表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
常識くんと愛さん   作者: ニケ
88/319

第八十八話

宮田に連れられて大きな庭を歩いている。見たことのない美しく広々とした庭。所々に大きな木々が繁っていたり丸く整えられた椿やツツジの花。庭の全体がバランスよく無駄がない。どこを見ても絵になる。神埼は庭の美しさに見とれていた。「こいつら、錦鯉な。でかいだろ?今はこんなに優雅に泳いでいるけどな。餌をやった時なんて、めちゃ怖いんだぜ。目がマジになって餌を飲み込むの。そん時さー、俺、引いてるもん」池の前に立ってゆったり泳いでいる錦鯉を指差しながら宮田は言った。名前があるんだけど、どれがどれかわからなくてな。お祖父様は全部わかるから、すげぇなーって思っているよ。神埼も池の中を覗いてみる。鯉が神埼を見ていて目があった。「人の言葉がわかるんですか?何か言いたそうな目ですけど」林も鯉と目があったようで、おずおずと宮田に確認している。あー、わかるかもなーと宮田は何かを思い出したように呟いた。「餌やる時、フェイントかけてやれーって言いながらやろうとしたら飛びはねやがった。水かけられたよ。お父様から、馬鹿にするなー!!って叱られたな」その後ちゃんと謝って餌をやったんだぞ。失敗したなぁと笑う宮田に神埼と林も釣られて笑う。生き物も人と同じ気持ちが伝わるんですね。林はとても嬉しそうだ。鯉に話しかけている。鯉は林の言葉がわかるのか、林のそばに集まってくる。嬉しそうに、より優雅にゆったりと泳いでいる気がした。「卒業式の絵も飾りつけも素晴らしかったよ!二人だけに任せて悪かったなって思ってたんだ。俺たち2年の問題でばたばたしてしまって。でも、任せて本当によかったって思った」ありがとう。助かったよ。宮田は神埼と林の方を向いて頭をしっかりと下げる。神埼は慌てた。顔を上げてくださいと言い寄る二人に、これは礼儀だからと笑っている。「二人が生徒会に入ってくれて嬉しいんだ。半ば強制か、緒方と大塚のために入ったんだろ?すまないな。無理をさせてしまって。でも、本当に嬉しい。これからもよろしくな」にっこりと大きく笑った。いつもお茶らけている宮田。でもこの時の宮田は真面目で真っ直ぐで、とても温かい雰囲気だった。スケッチブックがほしいと思っていた林に、バーベキュー食べたら渡すよ。描きたいんだろ?と軽く伝えている。林も安心しているようで笑顔で答えていた。そろそろ戻るか。庭を堪能して三人でのんびりと離れに戻る。離れの近くに来ると、肉や野菜の美味しい匂いが漂ってくる。神埼は思わず匂いを嗅ぐように鼻に意識を集中させた。宮田や林もその匂いに釣られている。「おー!帰ってきたな!お前ってほんと良いときに帰ってくるよなぁ」杉本が箸を持ちながら手を振っている。大塚はトングを持ちながら肉を焼いており緒方は座って食べていた。ちょうど焼けてみんなに配った所らしい。日頃の行いがいいんだよ!宮田が走っていく。「これ、神埼くんの分ですよ。モモ肉がとても美味しく焼けていますから。多めに食べてくださいね」緒方はにこにこしながら神埼にお皿と箸を渡している。その雰囲気がいつもよりも柔らかい。リラックスしてのびのびしている。こんな緒方は珍しいので神埼は首を傾げる。大塚も心なしかゆったりとしていて、いつもの大塚とどこかが違う。「神埼、庭はどうだったんだ?広かったか?」柔らかく笑う大塚に神埼は一瞬反応が遅れた。こんなに安心している大塚は初めて見る。林も驚いているようで声が聞こえない。どうした?と優しく笑う大塚に、広かったよ!凄かった。鯉がね。。と思い出したように話す。林は大塚をじっと見ている。「あー!!それ俺の肉だろ!さっきからずっと育ててたんだぞ!!宮田ー!!」杉本が宮田を追いかけ始めた。宮田はキャーと言いながら楽しそうに逃げている。いつもこんな感じなのだろう。二人とも自分たち後輩の目を気にしていない。あっけらかんとした伸びやかな雰囲気に四人の誰もが笑っていた。「先輩にも優しい人がいるんだな。すごく楽で安心する。心の荷が下りたっていうか」じっと見つめる林に大塚はぽつりぽつりと話している。林は優しく頷いた。まだ完全には信じられないけど、心が温かいんだ。緒方と神埼と一緒にキムチ鍋を食べた時のような。安心して涙が自然に溢れてくるような。温かい優しい雰囲気。自分をそのまま包み込むふんわりとした目に見えないもの。それを先輩である二人からも感じた。温かい。嬉しい。溢れてきた気持ちを受け止める。「よかったな。ゆっくりでいいんじゃないか?先輩たちも気にしてないみたいだし」その言葉に大塚は優しく笑う。緒方と神埼は先程の庭の話をしていて仲良く食べている。杉本は宮田をやっと捕まえたらしい。すでに食べられていて、肉がー!!と叫んでいた。この雰囲気いいな。大塚は居心地のいい優しい場所が出来たことを改めて実感していた。いい方向に変わっていく。少しずつ。焼きたての肉をほおばりながら、ほっと一つ息を吐いた。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

私はお腹を壊しました。。。おそらく辛ラーメンの食べ過ぎではないかと。。美味しいですが凶器ですね。。

ではでは、皆様も素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ