↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/176

平常運転

チップの報告でギルドはあの事態を若干危険視した。

これから街などを作るために、街道を用意するとしても

そこに厄介なモンスターが巣を作ってるなんて厄介だからな。


だからどうやら、討伐隊の様な物を編成したらしい。

討伐隊は数日前この村に一時的に身を置き、例の場所へ進んだ。

俺達は別に討伐隊に編成されては居ないから何でも無いけどな。

理由は知らないが、多分チップが原因なんじゃねーかな。


チップはその討伐隊に参加して居たからな。

その間、俺達は探索クエストを受けることは出来ず暇をしていた。


「まぁまぁ良い調子ね」

「そうですね」


暇だった俺達は、イリアさんに協力して例の計画を了承して貰う為

村を回っていた。やはり俺達が協力的だというのは

村の住民達には好評であり、話があっさり進んでいく。


一応は村で1番大事にされてた子供が俺達2人だからな。

両親は今は亡き村を必死に守ろうと貢献していた2人だったわけだし。

やっぱり親の影響というのはかなり大きい。俺達2人も

別に悪事を働いていたわけでも無く、手伝いをよくしてたから好印象みたいだ。

いや、俺は記憶無いんだけど…転生だったとか聞かされたけど記憶無いのは何故だろう。


(はい、記憶を消したからです)

(容赦ないよねルアさん)

(その方が転移と誤解して作業して貰えると思ってですね)

(なんで転移に…)

(戻れる可能性が転移の方が高いかも? って思うでしょ?)

(……もう戻れないのこれ、転生って戻れないのこれ。

 お金を集める意味ねーじゃん)

(いえ、戻れますよ。それは集めた後に話しますから)


とまぁ、ルアはこうはいっているが何か不安だよなぁ。

ま、今はそっちの問題よりもこっちの問題か。

とは言え、問題なんて発生してはいないんだけどね。


「はい、ご飯だよ」

「おぉ、ありがとうね。いやぁ、何か食事が私の家で食べてる食事と

 遜色ないくらい美味しいわよね~、やっぱり皆で食べる方が美味しいわね!」

「それも大きいでしょうが、ふふふ、我が妹マリスはパーフェクトシスターです」

「確かに家は誇り無いし、気付いたらご飯出来てるし。

 いや本当、炊事洗濯とか完璧で凄いわね」

「そんな事無いよ」

「謙遜するなよ、大商人からのお褒めの言葉だぞ? 信憑性MAXだって」

「私は嘘を吐かないわよ!」

「そう言う人って、結構嘘吐く気がしますけどね」

「あはは、確かに言えてるわね。まぁ私の場合は間違いないけど」


実際イリアさんは嘘を殆ど吐かないからな。

商人としての方針なのかも知れないな。


「セイナ!」

「ん?」


俺達がそんな話をしながら飯を食べていると

かなり焦った声を出し、レベッカが扉を開けた。

レベッカは少々息を切らせており、全力で走ってきたのが分かる。


「どうした? 今は食事中だから、大した事じゃ無い事なら。

 あ、レベッカも食べる? マリスが結構多めに作ってるから1人分追加程度なら」

「いや、その誘いは魅力的ではあるけどちょっとそれどころじゃ無いの!」

「どうしたんだ?」

「リルドラを討伐するために向った討伐隊が壊滅的被害を負って帰ってきた」

「ん?」


そんな馬鹿な、ギルドは十分な戦力を投下したはずだろうに。

とにかく事情を聞かないと…それはアリスさんがして居るだろうけど

一応、惨状を把握するべきだとは思うか。


「確かに飯所じゃ無いな、行ってみるか」

「う、うん」

「私も向うわ、状況は知っておかないと」


俺達はすぐにギルドの方へ向った。

ギルドは既にかなり慌ただしい事態になっている。

俺達は人混みをかき分けて、いや、事情を話したら開いてくれたけど

そのままギルド内部に向うことが出来た。


「何があったのか教えてくれる? チップ」

「……」


アリスさんの前にはボロボロになっているチップが座っていた。

妖精であるこいつも負傷をしたのか。


「あぁ、セイナちゃん、マリスちゃん、イリアさん、お騒がせして」

「それは良いんだけど、何があったか知りたいんだけど?」

「私も今、チップから事情を聞こうとしてるところで」

「……セイナさん」

「んぁ?」

「ごめんなさい、あなたの判断は正しかった…」

「どうしたんだよ」

「……リルドラの群れに私達は挑んだ…私の予想は精々5体程度だったけど

 実際は20以上…そんな大量のリルドラとの戦闘は想定していなかった討伐隊は

 リルドラの5体までは辛うじて撃破しましたが、残り15体に敗北。

 討伐隊は大打撃を受けて再起不能の状態です。

 

 魔法で逃げましたけど、討伐隊の3分の1はリルドラに拘束。

 3分の1は死亡。生存したのは残りの3分の1だけ。

 あのまま私の意見で挑んでいれば…壊滅は間違いありませんでした」

「……そうか」


足跡からは5体程度しか予想できなかったが、やはり想定外が起きたか。

20体のリルドラとか正気の沙汰じゃ無い。

あの場は逃げるという選択が最も正しかったわけだ。


「なる程、その件はギルド本部にも報告するわ。

 どう動くかは分からないけどね。

 より大部隊を編成して掃討に挑むのか。

 大人しく別ルートを考えるのか…いや、別ルートは無いか。

 どちらにせよ、そんな大所帯…殲滅しないとこの村が危ないからね」


例の場所はこの村から9日間進んだ場所にあるとは言え

そんなに遠い訳では無いからな。

それだけ大量のリルドラが居るとすれば、その内大移動もあり得る。

最悪の事態を想定すれば殲滅するべきなのは間違いないだろう。


「…私が甘かった…5体程度と決めつけて…こんな事に……」

「あなたというかギルド本部の失敗と言えるけどね。

 妖精の5体程度という報告を受けて5体である事前提で編成した。

 …いや、流石に5体程度という報告から20体越えの想定は出来ないか。

 でも、巣であると報告されたなら、もっと戦力を考えても良かったはずだけどね」

「ギルドの想定では10体程度で、その数を殲滅できる戦力を集めました」

「なる程ね、じゃあ、あまり言えないか。流石に20は想定外過ぎるわ」


リルドラはそんなに群れるモンスターじゃ無さそうだが群れるんだな。


「はぁ、頭痛いわ…危険度B~Aクラスのリルドラがわんさか居るとか。

 最低でも残り15体……流石に厳しい状態ね」

「リルドラにも個体差があるんですね」

「えぇ、個体によって危険度が違うからね。

 個体によって鱗の硬さとか立ち回りも変るから」


なる程ね、個体差が結構激しいモンスターだと言う事か。

とは言え、流石に15体も残ってるリルドラだからな。

倒された5体はBランクだったかも知れないが、さて残り15体はどうだろう。

討伐隊と戦って生き残れるほどだ…強い可能性はある。


「とにかくギルドに判断を仰ぐしか無いわね。

 ここのギルドじゃ戦力的な問題もあるから対処出来ないわ」

「このギルドに所属してたの俺達だけですからね」

「えぇ、討伐隊よりもかなり数は少ないからね。

 実力は上である可能性はあるけど、人数差があまりにもね。

 この手勢でも実質壊滅…流石のセイナちゃん達でも厳しいわ」


ワービーストを使えば勝てる可能性はあるのだろうけど辛いだろうな。

そもそも追い込まれないと使えないワービーストは危険すぎる。

最後の切り札というのはどんな時でも諸刃の剣だ。


「だから、あなたは一度本部に魔法で飛んで、事情を話してきて。

 伝令として、私達と本部の情報共有をしたいわ」

「分かりました」


チップはすぐに俺達の前から魔法を使い姿を消した。

転移する魔法というのはこう言う場面ではかなり便利だね。

そして、少ししてチップとは違う妖精が姿を見せる。

どうやら、この2人が電話代わりらしい。


で、新しい妖精が言うにはチップは負傷してた為

本部で治療しながら伝令として動くとのこと。

基本的には新しい妖精がこっちに来るそうだ。


彼女の名前はレン。一応覚えておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。