VOL.82 ミレイ・タツタ
リューカ区マグノリア町に住む、ヤスヒコ老人の孫です。
黒髪を短く大人しめに切り揃え、澄んだ茶色の目に優しそうな顔立ちで平均身長の男の子です。
笑顔がお地蔵さんみたいに丸々と福々しい4歳児。
両親を不幸な事故で亡くしていますが、人懐っこくて純粋でトゥーラたちを魅了しています。
心臓病のヤスヒコ老人が作る病人食を食べているせいか、攻撃的なところや極端さがなく、情緒的に安定していて一人遊びも苦にならない、所謂手のかからない子どもです。
おじいちゃんにつきっきりでいろんなことを教えてもらえるので、頭もよく柔軟で、幼さが影を潜めています。
常に祖父の病気を心配しているので、ミレイには癇癪を起こしたり、わがままを言ったり、こましゃっくれているところがありません。
祖父と歩くのが大好きで、歩調を合わせてゆっくりしたペースで手を繋いで歩きます。
ご近所でも評判な祖父孝行なミレイですが、時々親子連れがいて子どもが目一杯甘えているのを見ると、小さな胸を痛めているようです。
そんなミレイに心温かな家族をと、ヤスヒコ老人は方々訪ね回るのですが、ミレイは祖父が誰かに頭を下げて自分のことを頼もうとするのを哀しく見つめています。
そういうときは決まって祖父が疲れ切ってしまい、2、3日は元気がないのを子ども心につらく思っているからです。
……ミレイは祖父の気持ちが何となくですがわかっています。
それで自分の欲求を素直に話すことにしていて、周りの大人は手を貸しやすいんですね。
喉が渇いたとか、リンゴジュースが飲みたいとか、ハンバーグよりおじいちゃんの料理が好きだと言ってみたり、ノリヒトに抱っこしてもらったり……。
ほんのささいな、わがままとも言えない小さな欲求を話すと、大人はだいたい笑って叶えてくれるのを知ってるんです。
4歳児とは思えないでしょう?
そんなミレイが手放しで甘えたのは、祖父の他にはノリヒトとヨリコだけです。
二人の気の置けない甲斐甲斐しさに、親の愛情を感じたんですね。
血よりも濃い愛情を受けて、ミレイはすくすくと子どもらしく育ちました。
成長した姿は『パイオニアオブエイジ』本編でお確かめください。




