VOL.33 雲竜の滝谷
パラティヌスの水源、ティレニア湖の源流にある小国家です。
名政治家を多数輩出していることで有名。
降霊界外宮で次期パラティヌス統治者、ジュリアス・ゼム・ゼピュロスの出身地でもあります。
北端国セライとは親交が深く、王家同士で活発に交流することで、パラティヌスの北の国境を守護しているんですね。
雲竜の滝谷はクラウドドラゴンズ山脈の山中にあって、幅の広い滝に湖、そして豊かな草原に恵まれた土地で馬の産地で名高い。
家々はドーム型をしていて、厳しい冬と冷涼な夏を快適に暮らす工夫がたくさんあります。
観光地ではないので、パラティヌスでは秘境とされていて、行くにも馬に乗るのが最適という辺鄙な場所です。
人々は金髪、もしくは赤金色の髪で、背が高く肌は日焼けしたような薄茶色、鼻筋が通っていて瞳の色は碧眼という一族で、北欧系の人々を思い浮かべるとしっくりくるかもしれません。
衣裳は丈の長いチュニックに黒ベルト、編み靴といった、馬に乗るのに最適なデザイン。
チュニックには襟首、袖口に刺繍がしてあります。
そうですね……アイヌの人々の刺繡のイメージでしょうか。
雲竜の滝谷の人々になぜ名政治家が多いのか。
それは自然相手の厳しい、調和のとれた生活が素晴らしいバランス感覚を発揮して導くからなんですね。
打って出る時は果敢に、引くべき時は速やかに退く。
そこには一切の無駄がなくて、ルーズさがない。
そんな公明正大でクリーンな政治を実現しているから、支持が厚いわけです。
ここ出身のジュリアスにかけられた期待の大きさもわかりますよね。
王家の者は血筋を守るため、門外不出とされていましたが、ジュリアスが降霊界の外宮となったことで開かずの扉は開かれることになりました。
セライ王家のフローラ王女(内宮)とのロマンスは、パラティヌスの人々を浪漫に駆り立てています。
雲竜の滝谷では、フローラ王女に敬愛の証として白馬を贈りました。
金の鬣の珍しい神馬で、本国でも珍重される希少な名馬。
フローラはこの馬を、スノーダイヤモンド号と名付け、セライ国の馬房で世話して時々会いに行っています。
その時には、ジュリアスが傍にいない寂しさを打ち明けていることでしょう。




