VOL.41 カピトリヌス
七宮廷神界のほぼ中央に位置する、巨石の宮廷国です。
首都はデウスと言い、巨大な石灰岩で作られたトゥオーノ宮殿が中枢になっています。
守護神は大神ジュピター。
昔は石造りの堅牢な建物が建ち並ぶ、荘厳な都市でした。
近代になって呪界法信奉者の侵略を受け、首都デウスには攻め入られていないものの、地方は内戦とテロに喘ぐようになってしまいました。
つまり、呪界法信奉者が跋扈できるような条件が揃っていた、ということになりますね。
もともとカピトリヌス周辺は侵略戦争が絶えずあって、植生も定着しないほど土地が蹂躙されて負のエネルギーが席巻していたのです。
だから、精霊たちが変質して悪精になり、負エネルギーを餌にコロニーを形成した。
そしてそこに住む民に心身に悪影響を及ぼすようになったんです。
暴動、略奪、洗脳、病気――。
その土地にいるだけで、ありとあらゆる災厄が降りかかってくる。
負エネルギーの申し子とも言える呪界法信奉者は、こうして誕生したのです。
そんな疲弊した都市で生まれたロデュスが、その影を背負ってしまうのも当然でしょう。
戦争芸術という偏った活動の片棒を担がされてきましたが、彼を囲む芸術家仲間たちにはまだ光があった。
ロデュスは仲間に助けられて、命がけでカピトリヌスを脱出してパラティヌスに亡命することができた。
こうした奇跡が、希望を失わない国民の血の滲むような忍耐によって生まれ続けていました。
七宮廷国の中でも中央に位置するカピトリヌスは特別な場所なんです。
世界の大変革の集大成、空の儀も首都デウス上層の因果界で行われました。
それなのになぜ侵略を許してしまったのか?
負エネルギーが跋扈していたのもさりながら、カピトリヌスが霊的にも重要な場所を保有している証拠なんですね。
あまりにも尊いから常に狙われる。
その図式が近代において顕著になってしまった。
光が強ければ影もまた濃くなる、ということです。




