表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通人が行く異世界冒険記  作者: 豆腐斧
第一章 アルトベルク編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/48

第十五話 自分に向いているもの

火魔法を覚えてからの日々は忙しかった。


朝は依頼。昼も依頼。夜は魔法練習。

そして3日に1度俺は冒険者を休みにした。


休みの日は講習。

剣術。槍術。棒術。ナイフ術。弓術。

とにかく片っ端から受けた。

受講料は痛い。だが経験は買えない。


◇◇◇


ある日の講習帰り。

ギルドでミーナに声を掛けられる。


「ダイスケさん」

「はい?」

「最近色々な講習を受けていますよね」

「そうですね」

「剣術に槍術、弓術、棒術……」


ミーナは少し困った顔をする。


「中途半端はいけませんよ?」


確かにその通りだ。


だが俺には理由があった。


「何が自分に向いてるのか分からないんです」


ミーナが首を傾げる。


「向いている?」


俺は頷く。


「俺には特別な才能がないんです。

だから試してるんです。剣なのか、槍なのか、弓なのか…

それとも別の何かなのか」


前世でもそうだった。

スポーツも平均。勉強も平均。仕事も平均。

だからこそ何が向いているのか知りたかった。


ミーナは少し考えて、そして笑った。


「それなら仕方ないですね」


意外とあっさり許された。


その後ミーナから別の施設を教えてもらう。


「ギルド図書館は利用されましたか?」


初耳だった。


「図書館まであるの?」

「ありますよ」


なんでもあるなこのギルド。


◇◇◇


初めて図書館へ行く。


本棚が並ぶ。地図。薬草図鑑。魔物図鑑。

冒険者の手記。初心者向け資料。そこで周辺地域の情報を知る。


まず手に取ったのは。


【アルトベルク周辺魔物図鑑】


ページをめくる。

【角ネズミ】

推奨レベル:1~3

特徴:角を使った突進

換金部位:角


【マイコニド】

推奨レベル:1~3

特徴:胞子攻撃

換金部位:傘部分


【牙モグラ】

推奨レベル:1~3

特徴:噛みつき

換金部位:牙


【ホーンラビット】

推奨レベル:3~6

特徴:素早い

換金部位:角付き頭部


【フォレストウルフ】

推奨レベル:6~10

特徴:群れ行動

換金部位:毛皮


【アイアンボア】

推奨レベル:8~12

特徴:突進、硬い

換金部位:肉


「なるほど」


今の俺なら角ネズミ、マイコニド、牙モグラ、ホーンラビットあたりか。


◇◇◇


さらに地図を見る。


【アルトベルク周辺地図】

北:草原地帯

東:不帰の森

南:王都

西:岩山地帯


そして。

不帰の森のさらに奥。

地図の端に小さく書かれていた。


【黒龍の谷】

危険区域立入禁止


俺は思わず笑った。


「あそこか」


最初に落ちた場所だった。

説明文を読む。


『古龍生息地』『生存者は極少数』『最上級危険区域』

「あのドラゴン、そんな扱いだったのか」


普通に雑談してたな。


◇◇◇


採取関係の本を開く。


【初心者向け採取図鑑】

ヒール草 傷薬材料

買取:銅貨1枚

緑色の草


マナ草 魔力回復薬材料

買取:銅貨3枚

紫色の草


渦巻草 虫よけ薬材料

買取:銅貨5枚

渦を巻いた草


月光花 回復薬材料

買取:銀貨1枚

夜のみ採取可能


「おお」


思わず声が出た。

月光花高い。

ヒール草10本分だ。


ただし。


推奨採取レベルは高い。

初心者向けではないらしい。


◇◇◇


図書館を出た後、受付へ戻る。


「ミーナさん」

「はい?」

「今、一番金になる依頼って何ですか?」


ミーナは少し考えた。


「新人向けならホーンラビットですね」

「角ネズミより?」

「討伐部位の単価が高いです」


なるほど。


「採取なら?」

「月光花です」


即答だった。


「ただし森で夜間採取になるので危険ですよ?」


危険。でも報酬は魅力的だった。

ミーナはさらに書類を見せる。


【荷物運搬】

報酬:銀貨4枚


【街路清掃】

報酬:銀貨1枚


【倉庫整理】

報酬:銀貨2枚


「こういう依頼もあります」


冒険者と言っても魔物を倒すだけではないらしい。


「なるほど」


思ったより色々ある。

俺は資料を返す。


武器。魔法。採取。討伐。雑用。

できることは増えている。

だが、まだ自分の進む道は決まっていない。


「まあ」


焦る必要はない。

俺はもう一度地図を見る。


不帰の森、その奥。

黒龍の谷。


『また会いたくなったら来るがよい』


古龍の言葉を思い出した。


「そのうち行くか」


そんなことを考えながら、俺はギルドを後にした。

日本の夏、渦巻の夏…


ブックマークありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ