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どんの創作ノート  作者: どん


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88/92

VOL.88 ハンス・アスペクター

童話の里の団体、ランドスケープオブメルシーのメンバーです。

本名をハンス・アテドロといいます。

貧弱な体に茶色の短髪、呑気そうな顔立ちと、抜け作な特徴がいくつもある青年。

年齢は34歳くらい。

この人物からもわかるように、ランドスケープオブメルシーとは、日がな一日することもなくぼーっとした団体です。

たまーに回ってくる環境修復の仕事を中途半端に片付けて、あとは童話の里にある宿泊所の掃除とか、公園の草むしりとか、長老の御用聞きに書類を運ぶとか……。

とにかくやることなすことテキトーな団体で、長老の助手アインス・エターナリストが粛清をかけて、ようやく団体の体面を保っているという情けなさ。

位階者手当というものに頼っているのは、この団体だけだと言われていて、当然納税額もビリッ欠。

童話の里の赤っ恥と揶揄されながらもどこ吹く風。

その面の皮の厚さときたら!

それなのに、ああそれなのに、位階だけは20人いるメンバー全員アスペクターという優秀さ。

頭だ(・)け(・)はいいんだから困ったもんです。

――それでずる賢く立ち回るわけじゃないのが、この団体のやる気のなさを象徴しています。

フィリップからNWSの受注した仕事を受けるかと打診された時の会話。


「へぇ、そうなの。ふーん」

「相変わらずの人気ぶりだねぇ」

「せっかくだからやってみる?」

「え――っ(大ブーイング)」

「いや、やっとかないと、またアインスさんに頭ごなしに怒られるんじゃない?」

「あ、そうね」

「んじゃ、気は進まないけど、会議に参加させてくれる?」


仲介したフィリップも開いた口が塞がらなかったそうです。

そして――仕事先のアウェンティヌス風刺の里では、まったく相手にされなかったという有様。

テキトーな姿勢というのは、わかる人には一見してわかるんですよ。

どうせ能天気な顔を並べて、「よろしくお願いしまーす」とか言ったのに違いありません。

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