第百二十六話
衣をつけてコロッケを揚げていく。きつね色の美味しそうなコロッケが出来上がった。大塚はさっそく一つを半分に割って、もう片方を林に持ってくる。揚げたてのコロッケは熱くて食べにくいが、ほくほくしながら何とか口に入れる。衣のカリッとした歯応えと中のじゃがいもの柔らかさが何とも美味しい。意味もなく笑い合いながら、まだ揚げていないコロッケを油の中に入れていく。「美味しいなぁ。。!あ!緒方に声をかけてくるわ。油、よろしく」皿に一つコロッケをのせて大塚は台所から抜け出した。パチパチと音がしながらコロッケが出来上がっていく。林は食パンにできたてのコロッケをのせてソースをかけた。半分に食パンを折って少し押さえつける。こうやっていつも食べていたなぁとぼんやりと思う。神埼から教えてもらったゆで卵入りのコロッケは素朴でふんわりとした優しい味だ。ゆで卵を入れる前と後では味が全然違って驚いたが、林もこのゆで卵入りのコロッケが好きだなと思う。大塚が寝室からやってきた。「うわ!!なんだよ。それ。。。ちょっと待ってろ。そのサンドイッチ、包丁でこうしてやる」コロッケパンって言うんだけど。穏やかに笑う林の手から素早くコロッケパンを奪い取った。そのまま包丁で半分に切っている。はい。と当たり前のように半分を林に返した。苦笑して受け取る林を見送って大塚はコロッケパンを一口ほおばった。「美味しいなぁ。。幸せ~!林、またコロッケ揚げ上がったのか?早く食べたいよ。盛り付けていいよな。緒方は神埼が起きた時に来るってさ」大きな皿の上にキッチンペーパーを敷いている。先程切っていたキャベツを添えてコロッケをどんどんのせていった。ソースやマヨネーズも一緒に机の上へと持っていくつもりらしい。大きな皿が少しバランスを崩したりして危なかった。「あんまり無理するなよ。誰も取らないからゆっくり持っていけ。。取り皿も箸も準備しろよ」おう!嬉しそうに笑って机の上に並べていく。ガタンと音がして足音が聞こえてきた。ペタペタとガシガシという音に大塚も林も思わず微笑む。アヒルと熊がやって来たようだ。神埼は寝起きなので、もしかしなくても機嫌が悪いだろうなぁと二人は思う。大塚が台所から四人分の取り皿と箸を取って机の上に準備している。すべてのコロッケを揚げ終えて林は一息つく。追加のコロッケを机の上の大皿に盛り付けた。大塚はご飯を茶碗によそおっている。緒方と神埼がやって来た。神埼は眠そうに少しふらふらしていて緒方は上機嫌に笑っている。白ご飯食べるか?明るく聞く大塚に、食べますと満面の笑みを浮かべた。「神埼くんがコロッケを一口食べるなり、もっと食べたいと言いまして。起きてきました。こんなこと初めてですよ!私は嬉しいです」そんなの言わなくていいって!恥ずかしいだろ。眉をひそめながら緒方の頬をムニッとつまんでいる。美味しかったからしょうがないじゃないか!照れながら口を尖らせて緒方に当たっていた。緒方はいつもの如く、嬉しそうに笑っている。「お前ら、もう座ってろよ。もう少しで準備できるから。。好きなだけ食べろよ」と言いつつもこの状態ならばこの量のコロッケと言えどもすぐに無くなるだろうなと林は思う。声に惹かれて緒方と神埼が大人しく座った。鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。「美味しそうだなぁ。。どうしても食べたくて眠いんだけど、起きてきちゃった」えへへと笑う神埼は珍しい。幼くて屈託ない。緒方と林は優しく笑う。大塚が白ご飯を持って一人一人の前に置いている。いつの間にかお茶も淹れたようだ。「お前。。気が利くようになったなぁ。。ありがとう」林の言葉に、得意気に大塚は笑う。食パンも持ってきていて隙がないなぁとしみじみ言いながら笑った。四人揃った所でいただきますと手を合わせてコロッケをほおばる。優しい素朴な味が口の中に広がり、四人ともしばらく無言で楽しんでいる。ふとコロッケを味わっていた大塚がおもむろに食パンを取り出した。コロッケパンですね!!私もやります!!さっそく緒方が食い付き、食パンを大塚から受け取っている。大塚はすでに作り終えて美味しそうに食べていた。神埼が緒方の袖を引っ張る。寝起きだから、やはり機嫌が悪い。眠そうな顔で緒方を見ている。「神埼くんも食べたいのですね。わかりました。ソースはどのくらいかけますか?キャベツは挟みます?」緒方の問いかけに笑顔で大きく頷いたり顔をしかめて首を横に振ったりしている。世話を焼く緒方はそれはそれは幸せそうだ。大塚はコロッケにソースをたっぷりとかけて味わっている。楽しそうな友人の姿に林は穏やかに笑った。誰かと一緒に食べるご飯は美味しい。できたてのコロッケを一口ほおばれば、いつもの味とは違う優しい味に心がほっと落ち着いていくのを感じた。
皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?
お腹を壊しました。。食べ過ぎです。。昨日のちゃんぽんが美味しくてついつい。。今日はそうめんで優しくするっと食べたいと思います。うふふ。
ではでは皆様、これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)




