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常識くんと愛さん   作者: ニケ
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第百十八話

机の上の唐揚げはもうない。緒方と大塚がすごい勢いで奪っていった。林は呆然と見送っていて気の毒に思った神埼が自分の分を林の取り皿に乗せる。林は苦笑して、ありがとうと穏やかな口調で告げた。「早すぎるだろ。。まあ、神埼が取ってくれた分があるから、いいけど。。そんなに飢えていたのか。。」神埼の手料理が大好きな緒方と、家で手作りした唐揚げが初めての大塚と。幸せそうに食べる二人を林と一緒に見ながら凄いなぁと笑って見守っていた。神埼はご飯をほおばりながら幸せを噛み締める。緒方が満足そうに一息ついた。「神埼くんの料理は最高ですね。私は幸せ者です」そうやっていつも嬉しそうに笑うので料理をするのが楽しくなるのだ。無邪気に屈託なく笑っている。もっと美味しく作れるように頑張ろうと力が湧いてくる。これが手作りの味がー!大塚も感動しながら食べていた。「俺、弟が帰ってきたら唐揚げ作ってやるよ。サンドイッチも味噌汁もさ」きっとびっくりされるぜ。楽しそうに笑っていた。林に、味噌汁上手いぞと褒められ、そうだろう!と納得したように頷いている。「俺だってやればできるんだよ。焼き魚だって絶対できるぜ」威張る大塚を林がはいはいと適当にあしらっている。隣の緒方が神埼の手をそっと握ってきた。何だろうと振り向くと嬉しそうに笑う緒方の顔が近くにあってなんだか嫌な予感がする。案の定緒方がにんまりと大きく笑った。「ご飯も食べ終わったことですし、こうやって手を繋いでいてもいいですよね。約束ですから」これでも我慢していたのですよ。優しく微笑まれ神埼は肩の力が抜けた。忘れていた訳ではなかったのか。降参したように頷いて緒方の手をぎゅっと強く握り締めた。さらに緒方は嬉しそうに笑う。「林くんの勉強は終わったのか?ちゃんと教えなきゃいけないんだぞ」緒方が中途半端なことをするのは考えられなかったが、照れ隠しに一応、聞いてみる。うふふと上機嫌に笑って神埼の肩に頭を置き甘えたように寄ってきた。「ちゃんと終わりましたよ。林くんはとても勉強熱心です。それにできるまで何度でも挑戦します。素晴らしいですよ」神埼くんも一緒に勉強しませんか?体重をかけてゆったりしながら目を閉じている。穏やかな顔をしているのだろうなと神埼は思った。そうだなと返事をしつつ、肩から伝わってくる緒方の温もりを感じて優しい気持ちになる。素直に甘えてくれるのはとても嬉しい。緒方が自分を信頼して委ねてくれることも嬉しい。いつの間にか神埼も穏やかな笑みを浮かべていた。一人でいるのを止めて緒方といることを選んだ時、寂しさも悲しみも緒方はすべてあるがまま包み込んでくれた。温かくて優しくて。緒方がとてつもなく大きな存在で、嬉しかった反面守られてばかりで悔しかった。いつかこの想いを返したい、より大きなもので包み込みたいと心秘かに願っていたから。こうして緒方が自分に甘えてくれるのはとても嬉しかった。「神埼くんは温かいですね。温かくて優しくて。ふわふわの毛布のようだ」なんだよ、その例え。反抗してみたが幸せそうに笑う緒方を見ていると拗ねる気にもなれない。川へと遊びに行って疲れているのかもしれない。もう寝るか?と聞くと、そばにいたいですと眠そうな返事が返ってきて神埼は苦笑する。このまま緒方が眠ってもいいが、晩御飯の片付けがある。どうしようかなぁと考えていると大塚と林がこちらに気づいた。指を口に当てて楽しそうに笑っている。音を出さないように静かに食器を重ねて台所へと持っていく。「ありがとう」伝えた神埼にしーっと静かにするように合図をして食器を洗っている。優しい二人に改めて感謝した。隣では静かな呼吸が聞こえてくる。本当に寝てしまっているようだ。緒方の手を握り返しそっと寄り添う。穏やかで優しくて心地よい。ほっと息を吐いた。誰かと寄り添いながら穏やかな時間を過ごす。もうこんなに自然なことだ。緒方の小さな寝息も手や肩から伝わってくる温もりも人とはこんなに温かいものなんだと素直に受け入れられて静かに感じることができる。心の奥からの痛みは感じない。熱くて優しい想いが溢れてくる。幸せだ。冷たかった心がこんなにも素直に熱くなっている。緒方や大塚、林、出会った温かい人達が自分を変えてくれた。痛みも悲しみも虚無も越えて包み込んでくれた。ありがとう。緒方の温もりを感じながら神埼はとても幸せな気持ちになった。「隣でこっそりテレビ見てるからな。見たいテレビがあったら合図してくれよ」食器を洗い終わって大塚が神埼に聞こえるように耳のそばで囁いた。林も戻ってきて優しく微笑んでいる。二人に大きく頷き緒方に寄り添う。自然と照れは消えていて優しい温かい空気が溢れていた。

皆様、おはようございます(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?

韓国の旅客船の動画が公開されていますね。。とても胸が痛みます。。傷ついた心が安らかになりますように。心を込めてお祈り申し上げます。

ではでは、皆様これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)

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