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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第七十六話

アパートへと帰ってきて電気をつけるとほっとする。今日は緒方に美味しいものを作ってあげたいと神埼は思った。お腹が空いたらと簡単なサンドイッチを作って持っていたのだがそれはサイドメニューにしよう。緒方が好きなハンバーグでも作ろうか。台所へと行き冷蔵庫を開ける。合挽きのミンチがあるからちょうどいい。緒方には手を洗うように言って神埼は野菜も確認した。手を洗ったのか緒方がぺたぺたとやってくる。緒方のスリッパはアヒルの足をデサインしたもので休みの日にお互いの好きなスリッパを選んだ。緒方はアヒルが好きらしい。「白くふわっとした体にこの黄色の足ですよ!大きさもちょうどいいし、可愛いです!」全身黄色いアヒルも可愛いですが、私はこのスリッパを買います!熱く語るので神埼は、へぇ~と深く記憶している。アヒルのスリッパを抱き締めながら、神埼くんはどれにしますか?と屈託なく笑う緒方を不覚にも可愛いと思ってしまった。緒方に何かをプレゼントするなら今度はお風呂に一緒に入るアヒルちゃんにしようかなと神埼は思っている。ちなみに神埼は熊の足のスリッパを選んだ。「。。。!!熊ですか!!さすが!!神埼くんだ!!」それを聞いた緒方が感動して目をキラキラさせていたのだが、そんなに自分は凄いことを言ったのだろうか。神埼くん!素晴らしいです!と何度も言われたあの時、その理由を聞いていなかったなぁとぼんやり思った。「神埼くん、手を洗ってきましたよ」緒方が台所にやってきた。そしてそのまま後ろから神埼を抱き締めてくる。それは不意のことで神埼は思わず後ろを向こうと顔を動かした。その前に緒方が強く抱き締める。「すみません。このまましばらく。こうしていていいですか?」後ろを向こうにも向けない。緒方の体重が体全体に少し重くかかってくる。自分を抱き締めている腕が目の前に見えた。そのまま強く緒方の胸に押し付けられている。力が思ったより強くて驚いた。前を向くしかない。緒方の顔が見たいのに。頭を撫でてやりたいのに。動くこともできないし、声をかけることも、なぜかできない。ただ黙ってこのまま大人しくしているしかできなかった。いつもの緒方とは違った。帰り道までは大塚や林がいたので明るく振る舞っていたのかもしれない。二人を気にしていたのは自分ではなく緒方の方だったのではないか。神埼はふとそんなことを思った。二人に心配をかけたくない、というよりは弱いところを見られたくない緒方の強がりではないかなと。その強がりが取れて緒方は今、自分に甘えているのではないかと神埼は思った。後ろから抱き締められたのは今日が初めてだ。いつも緒方は神埼の顔を見て、自分の表情を確認してから抱き締めてきた気がする。こんなに性急な行動は今日が初めてだった。神埼は目の前に組まれている緒方の腕を自分の腕で包み込んだ。後ろにある緒方の胸に自分の頭を委ねて目を閉じる。緒方の感じている何か、緒方を落ち込ませている何かが自分にも伝わってくるといい。自分も緒方と一緒に感じていたい。そばにいるから。そう伝わればいい。伝わらなくてもずっとそばにいる。神埼はそのまま静かにじっとしていた。やがて緒方の腕が解かれる。ゆっくりと体を後ろに導かれた。「神埼くん、ありがとう」電気がついた台所で少し目が光っている気がしたが緒方は笑っている。嬉しくなって神埼は緒方の頭を何度も撫でた。「ハンバーグ、食べような。少し時間がかかるから、こたつに入ってるんだぞ」緒方が愛しい。目の前で笑っている緒方は子供のように屈託ない笑顔で神埼が好きな笑顔だった。それから緒方は素直にこたつに入りテレビをつけてのんびりとしている。台所からその姿を見ているとほっとする。帰ってきた安心感もあるが、こうやって緒方がくつろいでいる姿に自分は一番ほっとしているのではないか。いつの間にか神埼は自分が笑いながら料理をしていることに気づいた。こんな状態を上機嫌というのかもしれない。玉葱を炒めながら美味しくなるようにフライパンに向かって話しかける。美味しいものを食べてもらいたいんだ。協力してくれないかな?アヒル好きの変な、優しい奴なんだけど。ハンバーグの材料たちに神埼は笑いながら囁いた。パチンと玉葱が一つフライパンのなかで跳び跳ねて、まるで、いいよと返事してくれたような気がした。

皆様、こんにちは(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

今、レシピの女王を見ていますが凄いですね!美味しそうでよだれが。。今日も美味しいものを食べよう!と思いました。

ではでは、皆様これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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