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暇な探索

探索クエストと言う事はだ、開拓をして行く必要があるのか?

とりあえずアリスさんがやっていたように未開の地にある村を探すべきか。

まぁ、道が整っていない状態で馬車などは使えないから歩いての探索だな。


「やっぱり街道が無いと歩きにくいな」

「足下が安定していないと歩きにくいですからね」


とは言え、俺の体力には大して応えないんだけどね。

問題は俺では無く、マリスやクロの体力面だ。

まだ幼いからな、俺も幼いけど体力面は問題無い。

体力面に難があるようじゃ、前衛とか絶対無理だし。

「しかし暇だな、素材集め以外別に何も無い」

「問題が起こると困るのは私達だと思うけど…」

「そりゃそうだな」


とは言え、ここまで退屈だと何かなぁ…馬車での移動じゃ無いから

のんびりと会話をしながら移動と言う事は出来ないからな。

ちゃんと歩かないといけないし、一応警戒は必要だからな、とは言え。


「ふぁぅ…」


ここまで暇だとあくびが出る…のどかな日差しに鳥の鳴き声。

退屈だぜ…のんびりの方が良いとは言え、眠れないのはなぁ。


「今日は何だかかなり気が抜けてるね」

「イリアさんが居ないからか、緊張感がな」

「もぅ、そんなんじゃ駄目だよお姉ちゃん!

 お姉ちゃんがしっかりしないと私達が困っちゃうよ」

「確かにそれはそうだけど~、俺はいつもダラダラしてるから~」

「そんなんじゃ駄目だよ! 危ないんだからここは!」

「分かってるから揺すらないで~」


あぁ、こんな感じのやり取りをするのは何だか久し振りな気がする~

結構気が抜けない状態だというのにこんな府抜けた状態で良いのだろうか?

とは言え、ここまで何も無いと神経張るのもいやだしな。


「……本当にSランク冒険者なのだろうか…」

「妖精さんよ~、人って結構見掛けによらないからな-」

「見かけじゃ無く、行動がSランクっぽく無いと言うか…」

「俺の真骨頂はハプニングが起きたときに見れるぜ、起きない方が良いけど」


そんな話をしてたら、岩陰から狼が飛んで来る。


「狩りではいつもの事だね」


しかしまぁ、その狼の襲撃を事前に察知していたのかレベッカがあっさり迎撃。

レベッカが放った矢は狼の眉間にぶっささり、一撃で勝負が決した。

当然、狼は基本的に1匹で狩りをすることは無い。

言葉には一匹狼などと言う言葉があるが、あれは結構レアだろう。

狼は基本的に群れで行動する動物だしな。絆も深いと聞くから。


「正面は陽動かな、陽動で仲間1匹死んでるけど」

「普通は混乱するからね、場所がバレていないとすれば

 正面からの奇襲、獲物が動揺したところに全体からの攻撃が基本。

 でも、正面1匹の可能性は低いから、多分正面には3匹以上は居るはず。

 残りは包囲からの襲撃だと予想できるから、正面2匹はセイナに任せるよ」

「場所的に、俺が1番狙われやすい場所だし、見た目小さいし」


基本的に狩りというのは弱い獲物を殺し、奪うのが基本だ。

狩りとなれば、大体は子供が狙われるのはそれだろう。

命を賭けて以上、確実に獲物を捕りたいというのは当然だ。

だが当然、自然界では大体見た目通りだからな。


「だからほら、人間には手を出さない方が良いって」


はい、狙い通りのタイミングで狼達が飛び出してきました。

俺は一応腰に常時携帯している拳銃と剣を抜き出し1匹を銃で撃破。

すぐに近付いてきたもう1匹の狼にも剣による追撃で仕留めた。


「何か狩りって久しぶりな感じがするわね、ポーラ」

「そうね、大体はモンスター相手だったし」


左から聞えてきた2発の銃声、メリーの弾丸が2匹の狼を仕留めていた。

その隣ではメリーに接近してきていた狼を剣で迎撃し、トドメをさしてるポーラさん。


「狩りの基本は痕跡探しが大事だからね」


右からの襲撃はレベッカが迎撃していた。素早い弓捌きで狼を撃ち落とす。


「わ、私狩りは殆ど教えて貰ってないのに…」


とか言いながら、マリスはレベッカの援護に周り

撃破順序を正確に見抜き、順調に撃破していた。

数は向こうの方が多いと言うのに一方的な勝負となる。

元々、ただの狼と今やSランク冒険者となった俺達では力の差がありすぎるんだ。


「ふぃ、これじゃウォーミングアップにしかならないね。

 ま、お陰でちょっとは目が覚めたよ。相手は選ぶべきだな全く」

「ほらねお姉ちゃん、やっぱり危ないのは居るんだからちゃんと警戒しないと」

「そうだな、今回はただの狼だったから良かったけど…

 あぁ、あそこに居るちょっと大きな狼じゃ無くて良かったかな」


ちょっとと言ったけど、ちょっと? いやかなり大きいなあの狼。

人間よりも遙かに巨大なんだけど…何? 群れの長?

いやしかしなぁ、狼があそこまでデカくなるなんて聞いたこと無いな。


「あ…」

「…え?」


しかしあの狼は俺達の方に気付いたはずなのに無視をして何処かへ消えていった。

な、何だったんだよあの狼…意味分からん。


「何だあの狼、何の為に出て来たんだ?」

「わ、分からない」

(はい、もう狼の姿が消えたのでネタばらしです)

(あ?)

(あの狼はフェンリル、と言っても北欧神話のフェンリルその物じゃありませんよ。

 容姿とかそう言うのから、フェンリルと連想させただけで大きな大きな狼さんです。

 実際フェンリルとか出て来たら洒落になりませんしね、世界終わりますよ)

(ふーん、大きな狼ねぇ)

(で、あの狼さんは食べれば食べるほど強くなります。

 で、1度目を付けた相手は執着に追いかけてきます。

 とは言え、狡猾で頭も良いので実力を付けてから再挑戦をしようという

 そんな悪く言えば臆病、よく言えば頭の良い狼となります)

(ふーん…ん?)

(因みにあの狼は恐らくセイナさんに目を付けました。

 いやぁ、人気者は辛いですね~)

(……おいコラ! 何故それをもっと早くに言わない! 

 言ってくれれば追いかけて早めに倒したのに馬鹿か!)


クソ! この情報を知っていれば多少面倒でも追いかけて倒したのに!

何で強化された状態の化け物を相手にしなくちゃならねぇんだよ!


(夜間に襲撃してくることもありませんし、ある意味正々堂々としてる狼ですしね。

 強くなった狼を見事撃退すれば力を貸してくれる可能性もありますし)

(そうなのか?)

(はい、強くなっても敵わない相手には忠誠を誓う狼です。

 もちろん不意打ちで殺す為とかでは無く、純粋に敬服の念を抱くからです。

 その感情は絶対で、人間よりも安心出来る仲間になる事でしょう)

(へぇ、それは面白いな)

(そして、仲間にする方法は強くなった狼と1対1で戦い勝利することです)

(難易度高いなぁ…)


とは言え、それだけの戦力が仲間になってくれると考えれば嬉しいけどな。

ひとまず時間が経つまでゆっくりと動くとしようか。


「ねぇ、お姉ちゃん。あの狼さん知ってる?」

「ん-、どっかの本で見たような気はするんだけどな」

「…フェンリルだと思われます」


おっと、俺達の会話を聞いて妖精が反応したな。


「フェンリル? 私は聞いたこと無いわね」

「強さはB~SSSランクのモンスターとなります」

「な! B~SSSランクって何!? 何で固定じゃ無いのよ!」

「フェンリルの特性は狙った獲物より力を付けて殺しに来るスタイルなので」


ほぅほぅ、やっぱりギルドにもその情報は渡っていると言う事か。


「そして、SSSランクの冒険者様からの報告によれば

 そのフェンリルを撃破したら付いてくるようになったとか」

「なんで?」

「分かりませんが、報告をくださったのはギルドでも指折りの実力者で

 確か戦闘が大好きな方で、自身の限界を試したいとかそう言う理由で

 強そうなモンスターに1人で戦いを挑んじゃう様な方でして。

 その方の報告だけですね。フェンリルの報告はいくつか上がってますが

 倒した後に付いてきたという報告はその方だけです」


なる程ね、知らない間に仲間になる条件を満たしていたと言う事か。

他の冒険者が遭遇した場合、パーティー戦での立ち回りになるから

ルアが言っていた1対1で撃破するという条件を満たせないのか。


「なんでその人の時だけ? よく分からないなぁ」

「何か餌付けでもしたのかしら」

「そんな事をする人では無いと思いますが」


じゃあ、もしまたあの狼が来たら、分かった振りをして伝えて

何とか1対1で戦ってみるか…結構危険な予感がするけどね。


「そう言えば、その報告を貰った後、1人で活動していたはずなのに

 何だかワーウルフの少女が増えたとも聞きました」

「ワーウルフ? 何でだろう」


……あれ? これってもしかして仲間になったら姿変る?

前衛が増えるのは普通にありがたいしやるしかないだろ!

うへへうへへ、毛皮が服のケモ耳幼女とか、そそるぜぇ!


「むぐ!」


……ごめんなさい、電撃は勘弁してください。

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