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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第八十五話

卒業式当日、天気は良好でとても気持ちのいい朝だった。神埼は緒方の寝顔をそっと見守っている。あれから演説の手直しと卒業式のリハーサル、パネルのセッチなど会場設置が急ピッチで進められ、目まぐるしい日々だった。2年の先輩たちは結局、生徒会を辞めてしまい卒業式の進行から会場設置の計画から準備は神埼と林も加わり6人で行う。細やかな神経の使う仕事だ。「神埼くん。辛くはありませんか?苦しいと感じたら、すぐにおっしゃってくださいね」緒方は自分に手伝わせるのは忍びないと繰り返し言っていたけれど、緒方が頑張っている時にそばにいることができる。神埼はその幸せを噛み締めていた。「大丈夫だって。俺だって生徒会の仲間なんだからな。杉本先輩も宮田先輩もしっかり仕事してるって言ってくれたし」演説を考えて帰ってきた緒方を見て神埼は生徒会に入ることを決めていた。もう待つのは嫌だ。緒方が力を尽くしている時にはできるだけそばにいたい。何もできないかもしれないし、足れまといになると思うがそれでもいい。そばにいたい。「お前、俺に気をとられて任された仕事、疎かにするなよ。ちゃんと見てるからな」心配してくれる緒方が嬉しい。自分はこういうみんなで何かを協同して作業することに慣れていない。ずっと一人だったからどう距離を置けばいいかわからないし、気の使い方もわからない。初対面の人だととても緊張して話せなくなる。正直、杉本も宮田も怖い。優しい人たちだとわかるが、緊張が解けなかった。知らぬ間に変なところで気を使っているのだろう。生徒会の仕事をすると普段より余計に疲れている。そのことも緒方は心配していた。神埼が生徒会に入るとわかったとき林も入ってくれた。母親の介護の合間をぬって来てくれる。ヘルパーさんが介護を手伝うようになってから時間が余ったらしい。今までずっと介護をしてきたのだ。自分のために使ってほしいと神埼は伝えたが、林は笑っている。「?俺、自分のためにこれまでもずっと時間を使ってきたけど。あー、勉強しなさいって親が言ってたっけ。。。嫌だよ。勉強には向いてないんだ。生徒会がいい」拗ねる林は珍しい。神埼はその表情が可笑しくて吹き出してしまった。林は朝から新聞配達をして学校に来ている。それでほぼ毎日早弁をする。林曰く、弁当が俺を呼んでるの。しかも、10時過ぎに食べろと言ってんの、と譲らない。林の家庭環境を知っている先生は時々思い出したかのように林の早弁を注意していた。「勉強ってやればとても楽しいよ。時間ができたのなら、一緒にやろうよ」神埼の言葉に、うーん、まあ、やってみるかなぁ。。と悩みながら林は答えた。それを聞いていた緒方がなぜかすっ飛んでくる。「林くん!?私があれほどテストの時に勉強しましょうと誘い続けた揚げ句、やっぱ、いいやと断り続けたあなたはなんだったのですか!?あの時、あなたのお母様もそばにいらっしゃったじゃないですか!!あれだけ説得したのに!!」緒方は林に詰め寄り激しく抗議している。見間違いだろうか。少し涙目だ。哀れやの~、大塚の伸びやかな声が聞こえる。「うるさいなぁ。。緒方、これは気分というものが関わっているんだぞ。お前もわかるだろ?神埼に言われたら、あ、そうかなーって思うだろうが。それもありかなぁって」林が緒方の頭をペシペシと軽く叩いている。赤の旗を見せられ突進してきた闘牛を軽くあしらっている感じだ。た、確かに。。緒方は動揺している。突然、神埼の方を向いてじっと見つめてきた。神埼はよくわからなくて首を傾げる。そのまましばらく見つめた後、緒方は顔をすっと逸らした。「か、神埼くんから誘われたら。。それはもう有頂天になりますよ。私はすぐにでも付いていって離れません」それはいつものことだろう。と林と大塚は心のなかで突っ込んだ。もうすでに緒方は神埼にくっついている。どうした?神埼は緒方を優しく見上げていた。神埼も緒方もそばにいられることが嬉しそうだ。「これ、俺たちずっと当てられるのか?生徒会という名の延長戦だろ、このイチャイチャは」大塚はちらっと林を見た。木村やクラスメイトの女子からは緒方と神埼は絶対領域として通っている。卒業式の演説が完成して、2年の先輩が緒方と神埼の仲をからかうように嫌味を言ったが、それを聞いていた女子たちの思わぬ猛攻を食らったらしい。私たちの聖域を!!と、それはそれは恐ろしかったそうだ。「あれからさらに、神埼がいると先輩たちが逃げるんだよなぁ」会ってもどっか怯えているしな。大塚は遠い目をして呟いた。女子って怖ぇ。。林は吹き出して笑っている。「あー、木村は怖いだろう。一度切れたら手がつけられねぇ。。緒方と違う意味で」林は木村の好きな人を知っている。介護でずっと親のそばにいたからか、相手の気持ちを敏感に察知してしまうようだ。見ているつもりはないのだが、なんとなくわかってしまう。木村の顔を思い出して笑った。木村の秘かな優しい想いがこの目の前の人物に届くように願っている。「女子は難しい。俺には手に余るよ」首を振って緒方と神埼を穏やかに見つめていた。鈍感だよな。いや、余裕がないのかな。林は考えながら下を向いた。木村もそれはわかっているようで、大塚へのアプローチはとてもさりげなくて優しい。大塚のことを気遣いそっと見守っている。「ま、楽しくなりそうだな」二人が一緒にいることは大塚にとっても嬉しいようだ。そこに憧れの気持ちが混ざっていることも林はなんとなく感じていた。そばにあるが、気づかないもの。案外それは近いようで遠い。端から見るとよくわかるが本人たちにはわからない。もどかしいなと林は思う。緒方が強くなったのは神埼に出会いそばにいるから。神埼も強くなった。元々持っていたものが満たされ、愛され、自然に豊かに輝いている。その温かさに大塚は憧れているのだろう。林はのんびりと二人を見る。「お前も素直になれば?」真面目な顔で言ってみた。大塚は、は?と返してきたが、林の顔を見て、バーカと笑っている。俺はまだ自分のことで精一杯なの!ケリ着けなきゃいけないし。それまでは。な。悲しい目をして林を見つめる。そうだった。余計なことを言ってしまった。林は優しく微笑えみ下を向いた。何かあったら必ず言えよ。強く言う林に大塚は少し考えた後、かすかに笑った。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

うぐいすが鳴いていました!可愛い。。アニマックスでマギのプレイバックが放送されているのですよ!嬉しいなぁ。。のんびりと見ようと思っとります。

ではでは、皆様これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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