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047 新型オプションの導入計画

【海運都市コスカ 救難艦運用研究所 会議室】


 そこでは、新型の護衛型オプション艦についての検討会が行われていた。 今回は救難艦運用研究所の幹部だけでなく、三神関連企業からの民間オブザーバーも参加している。


 先ず、ロアが現状について説明をしていた。 「今まで、製造コスト削減の為に海軍の古い駆逐艦を改造して『護衛型オプション艦』を造ってきましたが、保管していた古い駆逐艦の在庫が無くなったため、製造が止まっています。 


 その為、新型の護衛型オプション艦の開発が必要と考え、この検討会を開催しました。 また、コアの製造に対する問題点に対応すため、民間企業の技術者が参加しています。」


 先ずは、技術者からコアについて説明が始まった。 「現在製造中の救難艦とオプション艦には、三神海軍タイプのコアを使用していますが、生産量の問題から救難艦の建造が遅れています。 オプション艦については、使っていた駆逐艦が元々三神海軍の船ですから、最初からコアが搭載されていたため問題有りませんでしたが、今後は新造するとの事なので、コアの不足が更に進むと思われます。

 そこで、王国軍でも使用している汎用タイプのコアを使用してみましたが、遠隔制御が上手くいきませんでした。 

 しかし、その後も研究開発を続けたところ。 先ごろ、専用の拡張パックを開発する事に成功しました。 この拡張パックを使用する事で汎用コアによるオプション艦の遠隔操作が可能となります。

 また、拡張パックはコアに比べて大量に製造が出来るので、オプション艦は全て汎用コアと専用拡張パックを組み合わせる事で生産量を増やせると考えられます。 わが社としては新型艦の開発に合わせ、従来タイプの全種類オプション艦の仕様変更を行われる事をお勧めさせて頂きます。」


 民間技術者の話を受け、会議が進んで行く。

 「汎用コアを使うと、製造工程が増える為、オプション艦一隻当たりの建造期間が長くなるのではないか?」

 「三神タイプコアの生産を待つ間、建造が止まるんだから、トータルで見れば時間の短縮になると思うぞ」

 「汎用コアはあちこちで生産しているから入手し易いし、価格も安いはずだ。 差額を拡張パックの購入費にすればトータルの建造費もそれ程変わらないだろう。」


 等の話し合いが続き、最終的にオプション艦のコアは汎用型を使用する事に決まった。 また、『護衛型オプション艦』については『作業型オプション艦』を先に設計し、そこから作業機材を外しシールド強化と武器の搭載をする事で話が纏まった。


 装甲を強化する事も検討されたが、艦の重量配分が大きく変わりメインフレームから見直さなければならなくなるので、時間が掛かり過ぎるとの事から今回は見送られた。(新型オプション艦は生産性を考えて民間船に準じた構造になっているため、装甲がほとんど無い作りになっています。 しかし、従来艦よりシールド出力を上げる事で、同等の防御力をを得ています。)



【ダケタ王国 王宮 国王執務室】


 アリスティア王女とロアは会議が終わった後、慌ただしく昼食をとり、王宮に来ていた。


 国王の執務室に入ると、先に宰相と軍統合本部長が来ており。 5名での話し合いが行われる。

 国王陛下が宰相に話を振ると、「陛下より頼まれていたアリスティア王女とロア男爵の婚約について、関係者への根回しについては概ね終わりましたが、ロイド公爵が未だ連絡がつかない宙域に居る為、後2週間はこれ以上話を進めようが無い状態です。」

 アリスティア王女とロアが頬を染める中、陛下が「分かった。」と言い、今度は統合本部長に話を振る。

 統合本部長が、「ロア海軍長官に尋ねたい事があるのだが・・・  報告書は読ませてもらった。 もらったのだが内容がな・・・ 正直に言って信じがたいような内容と戦果だ。


 そこで、ロア長官のとった戦術を宇宙軍で活用出来ないかと思ってな・・・ 可能だろうか?」

 「そうですね・・・ 通常タイプのAシリーズの敵艦艇が相手なら、王国宇宙軍艦艇の方が加速力が上なので、優速を活かして特務艦隊と同じような戦いが可能だと思います。 更に長射程の兵器を搭載出来れば有利に戦えるでしょう。


 しかし、敵が高性能タイプのBシリーズを戦場に投入した場合は加速力に差が無くなりますし、Aタイプについても、今の所は防御特化タイプの改良型が出て来ているだけですが、いずれ攻撃特化や加速力特化型が出てくると予想されます。


 特務艦隊と同じような戦いをするなら、将来の事も考えて王国宇宙軍の艦艇を改造するか、新型艦を開発するべきだと考えます。 特に連動射撃の実施には制御システム全般のアップデートが必ず必要です。」


 「ふむ、今の王国宇宙軍の艦艇では出来なくはないが、限定的なものになると言ったところかな・・・ ところで、新型艦を造るとなったら、新型の推進器や長射程のレーザー砲を宇宙軍にも供給してもらえるかな?」


 「正直、生産量が需要に対して全然足りていません。 此方からの供給は無理です。 しかし、そちらで製造場所を確保出来るなら、ライセンス生産で対応させていただきます。」

 そこで、ロアと本部長の話を聞いていた陛下が、宰相にライセンス生産を行う為の製造メーカーを選定するように指示を出した。

 そして、選定が済み次第生産を開始するように言い。 統合本部長には、新型艦の設計を早急に開始するよう命じた。


 その後は、ロアの300隻対30000隻の戦いや、9隻対26000隻の戦いについての話を聞いて、感心するやら呆れるやら・・・


 1時間程、話をして解散となった。


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