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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第七十九話

静かな教室に少し慌ただしい時間が流れている。機嫌が悪い緒方を神埼は気遣い、おやつを無理矢理口に入れて食べさせている。緒方はむっつりと顔をしかめているが辛うじて少し口を開きおやつを食べていた。それでも機嫌は直らない。大塚もこの心に駆け巡っている怒りをどう鎮めて切り替えようか悩んでいた。生徒会がお開きとなったあと、結局全速力で走っていった緒方に追いつけずゆっくりと歩いて戻った大塚が教室に着いたとき、当然のごとく緒方と神埼は抱き締めあっていた。穏やかな優しい光が包み込み二人には静かな時間が流れている。柔らかく淡い夕日の光が眩しくて大塚は目を少し細めた。遅くなった昨日よりも躊躇がなくなった神埼が素直に緒方の抱擁を受け入れていて本当によかったと大塚は安堵した。あれでまた神埼が緒方を受け入れないとなると緒方の矛先が生徒会や自分に向いて大変な労力を必要とすることは嫌と言うほど実感している。「疲れた顔してるぞ。何かあったんだな。緒方、鬼のような顔して神埼を抱き締めたぞ。分裂でもしたか」あーあ。というような顔を林はしていて、大塚の顔を見て、やっぱりなとため息をついた。あれから一度神埼と林のいる教室に戻ってきた二人に杉本から電話があった。これから晩御飯を食べに行くのだと伝えたが、先輩たちが生徒会を辞めると電話してきて、全生徒へ向けた決意表明を出してこいと言ったらしい。明日でもいいじゃないかと杉本は食い下がったが、聞いてもらえず杉本も宮田も堪忍袋の緒が切れてしまった。杉本と宮田は生徒会室は必死で全生徒への演説を考えている。緒方や大塚も戻らなければならない。今日も遅くなりそうだ。四人でご飯を食べられる、何より神埼の嬉しそうな顔を見ることができるとわくわくしていた緒方にとってとても受け入れがたいことだった。神埼が頭を撫でても、言い聞かせても何も答えず顔をしかめたままだ。「駄々をこねるなよ。先輩たちだって一生懸命話し合った結果だろ。お前も悔しいと思うけど一番悔しいのは先輩たちだと思うな。理不尽かもしれないけど、力になってあげてよ」神埼は心配そうに緒方を覗きこんだ。神埼の顔は悲しそうに歪んでいる。頭を撫でていた手で今度は緒方の頬に優しく触れている。緒方はしかめた顔のまま視線だけ神埼に向けた。じっと神埼を見つめている。こんなときの緒方におべっかを言ったり誤魔化してはだめだ。なだめようとしても見抜かれる。ここで負けてはいけない。理不尽なことをされたからといって、こちらも理不尽さを返してはだめだ。双方にとって世界が狭まってしまう。それこそ本当に分裂してしまう。神埼は自分の心にある想いを目に込めて緒方を真っ直ぐ見た。お互いに目をそらさずじっと見つめあっている。まるで視線だけで話し合っているかのようだ。自分の考えに反していることが起こっているとき、緒方は言葉で言っても聞かない。気持ちを伝えるしかない。神埼は目を決してそらさなかった。やがて緒方は静かに視線を下に向ける。大きなため息をついた。「神埼くん。。自分のせいではないのに、なぜそこまで先輩方の肩を持つのですか?このまま手伝わずみんなでご飯を食べに行ってもいいではないですか。先輩方は投げ出したのですよ。それだけではありません」神埼の顔を両手で包み込む。じっと見つめて愛しい慈しむような目をそっと瞑った。「自分たちの納得するような演説を考えろと。私たちに自分たちができなかったことをさせようとしているのですよ。無理を言って。自己中心的な要望です。それに答えろと?偽に真で答えよというのですか?」目を開いて神埼をもう一度見つめた。その視線を神埼は受け止める。神埼は何も言わない。きっと無駄だとわかっているのだろう。自分をよく知っているなと緒方は少し照れ臭くなった。心のなかにあったあの激しい波立つような怒りが少しずつ穏やかになっていく。緒方は自分の頬に添えられた神埼の手に自分の手を重ねた。降参したい気分だ。「わかりました。神埼くんがそう言うのであれば、私は先輩方の力になります。でも、それはあなたがそうしろと言ったからです。忘れないでくださいね」一つ大きな息を吐いた。神埼には敵わないようだ。神埼は人一倍悲しい、寂しい想いをしている。でもだからなのか、強くて優しい。自分はそんな神埼に心底惚れているのだ。理屈ではなかった。まだ心配そうに見つめている神埼に緒方は出来るだけ笑って見せた。自分のおでこを神埼にくっつける。「いってきます。神埼くん。今日はきっと遅くなる。お腹が空いたら何か買いに行ってください。林くんと」ほっとしたように優しく神埼は笑っている。緒方の頭を穏やかに何度も撫でた。ありがとうな。優しく穏やかな、強い頑固な神埼の目。その目のなかの奥の部分。とても美しくてミステリアスで緒方は誰にも知られていない光を見た気がした。「神埼くんには敵いませんから。大好きですよ」横目で見ると大塚と林は何かを話し込んでいてこちらを見ていない。緒方は誓いを立てるようにそっと神埼の唇を奪った。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

今日は私にとってラーメンフィーバー!ラーメンを食べたくなる日でございます!テレビでラーメンのCMを見るたびによだれと衝動が。。では、これから作ります!

皆様、これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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