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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第百二十五話

大塚と共に台所でじゃがいも茹でている。神埼からコロッケにゆで卵を入れると素朴な味になると聞いていた。家で晩御飯にコロッケを作る時は学校が休みの時か、母親が食べたいと言う時だけだったなと林は思う。そもそもコロッケは作るまでに手間がかかり林が好きな唐揚げと比べて時間がかかるのでリクエストがないと作らない。神埼がコロッケは緒方が好きだからよく作ると嬉しそうに笑いながら言っていたことを思い出し、作る料理に愛情を込めているのだなぁと感心した。林はどちらかと言えば淡々と作っていたので愛情なんて考えたこともなかった。「じゃがいも、柔らかくなったぜ。もうお湯きっていいか?あとは、ゆで卵を作るんだよな」料理を覚える時の大塚は一生懸命だ。いつも軽く何でもこなしている大塚しか見たことなかった林は珍しいものが見れて面白い。弟に作ってやりたいと言っていたので、自分のためよりも大切な人のために必死なのだろうなと微笑ましく思った。学校から帰ってきて晩御飯を作るのは林にとって、ほぼ義務感でやっていたので誰かのために作る神埼や大塚の気持ちは新鮮だった。「ああ。水が冷たいうちから卵を入れておかないと殻が割れるんだよ。もう入れていいぜ。半熟になるように時間を計れよ」おう。林の言葉に頷いて大塚は鍋に卵を入れて火にかけている。コロッケにゆで卵を入れたことはないので、どんな味になるのか楽しみだ。大塚が楽しそうに卵を転がしているのを見て、そういえば料理を覚えたのはいつだっただろうと林は首を傾げた。深く思い返してみてもよくわからない。毎日のようにお腹が空いて白ご飯ばかり食べていて、さすがに飽きたなぁと思った時祖父からお前が作れー!と叫ばれた気がする。料理なんてしたことがないから、とりあえず図書館で料理本を借りて読みあさっていた。図書館の料理コーナーはなかなか充実しており、閉館時まで入り浸って連絡せず祖父と母親に大目玉を食らったことがある。あれは怖かったなぁと一人物思いにふけっていた。「なぁ。。林。。結構暇だな。。タイマーかけておいたから卵は大丈夫だと思うよ。なんかすることないか?」コロッケも唐揚げも手間はかかるが一つ一つの行程は簡単だった。大塚が暇そうしているのはしょうがないなと思う。茹で上がったじゃがいもを潰してもらおうと大きなボールを手渡す。潰して柔らかくしてもらおう。大塚にやり方を簡単に教える。「程よく潰せよ。少し大きな塊があってもいいからな。食べた時に美味しいから」ほうほうと頷き、立ったまま潰すのはきついので机で座りながらやることを薦めた。その間に合挽き肉と玉葱を炒めてしまおうとフライパンに火をかける。鍋も沸騰してきた。卵が踊っている。前にコロッケを作ったのはいつだったかなぁと記憶を辿っても思い出せない。「そういえば。。コロッケをパンに挟んでソースかけて食べると美味しいんだよなぁ」朝御飯を食べる時間がなくて、朝は専ら買う弁当だった。新聞配達のそばにある弁当屋で買っているが、安くて美味しい。新聞配達をしている人にはサービス券が配られていつもお世話になっている。日替わりの弁当でその中にコロッケが入っているとパン屋に寄ってパンに挟んでよく食べた。「コロッケパンにしようかな。久しぶりに」毎日買う弁当の食費はなかなか大きい。節約しようと一旦買うことを止めた時があった。でも調子が出なくて結局今は買うことにしている。値段のわりには具もご飯も多くていつも野菜と果物が必ず入っている。朝、その弁当を学校で食べると体が軽くなった。ちょうど神埼の作るご飯を食べた時のような、美味しくて箸が進んで頑張ろうという気力が湧いてくる。「あのお弁当屋さん、どうやって弁当を作ってるんだろ。。今度覗いてみようかな。。学校がない日とか」今まで何も考えず食べていた弁当だったが、どんな風に作られているのか気になる。どんな人が作っているのだろう。売り子はいつも若い男の人で無愛想だった。林もあまり話さない方だが自分以上に暗くて寡黙な人がいるのだなと初めて見た時は驚いた。神埼に教えてもらったスーパーの店長ほど貫禄はないが、独特の雰囲気だったなぁと思い出す。あの人が作っているのだろうか。「うーん。。嬉しいのか、嬉しくないのか。。何とも言えないなぁ。。いや、見かけで人を判断してはいけないし。。でもなぁ。。」ゆで卵が出来たことを知らせるタイマーの音が鳴り響く。火を消してお湯をきった。冷まして殻を取り除きながら、弁当屋のことに頭を巡らせる。あの売り子の男の人と美味しい弁当がいまいち噛み合わない。イメージが合わないのだ。「ゆで卵出来たか?おお!美味しそう!それがコロッケの具になるんだな!いい匂いがする」フライパンに鼻を寄せて匂いを嗅いでいる大塚にふと気になって聞いてみた。「無口な男の人がさ。。美味しくて彩りのいい弁当を売ってるんだよ。神埼が作る料理みたいな美味しい弁当なんだ。その人と弁当とがミスマッチでさぁ。。神埼の料理を食べてると思い出したんだよ」自分がどんな顔をしているのかわからなかったが、振り向いた大塚が驚いたように見つめていた。一呼吸遅れて、へー!と興味深そうな声が聞こえる。それ、どこのお弁当屋さん?目を見開いて聞いてくる。「お前がそんなに気になるって珍しいな。いいじゃん、行ってみようぜ。明日、神埼が元気だったら図書館にお前の絵のブログ作ろうって思ってたんだよ」川の風景や蜘蛛の絵も描いたんだよな。確認するように言われて少し照れ臭い。緒方も神埼も大塚も、自分の絵が大好きだと真っ直ぐ表現してくる。そうだと伝えれば、また写真撮らないとな。優しく楽しそうに笑っていた。「帰りにさ、寄ればいいじゃん。そのお弁当屋さん。お昼はその弁当みんなで食べてもいいし」お前がそんなに気になるんなら、俺も行ってみたいしさ。ゆで卵をじゃがいもに加えて丁寧に混ぜている。楽しそうに笑いながら林の方を見た。「きっと、緒方も神埼も行ってみたいって言い出すと思うぜ。楽しみだな!」にこやかに優しく笑う大塚を見ながら、自分は本当に友人たちから大切に思われているのだなぁとしみじみ感じた。林の中で温かさが広がっていく。自然と口元が上がって優しい気持ちになった。「このフライパンの具も入れるんだろ?味見てみるか?この挽き肉の匂い。。はぁ。。出来上がりが楽しみだなぁ。。」穏やかな声に林は嬉しくなって笑ってしまった。後は衣つけて揚げるだけだな。優しく告げる林の言葉に屈託なく笑う。大塚は楽しそうにボールの中の具を大きく混ぜた。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

しょうが焼き旨し!ということで食べております。このちょっとしたお肉をいかにバレずにかさましするか。。弁当をごまかしです。うふふ。

ではでは皆様、これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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