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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第九十八話

優しくて心地の良い温もりに包まれている。すっぽりと体全体が包み込まれていてほっと力が抜けていく。優しい何かがゆっくり自分の頬を撫でていて、心がゆったりとほぐれていくのがわかった。とても安心する。自分を包み込む存在をもっと感じたくてそっと寄り添った。おでこに温かいものを感じて神埼はゆっくりと目を開けた。「おはようございます。神埼くん。よく眠れましたか?」目の前には緒方がいた。大切で堪らないというように、神埼の頬に手を添えて柔らかく笑っている。穏やかな優しい瞳だ。その瞳の中に吸い込まれそうな強くて深い光がある。とても綺麗でずっと見ていたいような。緒方はこんな目をしていただろうか。神埼はもっと見たくて思わずじっと覗きこんだ。お腹は空いていませんか?口元がそう呟いているのだが、瞳の方が気になってぼんやりとしてしまった。呆けている神埼を愛しそうに笑って唇で触れてくる。神埼の目や頬や鼻に軽く触れてくるのでくすぐったくて笑ってしまった。緒方の温もりが心地良くて、まだ少し眠い。瞼を閉じると緒方の温かい唇が追い撃ちをかけるようにやってきた。嬉しくて心がふわりと柔らかくなる。もう少し寝ていたい。この心地よさと温もりを感じていたい。服をぎゅっと掴んで、緒方の方に寄り添う。穏やかな息が聞こえてきて神埼を強く抱き締めてくる。自分を包み込む温もりをより近くに感じて、耳元で優しい鼓動が聞こえる。ゆっくりと息を吐いた。「おやすみなさい。神埼くん。ずっとそばにいますから」穏やかな睡魔の中で緒方の静かで優しい囁きが聞こえた気がした。ふと目が覚めた。自分の頭を何かが何度も優しく撫でている。体を包み込んでいた温もりは無くなっていて、見上げてみると、穏やかに見つめる緒方と目があった。体を伸ばすと大分眠気が無くなっている。ゆっくりと体を起こした。「もういいのですか?もう少し寝ていてもいいですよ」机の上にはコーヒーがあって、美味しそうなパンが焼けている。林はきっと新聞配達に行ってここにはいないが、大塚はどこに行ったのだろうか。不思議に思ってきょろきょろ辺りを見回した。緒方が穏やかに微笑む。「朝の散歩だそうです。大塚くんは毎朝、ランニングをしていますから。私もたまに公園で会いますよ」朝の少し寒い、人がいない時間が大塚は好きらしい。これから新しい一日が始まるのだというわくわくした気持ちと体を動かすことによって、ぐちゃぐちゃになっていた心が、すーっと研ぎ澄まされていく感覚が心地よくて毎朝外へと行くのだという。快活な大塚らしい習慣が微笑ましくて神埼は嬉しそうに笑った。「朝御飯は食べますか?卵焼きもお味噌汁もありますよ」ベーコンがあったので、焼いてもいいですねぇ。とのんびり呟いている。神埼はそっと緒方に寄り添った。今日はなぜか緒方のそばにいたい。こうやって緒方の温もりを感じていたい。大塚や林から、緒方は嫉妬深いとかべったりだとか言われるけれど、本当は自分の方が緒方といつも一緒にいたいのだと実感している。緒方に甘えたくて、抱き締めてほしくて。誰かがいると恥ずかしくて素直に表現しないだけだ。「私はここにいますよ。神埼くん。あなたがとっても愛しい。すごく温かくて。あなたといると、何と表現したらいいのでしょう。。。ああ、もっと上手にこの想いをあなたに伝えられたらいいのに」寄り添ってきた神埼を強く抱き締め、悔しそうに呟いている。きっと拗ねているだろうなと思い可笑しくなって笑った。言葉が無くてもちゃんと伝わっている。上手くなんて考えなくていいんだよ。そう伝えたかったが、緒方が真面目に悩んでいるので黙っておいた。緒方の背中に自分の腕を回して力を込める。目を瞑ってこの穏やかな温もりを感じていた。「。。あったかい。。」いつまでも感じていたい。この温もりを。忘れないで、心に留めておきたい。ずっと。この温もりがあるから自分はこうやって温かな気持ちになれたのだと神埼は思う。昔感じた空虚感や得られない温かなものに憧れる気持ち。自分には価値がないのだという冷たい痛み。それらをこの温もりがゆっくり解きほぐして穏やかな優しいものに変えてくれた。大好きだ。「緒方。。ありがとう。俺と出会ってくれて。そばにいてくれてありがとう」伝えたい。緒方が大好きだ。そっと体を離して緒方の顔を見る。穏やかで優しくて、ちょっとドジな緒方の顔。見つめる度に心がどんどん温かくなっていく。嬉しい。神埼は緒方の唇に自分の気持ちを乗せて優しく唇を重ねた。アパートのインターホンが鳴る。大塚か林が帰ってきたのだろう。緒方と見つめ合って笑いながらゆっくりと体を離す。名残惜しいが仕方がない。緒方は気にしないと言っていたけれど、自分よりも緒方の方が照れているんだなと思うことがよくある。現に二人が見ている前ではキスは絶対にしない。抱き締めてきても、二人きりの時よりもコミカルで軽い。それが緒方の照れだということはなんとなく気づいていた。玄関に行って扉を開ける。そこには大塚と林が立っていて穏やかに笑っている。二人をこうやって出迎えるのはなんだか嬉しい。お帰りなさいと笑った。「ただいま。神埼。ほら、お土産。可愛い花が咲いていたからさ」大塚は嬉しそうに笑って神埼に摘んできた花を渡している。林は両手にたくさんの野菜だ。穏やかに笑っていた。「親が持っていけって。これ、じいちゃん家の野菜だから」居間から緒方もやってくる。わあ!大量ですね!!ありがとうございます。嬉しいです!!目をキラキラさせて感激していた。野菜を見てみると、キャベツや人参などどれも瑞々しい。しっかりと育っていて美味しそうだ。神埼は大塚からもらった花を見つめる。温かいものが自分の元にやって来てくれて嬉しい。たくさんの野菜もこの花も感謝して大切にしたい。美しい花を優しく撫でながら、神埼は心の中ありがとうと呟いた。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

今日はとても眠いです。。なのでこれから寝ます!おやすみなさい。。皆様もこれから素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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