さあ、二つ名ゲットですよ♪
今俺が居るのは闘技場!!
目の前には大きく立派な闘技場に突き抜ける青空、そしてそこにはためく鷹を貫く槍が描かれたギルドの旗!
何故そんなに上を見ている風景の説明が並んでいるのかというと少し現実逃避モードだからです。
何からかと言うと、今目線を下に戻すと大量のマッチョなおっさんが……
ここで、時間をギルドに戻ったところま
……
…………
……………………
買い物&散策を終えた俺たちは、とりあえず綾瀬に魔本に目を通させながらギルドへもどった。
「ギルドマスター多分2時間くらいたったよな……?
孫の方は寝てるみたいだけど大丈夫か??」
「ああー、まあ試合までにおきるじゃろ………
{転移}!」
次の瞬間コロシアムの目の前にいた……
何故か、おっさんだけは地上1mほどの所に現れたらしく、落とされて目が覚めたようだ。
コロシアムの対極側の柵の向こうで何か叫んでいる。
「さあ、一番手は誰が行く?
あと、みんな二つ名は何か考えてるのか?」
「1番手は私が行くわ。
あいつ自体が生理的に無理なのに、誰かとの戦闘後で汗だくだったりしたらもう耐えれれないわよ。
あ、あと二つ名は翔の二つ名にちなんで《幻影の魔術師》にしたいな♪」
「じゃあ、俺が2番手行くよ。
んで、二つ名は《幻影の狩人》でよろしく」
隼人もすかさず続いた。
「えーっと、なら斉藤は3番手でいいか?
あと、二つ名はどうするよ?」
「ああ、それでいい。
二つ名は《幻影の戦士》にでもしておいてくれ」
「わかった。
なら俺は客席から応援してるから全員無理はするなよ?」
それだけ言って俺は客席から応援するべく移動する事にした………
……………………
…………
……
ここで、この章の冒頭へと戻って現在に至るのだが、今の状況を説明しよう………………
コロシアムの選手控え室から客席へは中から行けないため、一度外へ出た。
すると、選手控え室側の入口にマッチョのおっさん共(多分数十人)が片膝を地面について忠誠を誓うポーズで待機していた…………て、きもっ!?
そして、冒頭のように俺が現実逃避に入っていると、耐えきれなくなったのか先頭にいたやつが説明を始めた
「俺達はギルドの下級構成員で、この度二つ名持ちとなられた《幻影の騎士》様に御報告と挨拶のため参りました。
まずは、二つ名獲得おめでとうございます。
そして、御報告ですが二つ名持ちの方は、我々街の人のギルド構成員の一部に対する命令権があり、討伐クエストに行くときは対象モンスターとの戦闘に限り命令に従って戦わせていただきます。
どうぞ御活用下さい……以上です」
「うむ……わかった、とりあえずありがとう。
あと、俺のパーティーがこれから試験するんだが二つ名を獲得しても俺から説明しておくから……あ、挨拶もいいからな」
「了解しました。
では、これにて………」
それだけ言いおくと全員一糸乱れず去っていった。
正直これがあと3回とか考えたくもない………
恐らくこのシステムを使う事もないだろうな。
なんだか、精神的にぐったりしたが、客席に急ぐか…………
客席につくと、席は街の人ばかりでだいたい3割ほど埋まっていて数百人の観客がいた。
とりあえず、俺は最前列まで進み綾瀬たちを待っていた……
「レディース、エーンド、ジェントルメーン!!
皆さんよくぞお集まり下さいました……
今日はギルドに嵐を巻き起こした超大型新人パーティー《幻影騎士団》のメンバーが二つ名を取りに来たぞ!!
このパーティーは、なんとまだプレイ2日目なのに既にリーダーは二つ名持ち、これから残り3人も取ろうかという非常識なチーム。
さて、彼等は二つ名をとれるのか??
ちなみにステータスは掲示板をどうぞ!!」
そういえば、パーティー名決めてなかったけど《幻影騎士団》っていいじゃないの!
そんな事を考えながら掲示板の方を眺めてみると
綾瀬美奈 LV.6(60.26.115)
藤堂隼人 LV.6(55.68.36)
斉藤佳祐 LV.6(30.88.31)
となっていた。
「さあ!選手の入場だ!!
まず、《幻影騎士団》1番手、綾瀬美奈ーー!
対するはギルドのミスター平均とのこの人、マーク・キースだーー!!
知ってる人も多いと思うが、この人
LV.30(50.50.50)
というある意味素晴らしいステータスの持ち主です。
さあ、では試合開始!」
その合図と同時にマークが綾瀬に向かって突っ込んだ。
しかし、次の瞬間には綾瀬が右手を相手に突き出し
{ウォータープレス}
と唱えた瞬間綾瀬の右手からマークに向けて大量の水の塊が飛び出した……
そして、マークを覆う程もあるその水の塊が直撃し、動きが止まる。
次の瞬間綾瀬が手を振り上げるとその水は一気に凍り、マークは全身が凍りつき体を動かすことも魔法を使うことも出来なくなってしまった。
そして、綾瀬は審判に勝利を確認するとステージを出ていった……
「さて……思いもかけない強さから解説すれ忘れてしまいましたが、ウォータープレスとは、水の上位魔法で水の塊をぶつけるだけなので、恐らくその水を凍らせたのは創造魔法と思われます……
それにしても、素晴らしい戦闘でした。
先ほどの綾瀬美奈さんはただ今より《幻影の魔術師》の二つ名を名乗ることが出来ます。
では、マークの解凍も終わったようなので、第2試合を始めます。
《幻影騎士団》2番手は藤堂隼人ー!
さあ、気を取り直して試合開始!」
試合開始の合図を聞いた直後に後ろから綾瀬がやってきたので、そちらを向いて祝いの言葉をかけていると歓声が聞こえた……
恐る恐る振り返ると先制で突っ込んだらしき隼人が、マークの後ろで剣を振り切った姿勢で止まっていた。
その頬にはわずかな傷はあるが、マークは気絶しているところを見るとやはり勝ったらしい。
「まあ、隼人は置いといてあの魔法って創造魔法だよな?
もうあんなに使いこなせるほど魔法に慣れたのか?」
「基本的に想像力と記憶力はよかったから♪
魔法の使い方のイメージをしっかり持てばいいだけだから、イメージさえ出来ればいつでも発動できるみたいで、控え室で小さい水でやってたら出来たの」
「なるほどなー。
俺も魔法の練習はしとくべきだな………お、そろそろ斉藤の試合が始まるかな?」
「そうだねー。
応援してあげなくちゃ!」
隼人の戦いについても解説はあったと思うが、聞いてませんでした。
許せ、隼人!
「あ、斉藤くんが出てきたよ!」
「お、本当だ。
それにしても、マークが何か言ってる割に全然反応してそうにないよな……?
もしかして全部無視してるのか??」
「あぁ……斉藤くんならありそうだね………」
などと2人で話していると、実況が始まった
「さあ、1人目2人目と素晴らしいスピードでけりをつけてきた《幻影騎士団》の面々ですが、最後の1人はどうなるのでしょうか……
そして、先ほど入った情報によると、このパーティーのリーダー《幻影の騎士》さんはギルドに入ったときに絡みに行ったマークさんをパンチ一発で吹き飛ばしたということです!
では、両者準備は終わったようですので、本日最終試合斉藤佳祐VSマーク・キース………試合始め!!」
開始の合図はあったものの、流石にマークの方もかなり慎重になっているらしく、一向に動かず間合いをはかっている……
しかし、斉藤に動く気がないようで試合は完全に硬直状態へと陥る。
流石にマークも耐えきれなくなったのか、全身を使ってロングソードを振り上げたままで一気に突っ込む………
しかし、斉藤は動かないままだ。
綾瀬は反応出来ていないと思ったのか避けてなどと叫んでいるが、斉藤は動かない。
あと1mほどとなっても斉藤は動かない。
そこで、マークも勝利を確信したのか笑みを浮かべて一気にロングソードを振り下ろす!
横で綾瀬が小さく悲鳴を上げるものの、斉藤は俺の予想通りに少し体をずらして左肩の骨でロングソードを受け、呆気にとられるマークをハンマーでぶっ飛ばした………
すぐに死ぬほどの怪我でないことだけ確認した俺と綾瀬は斉藤の勝利を実況が告げているのを聞きながらも、慌てて控え室へと向かった…………
そして、俺たちが血相を変えて控え室に飛び込むと、そこには普通に荷物を片付けている2人がいた………
「あ、あれ??斉藤くん思いっきり肩切られてなかったっけ………?」
あまりにも普通な様子に俺と綾瀬は戸惑うが、ふと思い出す。
「あぁ、回復アイテムか………
あれってそんなに効くものなのか……………」
そんな俺たちの様子を見て2人は大爆笑を始めた。
そう、珍しい事に斉藤も腹を抱えて笑っているのである。
「翔も美奈ちゃんも面白すぎ、いい加減VGに慣れないと!
基本的にVG内では大抵の怪我は回復アイテムで治るんだよ、じゃなきゃ斉藤だってあんな無茶な戦法はとらないって」
たしかに、言われてみればその通りである……
恥ずかしくなった俺達も一緒になって笑っていると、突然声が聞こえる
「おーい、まだ残っとるな?
最後に少し手続きがあるからもう一回ギルドに戻るぞ!
さあ、荷物を持てよ?いいな?
{転移}」
返事を聞く気がなければ聞かなければいいのに、などと思いながらもギルドマスターに連れられて闘技場をあとにする………




