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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第七十四話

作業をしていると辺りが暗くなってきた。神埼は作っていたわっかをそのままにして教室の電気をつける。窓のそばに立ってカーテンを閉めた。林は下書きに没頭している。渡されていた折り紙は半分ほど残っていて、使わなかった黒い折り紙が机の上にある。わっかは大分出来上がっていて、後は生徒会の支持待ちだ。林も絵に集中しているのでやることはない。目の前の黒い折り紙を見つめる。神埼はこれで何かを作れないかなぁと思った。余ってしまって捨てるのはもったいなかったし枚数も多い。神埼は黒いものを考えてみた。黒い動物。。ペンギンとか。折り紙で折るのは難しそうだ。タコやイカの墨の色。。何処にも登場しない。黒なのだから切り絵に使うとか。絵に黒い部分ってあったっけ?林のスケッチブックのなかの絵を思い出す。。。なかった気がする。うーん。と神埼は首を傾げた。せっかくなのでこの黒い折り紙を活かしたい。思いつくままにいろんなことを考えてみる。がたんと音がした。下書きが一段落したのだろう。林が大きく背伸びをしている。「。。?どうした?」椅子に座って下を向いている神埼に林は話しかけた。これ、何かに使いたいなと思って。黒の折り紙を林の前に持ってくる。うーん。と林は唸った。「黒か。。。お祝いには向かないしな」片手で肩を押さえながら回している。折り紙で何か作れないだろうか。考えてみたが何も思いつかない。もったいないのでとりあえず集めておこう。神埼は折り紙の置いてある箱にそっと入れた。「暗くなってきたな。もうそろそろ帰ってくると思うけど。長引いてるのかもな」下書きに使った鉛筆を筆箱になおしながら後片付けを始めた。神埼も脇に寄せた机などを元に戻していく。ごみも出たのでほうきで綺麗に掃除した。元通りになった教室で再度、神埼は黒い折り紙と向き合う。折り紙の箱から出しながら、黒いものを思い浮かべてもなかなかしっくりこない。「あ!夜空!林くん。切り絵ってしないの?」切り絵?林は首を傾げながら考えたあと横に振った。しないなぁ。やったのは授業だけだな。神埼のそばにやってきて黒の折り紙を一枚手に取った。少しちぎってスケッチブックの裏に並べてみる。「黒の折り紙で夜空を表現してみたらどうかな?林くんなら、すごく綺麗な夜空ができる気がする。。俺は遠慮しとくけど」なんだよ、それ。林は笑いながら神埼の前の席に座った。机にあったのりを使って丁寧に一つずつ貼っていく。ふと林は黙って何かを考えたあと、ぽつりと呟いた。「夜空か。。夜の風景って描いたことないな。。いつも明るい昼間だった」椅子から立ち上がってカーテンをそっと開けながら窓の外を眺めている。もう暗くなってしまってほとんどの生徒たちは帰ったのだろう。ひっそりとしていて静かだった。真っ暗闇の中で星と月が優雅にゆったりとくつろいでいて、当たり前のように明るく光っている。林はしばらくその風景を見つめると、席に戻ってきた。黒の折り紙をちぎりながらどんどん貼り付けていく。「夜の空がこんなに綺麗だなんて知らなかったよ。月ってあんなにけだるそうに寝そべってんだな」太陽みたいにはっきりと輝かないでのんびり気が向いたら光ろうかなって感じで。笑いながら切り絵をどんどん完成させていく。その速さに神埼はすごいなぁと思いながら静かに見守っていた。「月は気分屋なんだよ。気が乗らない日は雲に隠れるんだから。太陽なら雨だなって言われるけど、月はぼんやりした光だし、夜だからそんなに注目を浴びないんだ」神埼が林の言葉に乗って伝えた。怠けてるって批判されてるだろうが、太陽より影が薄い分、得してるな。太陽より自由に動ける。林は楽しそうに笑った。「夜ってこんな面白いやつらがいたんだな。俺もまた会いに行こう」その言葉に神埼も笑う。しばらく二人で笑い合いながら夜を楽しんでいた。軽口を叩いたあと、林は無口になる。神埼は何も言わずに形になっていく切り絵を見つめていた。黒の折り紙以外に何も色は使わないらしい。スケッチブックの白と折り紙の黒だけの世界。白黒の全く正反対な色たちの絵が完成していく。神埼は美しいと思った。色がある世界もいいけれど、こんなモノクロの世界もいい。白はすべての光を反射するから白になり、黒はすべての光を吸収するから黒になる。対照的な色たちがスケッチブックの中で楽しく踊っている。楽しそうに踊る色の世界を神埼はのんびりと見守っていた。

皆様、こんにちは(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

今は黒の折り紙は入っているのでしょうか。。なくなったって言ってたような。。私の小さいときは折り紙のなかに黒があって余りに余ってました(*_*)墨の色だー!と一人興奮していた記憶があります。。。世の中は変化していきますねぇ。

ではでは、これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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