VOL.38 霊礎界
世界の大変革後に新しく人類に拓かれた第四層にある世界です。
だだっ広い野原と石碑一つ以外は何にもない世界になっています。
ラファルガーが持ち込んだ気象メーターが反応しない、というアクシデントがありましたが、第四次元で時間が一定方向に流れていないから時間計算が必要な気圧や気流は計測できないという答えでした。
気温だけは計測できていましたが、それだけアナログだったのかもしれませんね。とはいってもデジタルでしょうが。
一年を通してあまり気温は変化しないんじゃないかな。
18度くらいと、いつでも春半ばくらいの気温で推移しています。
だから、いつ往っても春の野原が広がる常春の世界なんでしょう。
石碑は――一つだけポツンとあって、この世界に立ち寄った偉人が残したものだという設定があったんですが、誰だか見当はつきますか?
そう、宮沢賢治なんですね。
ゲスト出演~!
いや、たぶん引用するなら許可が必要でしょうし、この設定はぼんやりしたままでいいと思っているので、作中では触れていません。
そのせいか、霊礎界ではあることが可能になります。
生産修法の瞬間発生です。
そもそも、この生産修法という設定も、元は宮沢賢治の『飢餓陣営』からヒントを得ているんですよ。
生産体操をすると野菜やら果物ができてしまうんですよね。
それに対して生産修法は完成までに約30分必要でした。
霊礎界には宮沢賢治の想像力が働いているんでしょうか。
真央界、因果界、降霊界、虹球界は、いずれも人間がいる世界ですから。
創造の余地が生まれる世界があってもいいのかな、と。
そんな発想からできた世界です。
何かを遺そうとしてもできない。人類の思惑が介入できない。
静かで……ただ在るだけの世界。
神秘が神秘であるための、世界の境界。
人間が有限を生きるために必要な世界です。




