VOL.59 ランス・アスペクター
NWS6班のリーダーです。
本名をランス・マドリガルと言います。
レピア湖畔区パスクア村の牧師をしていて、普段は童話の里で仕事をしていますが、教会の告解室に懺悔する人が来たりするとテレポートで向かったりします。
黒い詰襟服に肩で切り揃えた髪、大人しそうな顔立ちと、牧師に相応しい風貌。
この人にはモデルがいて、アニメ『銀河鉄道の夜』に出てくる家庭教師の青年ということになっています。
リーダーの中では最年長ですが、御用聞きやコピー取りなどして誰にでも腰が低く、それ故に尊重される人です。
実力は折り紙付き。
身につけた修法は数知れず、緊急時には誰よりも早く安全策を講じ、生産修法をすれば妖精の協力を得て大量の作物を拵えてしまう。
地味で控えめなのに功績は群を抜いている。しかもそれを誇らず――信頼されるはずです。
ちょっと意外なのが、霊長砂漠の負のこごりを浄化するために蓮の種を用意していたり、会話にお布施といった仏教用語が出たりすること。
ノリヒトに語った、青空を映さない鏡という喩えも、仏教観がよく顕れています。
ここにランスらしい魂の飛翔やダイナミズムがあるんじゃないでしょうか。
牧師ですから、死に立ち会うこともあるでしょうし、教区の信者に説教する機会も多いと思うんですね。
だから死……魂に関することには造詣が深いわけです。
教義を隣(仏教)から借りてくることもある。
それは、生活の一場面にも、あるいは教区の児童所での教育にも表れる。
自らの神秘学を未知なる領域から下ろして、教区の人々の心を平らげることもしています。
ごく小さな範囲ですが、それは成功してる。
そんなことができるのは降霊界の住民くらいです。
ランスは最も降霊界に近い人なんですね。
アヤ、パティ、それにオリーブやトゥーラも、女性がランスを頼るのは、あの永遠の世界からの御力を感じているからでしょう。
ルイスは――入口に立ったばかりですけどね。




