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4-9

 ロイネに不信感を抱いているが、ヒルダはロイネを嫌いなわけではない。ただ二人の関係が危ういだけだった。

 幼い頃から少しずつ変化しながらも、その関係性は続いていた。

 最初はロイネとの間に壁を感じるだけだった。ロイネには何かを探っている様子が伺えたのだ。ヒルダへの接し方もどこかぎこちなかった。しかし、それは徐々に解消され、二人は次第に仲が良くなっていた。

 それも長くは続かなかった。だがそれは、ヒルダの方から距離を取り始めていた。きっかけは母親のことだ。まったく取り合わないロイネに、ヒルダは不信感を抱き始めた。

 そして能力を打ち明けた時のロイネの態度。それでヒルダの不信感は膨れ上がっていた。

 しかし、不信感を抱きながらも、ヒルダはロイネの優しさも感じていた。少なくともロイネにはヒルダを傷付ける意図は感じられない。それでも距離は感じずにはいられない。どうしようもない感覚をヒルダは味わっていた。

(ロイネ、あなたは本当に双子の姉なの?)

 ヒルダがそう思うことは度々あった。確かに見た目はそっくりだ。しかし、二人の性格はかなり違う。成長過程で変わったというより、生まれつき違っていたと思えるくらいに違う。

 双子の姉ではないとしたら何者なのか。ヒルダ自身もその答えを見出せずにいた。まったくの他人とは思えない。それは見た目だけの問題ではない。不信感は抱きつつもどこか安心感もあったことは確かだ。それがロイネを嫌いにならない理由だった。

 双子ではなく年の近い姉妹だろうか。しかし、双子と偽る理由に見当がつかない。

(お母さんが生きていれば……)

 確かに母親が生きていれば二人の関係は今と違っただろう。自死していないのだからその疑問自体が発生しない。能力についても母親に相談できる。もしかしたら母親が解決に導いてくれたかもしれない。

 母親はもちろん、姉にも頼れない。そう感じたヒルダは、やがて自分の力で能力の謎を解明する決心をした。母親の自死の真相については、その頃にはもうどうでも良くなっていた。

 そんな時に、セギオラが同じ能力を有していることを知る。ヒルダはセギオラを研究する道を選んだ。それを知ったロイネは何か言いたそうだったが、結局は何も言わずに家を出てゆくヒルダを見送った。

(ヒルダ、あなたが真相に辿り着いた時、わたしのことはどう見えるかしらね)

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