VOL.79 トーマスとルイ
ユーフォルビア地区に居を構える農家です。
ノリヒトとともにある日突然、童話の里にやって来ました。
トーマスはひょろっと背が高く、薄毛で人の好さそうな中年。年齢は47歳くらい。
ルイは小柄でがっちりとした体格をした、眼鏡をかけたインテリ風の若々しい男性。年齢は45歳くらい。
二人とも農業人として一家言ある立派な大人です。
ノリヒトが見るからに頼もしそうな親父なら、トーマスは人格者、ルイは頭脳派というところでしょうか。
三人の家は隣同士で昔から付き合いのある幼馴染です。
――と言っても、年上のノリヒトのワンマンに散々振り回されてきたんですが、その辺りは諦観というか諦めています。
パーマカルチャー運動の立ち上げも、ノリヒトが言い出しっぺでした。
「こんな言葉があんだけどよ、知ってたか?」
と酒の肴に盛り上がり、翌日には行動を起こす情熱ぶり。
こうなると本気になったノリヒトを止める術はなく、トーマスもルイも重い腰を上げることになりました。
そこから10年の歳月が経ち、いろいろあったもののパーマカルチャー運動は全国規模になり、やれやれと思った時に今度は異世界なんぞに足を踏み入れてしまい……二人の気苦労は続く。
ノリヒトに比べて、二人は因果界に入れ込むこともなく、淡々と日々の農作業に打ち込んでいるようですが。大地の蒸すような匂いに包まれて生活している二人には、因果界の不確かさが薄気味悪くてしょうがないんですね。
特別顧問には就いたものの、そちらはノリヒトに任せて、NWSの農業実習の面倒はしっかりするというスタンスに落ち着きました。
世界の大変革に関しても、二人には納得がいかないことばかり。
元々、キャパシティが有り余ってるノリヒトは何事にも積極的ですが、二人は考え込んでしまいます。
新しい世界に住めるという情報も、二人にとっては朗報でも何でもないんですね。
なぜなら、今の自分たちで満足しているから。
手広くやることが必ずしも生活の安定を生むわけではないのを知っているんです。
でも――ノリヒトがやろうという以上は断ることができない。
日和見な二人なのでした。




