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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第九十九話

帰ってきた二人を加えて朝御飯を食べる。大きなお皿にベーコンと卵焼きが乗っていて美味しそうだ。緒方はお味噌汁を温めて茶碗に注いでいる。林はご飯をよそおっていた。てきぱきと台所で動く二人を神埼はぼんやりと見つめている。心がほっとしていて気が抜けていた。人がいる気配がしてもゆっくりと眠れるようになったのはいつからだろう。こんなに構えなくなったのはいつからか。もう当たり前のようになっていた。「今日は昼から雨か。。明日、カッパ着て走るかなぁ」大塚がテレビで天気予報を見ながら呟いている。毎朝走った後、こうやって天気をチェックするのが日課らしい。雨の日に走ると滑りやすくなったり体を冷やしやすかったりして、準備が必要なのだという。余り運動をしない神埼にとって大塚の話は面白い。その後、大塚は足のマッサージを念入りにしていた。動かした筋肉をほぐして休ませる。ストレッチをしながら今日の自分の体や心の状態を見極める。神埼はほおっと感嘆の声をあげた。「凄いなぁ。徹底してるね。毎朝そんな風にしてるの?」驚いたように見ている神埼に大塚は笑う。これも自分の声を聞く方法の一つだという。「体と心は繋がってるっていうだろ?毎朝、同じことをしていてもその日その日で微妙に違うんだよ。今日は足が緊張してるとか、心が落ち着いてないとか」自分と対話してる感じかな?俺、昔からあんまり相談しなかったし、感情を押し殺してたろ?だから。少しでも自分の声が聞こえるように。自分らしくいられるように。いろんな方法を試したよ。大塚は懐かしむように目を細めた。「今は朝のランニングとこのストレッチが一番楽でわかりやすいな。朝御飯も美味しく食べられるし」体が教えてくれるんだよ。心も落ち着くしな。穏やかに笑っている。いいなぁと神埼は思った。自分も走ってみようかなと一瞬頭を過ったが早起きは苦手だ。学校に行く平日でも起きるのが辛くて時間ギリギリに起きている。向き不向きがあるようだ。考え込むようにしかめた神埼に大塚は笑う。自分がやっていて楽しい方法をやればいいんだよ。自分に合った方法な。神埼は顔を上げて頷いた。でもどうやって見つければいいのだろう。自分も大塚のように続けてみたい。「探す方法?うーん。。いいな。やってみたいなと素直に思ったことをやればいいんじゃないか?決めた後は続けること。下手でも楽しけりゃ続くし、続けてたら知らぬ間に上手くなるぜ」やってて楽しくて、続けることがポイントな。楽しくなかったすぐやめることだ。大塚は笑って答えた。元々運動神経がいい大塚はランニングでかなりの距離を走るらしい。始めた頃は自分がどれくらい走れば自分の声を聞きやすいのか全くわからず、筋肉痛になったり体が疲れて怠くなったりしたのだという。でも走ると楽しくて、毎朝続けながら少しずつ自分のペースを見つけていった。「マッサージも下手だったなぁ。今なら凝ってる所やツボがわかるけど始めて1年くらいはよくわからなかったな。気持ちよかったけど、次の日足がガチガチだったりした」リラックスさせるのが目的なのにムキになってやってて失敗したなぁ。マッサージに意識が向いて自分の声を聞かなかったり。失敗の積み重ねと慣れだ慣れ。大塚の言葉に神埼はなるほどー!と聞いている。素直な反応に大塚は苦笑した。「さあ、お待たせしましたね。お味噌汁ですよ。おや?神埼くん、とても嬉しそうですね。何かあったのですか?」緒方と林がそれぞれお味噌汁とご飯を持ってきて机の上に並べた。温かい湯気がたっていて味噌の優しい匂いが鼻をくすぐる。「俺も何か運動を始めようかなって思ってさ!」神埼はわくわくとした目で緒方に話しかけていた。それはいいですね!ますます神埼は魅力的になります。二人は仲良く話し合っている。「緒方と話してて。今日の晩御飯、カレーにしようと思うんだけど。昼から作って煮込もうかなって」隣に林が座り大塚に話しかけてきた。本格的だなと答えながら微笑む。大塚は改めて友人たちと一緒にいるのだと実感した。自分の家ではこんな風に会話はしない。自分の話が聞かれることはないし、淡々と今日一日の予定を報告して成績のことを言われるだけだ。温かい会話に自然と頬が緩む。「神埼が運動?筋肉ついて逞しくなったりしてな。さらに誰も敵わなくなるぞ」林が笑いながらお味噌汁をすする。珍しい林の冗談に楽しくなって笑った。ここにいると自分はいつも笑っている。押し殺していた感情が溢れて涙が止まらなくなったり、くだらないことで笑い転げたり。温かくて優しくて楽しい。「カレー、大量に作るからな。お前もたくさん食べろよ」林の何気ない優しさが嬉しい。少し前までは林に優しい言葉をかけられると自分の心の弱さが悟られたのではないかと怖かった。自分に隙があるのではないか。警戒して自分を振り返っていた。でも、なぜだろう。今は素直に嬉しいと受け入れられる。何もかも自分でやろうとしていた。自分の声を聞いて、自分のすべてをコントロールしようとしていた。「ありがとうな。楽しみだわ。俺も料理してみるかなぁ」晩御飯はいつも一人でお弁当やお惣菜など買ってきたものを食べていた。家で誰かが作ってくれた御飯がこんなに美味しくて温かいものだったなんて。今日の晩御飯もきっと美味しくて温かいものになるのだろう。とても嬉しい。屈託なく笑う大塚を見て、笑顔が神埼に似てきたなぁと林は穏やかに笑った。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

今日は雨です~。家に籠ろうかなとも思いましたが、買い物に行く日でございます!あわわわ!気をつけて行ってきます~。

ではではこれからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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