうだ。
これを俺とメリーの2人分購入、30万だ。
そして、新しい装備を新調することにした。
俺は前の剣から龍刀・刹那とか言う格好いい剣にブラッドブーストという銃。
月下の大剣という大剣も購入した。
マリスは万弓・極という千弓の上位互換系の弓。
しかし、漢字を読むとマンキュウと読めそうだけど、読みはバンキュウらしい。
レベッカは剛弓・紅蓮、ポーラさんには炎刀・炎帝。
メリーにはブラックホークという黒い銃。
クロには禁書・グリモワール(封)という本だ。
総額で200万ゴールドを越してしまったが全員がそれぞれ出してくれた。
一応、事情を説明したら納得してくれたしな。
やっぱり装備は大事だろう。
一応、念の為に離脱魔法も全員分購入、これでよし。
「これでいけるかな」
「…さ、最強レベルの装備がここまで」
「地下探索で見付けないと出て来ないと聞いたのに…」
「そうなのか?」
「は、はい、もっと奥にはこれ以上の強化装備があるとも聞きました」
ほぅ、やっぱり地下探索とかして見たいな。
とは言え、今はリバーススキュラを撃破する為に動かないと駄目だろう。
(しかし、あなたも散々な目に遭いますね)
(俺というか、この国がな)
(まぁ、首都というのは狙われやすいですしね。
因みにリバーススキュラは丸呑みにした相手を体内で陵辱し魔力を得ます。
1度食べられてしまえば、リバーススキュラからの脱出は困難でしょう)
(ま、丸呑みか)
(好きでしょ?)
(好きなのはお前だけだよ女神様)
(おや、あなたがやってたエロゲーにもあったじゃないですか丸呑み)
(ファンタジーな世界観だった場合、丸呑みは大体あるんだよ!)
(そうですか? でも好きなんでしょ? 丸呑み系の作品を買ってましたし。
1度経験してみてはいかがですか? 丸呑み。
離脱系の魔法も購入したわけですし)
(断固拒否する!)
(あら、それは残念)
何処が残念なんだよ! 丸呑みとか見るのはまだ良いけどされるのは嫌だ!
とは言え、この情報を元に立ち回らないと不味いか。
一応、情報提供には感謝しよう。
さぁ、地獄へ挑むとしますかな。




