表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/176

道を作る冒険者

リバーススキュラ、報告数が非常に少ないモンスター。

その姿は美しき美少女が上半身へ引っ付いており

腹部からは大量の犬が、脚部には何匹もの蛇が居る。


それはスキュラの特徴ではあるが

このリバーススキュラはその特徴が反転している。


美少女は地面を這いつくばり移動し、背後には巨大は犬が3匹

腹部から巨大な蛇が飛び出してきているらしい。


美少女も犬も蛇も全て相手を食らおうと攻撃を仕掛けてくる。

しかし、妨害の手段も複数あるそうだ。


蛇はいくつもの毒液を対象へ向けて飛ばしてくる。

この毒液は大きな雫として飛ばされてきて

攻撃が当ってしまうとしばらく身体が動かなくなるそうだ。


美少女の方は魔法を用いてこちらへ攻撃を仕掛けてくる。

主に魅了系の魔法が多いと言う。

更に彼女は獲物をひと思いには丸呑みにはせず

まずは拘束した相手を自身の身体を用いてもてあそぶ。


胸の間に挟んで圧迫してきたり、下の方に押し付けたりするらしい。

まさにエロゲーに出てくる感じの敵キャラである。

生き残った部隊の報告だがな。


そして、下の方に押し付けられた人物はパンツの中に入れられて

しばらくすると出てくるらしいが、全身べちゃべちゃになっていて

痙攣状態で、そのままリバーススキュラに再度拘束され舐め回された後に捕食。


体内の状態は不明ではあるが、ルアの言葉が本当であれば体内でも散々な目に遭う。

1人だけ痙攣状態の時に仲間に救出された冒険者が居たそうだが

彼女はショック状態で動けないまま。


体液を探られたところ、凄まじい程の媚薬効果があったそうだ。

もうね、完全にエロゲーのモンスターですわ。

ルアの奴、こんな奴まで創造しているとは。


(私の名誉の為に言わせて貰いますが、このモンスターは私が作ってません)

(あぁ? そんな嘘を)

(マジです。自然と生まれてきたモンスターでしょうね)


うーん、そうなんだろうか? よくわかんねーがこんなのが生まれたのは結局

ルアがこんな世界観を作ったせいだろうに、と思った。

この心も読まれていたのかもしれないが、ルアの反応は無し。認めたんだろう。


「以上が資料での情報です」

「こ、拘束されたら…助かりそうにないわね」

「離脱魔法を覚えさせて貰ったから、助かると思う」

「でも、拘束された場合は魔法が使えないわよね。

 しかも、そんな事態になるとすれば。

 離脱魔法も発動まで結構時間が掛るみたいだし…」

「1度発動後、効果発揮までの1時間は抜け出せないからね。

 その間に精神を壊されたら助かりようがないわ」


1時間とか、精神崩壊には十分過ぎる時間といえる。

もう少し即効性がある魔法を作って欲しかった。


(ルアさんよ、なんで1時間も発動までに時間が空くのさ)

(エロゲーですし、すぐに発動では面白く無いかなって)

(あの…マジで勘弁してください、死にます精神的に)

(まぁまぁ、1度作ってしまった物は仕方ありませんから)


お前が言うのかい、と思った。

ったく、このままだとかなり不味いぜ。


「とは言え、考えてる時間はあまりない。行くか」

「そうですね、情報収集も完了しましたし行きますか」


俺達が街から出て、依頼に挑もうとしたときだった。

丁度そのタイミングでズタズタになった冒険者達がやってきた。


「……逃げた方が……良い」

「ん?」


すれ違っていく俺達に対し、振り絞った声で冒険者が呟いた。

その声に反応し、俺は声の主の方に目を向ける。

そこには見覚えのある顔があった。


「あ、あんたは…サーニャさん」


そこに居たのはラキとやり合った村で出会った前衛の冒険者だった。


「……」


彼女はズタズタであり、今にも死にそうな状態だった。

辛うじて抜け出したのか、全身はべちゃべちゃだ。

つまり、拘束されてしまったと言う事。

それなのに、彼女は意識を保っている。


「……何故あなたが?」

「放置は出来なかった…大事な故郷への危機を捨て置くことは出来なかった…

 だが、現実は甘くなかった…惨敗だ…もう、意識を保つのもやっと…う、うぅ」

「だ、大丈夫ですか!?」

「な、何とか…怪我は無いから……き、君達が強いのは知ってるが…

 あ、あの化け物には……」

「でも、行きますよ。止めないと」

「……しかし…もう、残ってる部隊は無い…奴に挑んだパーティーは全滅した」


ぜ、全滅……俺達が情報を調べている間に全滅したのか!?


「こんな状態だ…もう他の冒険者は…来ないだろう……

 Sランク冒険者のバックワードも…やられた。

 そこから一気に崩壊さ……」

「や、やられた!?」

「あぁ…全員食われた…そして、何とか戦ってた私は気付いた。

 あいつ…捕食をすればするほど強くなってる。

 既に何百も捕食してるんだ…今の奴は…最強レベル」


ただでさえ強敵だと思われる化け物が、更に強化されてるってのかよ。


「いくら君達でも…勝算はほぼ皆無…だ。

 1人捕食する度に…体力も回復しているように見えたし…

 今の奴は……全くダメージを受けていない状態とも思われる…

 更には強化されているんだ…」

「完全な状態の化け物と、私達が6人だけで戦うって事になるのね…」

「英雄の仕事なら妥当だろ」

「…凄いですね、セイナさん…恐くないんですか?」

「恐いよ? そりゃ勿論。そんな化け物に喧嘩売ろうってんだから。

 だが、ビビっててもしょうが無いし、放置すればもっと手が付けられなくなる。

 ここまで来られたら、ガンガン住民が食われて、バンバン強化されるし

 体力だっていくらでも回復される。そっちの方が勝ち目がない。


 それと比べれば、俺達少数で迎撃する方が勝算はあるってもんだ」

「…か、勝ち目は殆どない……まだ、君達は若いんだ…無理…は」

「ありがとうございます、サーニャさん。でも、俺達は戦う。

 このまま放置をすればどっちにしても全滅は避けられない。

 国は崩壊する。それを阻止するために最善を尽くしたい」

「……全く…君は強いな……なら、私はもう…止めない。幸運を」


俺達にそう言い残し、サーニャさんは肩を貸してくれている人に支えて貰いながら

国の方へ歩いて行った…さぁ、たった6人の頂上決戦かな。

どうしようもない化け物を、俺達6人で迎撃ってのも熱いね。


さぁ、ビビる気持ちを抑えて、先に進むとしましょうか。

俺達は馬車に乗り込み、目的の地へ向う。

とは言え、正直この距離なら歩いても良いと思えたよ。


馬車に乗って30分程度、リバーススキュラの姿が見えた。

リバーススキュラは地面を這いつくばりこちらに向かってきている。

姿は資料通りだったが、予想外だったのは大きさだった。


木よりも巨大なんですけど? ちょっと大きな家と同じ位なんですけど?

下手したらイリアさんの家と同じくらい巨大なんですけど?

いやまぁ、人間を捕まえて丸呑みにするって事は人より大きいのは分かってたけど

まさかここまで巨大とは思わなかった。


「で、デカい…」

「…どうしよう」

「勝てるの?」

「……うぅ」

「…やるしか無いでしょ」

「あぁ、やるっきゃ無い。俺達が最後の砦だ。

 たった6人で人類全部の命運を背負うって、格好いいじゃん?」


出来るだけ余裕を装う。そうしないと士気は上がらない。

誰か1人がこの場を盛り上げないと駄目なら俺が盛り上げる。

動揺はあっても余裕は持て。

絶望的な状態でも楽観的に事態見よ。

なに、俺達なら出来るっての。


「まぁ大丈夫だ、俺達6人も居るんだ。

 今までは3人だったのに6人だ、2倍の人数だし余裕だって」

「そうね、前衛も私1人じゃない。任せて」

「援護、任せて」

「あぁ、行くぞ! 派手に暴れようじゃねぇか! 

 巻き込むかも知れない奴らも居ないんだ! 全力で行くぞ!」


このままだと人類に道がない、だが、道を作るのが冒険者だぜ!

探して作ってひたすら進め! さぁ、行くぞやるぞ暴れるぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ