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新しい護衛騎士

とても私情なのですが、私、ノーティングもなんですがガルドさんみたいな人が一番好きです。

「貴様が、新しく入る暗殺者か?」



「はい。コードネームはレヴァンジと言います」



 先日、ボスへ任務の報告をしにいくと、私がティオ小公爵に恋をしていることが、ボス、ガルドさん、タリナちゃんにバレてしまった。ガルドさんはボスに「くれぐれも余計なことはするなよ」と釘を刺されているが、余計なことをするだろうな。



 今は、パージ公爵にガルドさんの紹介をしている。どうやら、ガルドさんも私と同じ、ティオ小公爵の専属護衛になるみたいだ。



「一応、言っておくが、貴様はノーティングより下だ。くれぐれも大きい顔をしないように」



「はぁ?俺の方がこいつより先輩なんだけど?」



「公爵家では貴様が下だ」



 パージ公爵の圧は、流石のガルドさんでも怯むか。その後、ある程度の仕事を説明されるとパージ公爵に「業務に戻れ」と言われたので、私とガルドさんは一礼をして部屋を出た。すると、パージ公爵に執務の書類を渡しにきたのかティオ小公爵がいた。



「レシー?その人は.....」



「初めまして。新しくティオ様の専属護衛に任命されました、ガルドです」



「あぁ、そうだったか。これからよろしく頼むよ」



 何かの職業になりすます時、今回、私の場合は「レシー」という偽名を使っているが、ガルドさんの場合は本名をよく使っている。ガルドさん曰く「よく他のやつは偽名使うだろう?警察隊とかはそれを見越して「どうせ偽名だろう」と思い込むんだよ。だから、こういう時は本名を使っている方が都合がいいってわけだ!」らしい。



 もし、ガルドさんの本名だとバレた場合も、暗殺者をやっているため過去を洗い出されるということは中々ないだろう。



「ティオ様。ガルドさんは元衛兵でして、経験としては私よりも上なので私が執務、ガルドさんが警護の役割分担になります」



「そうだ、レシー。今日はまだ母上のところには行っていないかい?先ほど母上のところに行ったら少し落ち込んでいてね」



「そうですね。それでは、これから奥様のところへ行って参ります。ガルドさんも同行させてよろしいでしょうか」



「あぁ。それじゃあ」



 ティオ小公爵に一礼してリース公爵夫人の部屋に向かう。途中、ガルドさんに見惚れていたのか、頬を赤らめさせている侍女が数人いた。



「失礼します」



「レシーさん!あら?一緒にいる方は?」



「新しくティオ様の専属護衛になりました、ガルドです。元は衛兵をしていました」



「ティオの新しい専属護衛?ということはあなたも暗殺者なのかしら」



 リース公爵夫人が言った言葉に、私とガルドさん、どちらも驚きを隠せない。私たちが暗殺者と知っているのは、公爵家ではパージ公爵と執事長のみ。リース公爵夫人には知らせていないはずだ。



「ふふ。そう驚かなくても。あの後、パージから知らせてもらったの。合っていたかしら?」



「.........そうでしたか。...................はい。私とガルドさんはナイト・フューナーという組織の暗殺者です。コードネームはノーティングと言います。ガルドさんはレヴァンジです」



「ガルドは俺の本名です。元衛兵というのも本当ですよ」



「それなら信頼できますね。さぁ、こちらに来てお話ししましょう?」



 リース公爵夫人が横たわっているベッドの前にある机には湯気が立っている紅茶がある。つい先ほど淹れたものなのだろう。



「あら、ガルドさんの分の椅子がなかったですね。ごめんなさい。あの部屋の端に椅子があるので取ってくれますか?」



「わかりました」



 ガルドさんは、普段はガサツだが任務となると誰よりも礼儀正しくなる。そこは、衛兵時代の癖なのだろうかと私は思っているが。



「そういえば、ガルドさんはレシーさんがティオのことを想っていることを知っているんですか?」



「えぇ、もちろん知っております」



「奥様!?ガルドさん!?」



 二人が唐突に話す内容に、私は顔を赤くしてしまう。このお二人、気が合いそうだが私にとってはまずいかもしれない。



「ガルドさん的にはどう想っていらっしゃるの?」



「私はノーティング、いや、レシーの兄みたいなものですから。応援しております」



「まぁ!」



 ガルドさんは確かに面倒見が良くて明るくて兄みたいな存在だ。だが、私としては頼れる先輩と感じている。



「そういえば、ガルドさんはお付き合いはされていているんですか?」



「あ〜…………、私は昔、彼女が亡くなってしまって」



「それはごめんなさい!…………何があったかお聞きしても?」



 ガルドさんはあまり昔のことは喋らない。特に自分のことを。



 まぁ、暗殺者の中身は出自がわからないものが大半なので、むしろ一般人から暗殺者になったガルドさんの方が珍しい。



 私の場合は、10歳までの記憶がない。



「あ、話したくないのでしたら無理に話さなくとも」



「いや、別に、話してもいいんですが傷つける可能性が」



 ガルドさんが何故か私の方を見てくる。私はガルドさんの過去を何も知らないので助け舟は出せないのだが。



「…………衛兵時代に付き合っていたんです。けど、俺が戦場で手柄を立てたんです。それで、俺が殺した敵の家族が復讐で彼女を殺して」



「それは………」



 ガルドさんは生涯その彼女を愛するんだろう。



 なんて、私がガルドさんの表情を見て勝手に思ったことだが。



「ちなみに、その彼女さんはどんな女性だったんですか?」



「特徴と言ったら銀髪ですね。日の光も月の光も全てが透き通るほどの綺麗な髪でした」



「あら、なんだかレシーさんの髪に似ているわね」



「そうですね。レシーにそっくりでした。というより、ノーティングが彼女そっくりに育ったんですが」



 「レシーにそっくりでした」から私には全く聞こえなかったが、リース夫人には聞こえていたみたいで、涙を目に浮かべている。



 少し気になるが、私にとっては関係のないことなので聞かないようにしよう。



「レシーさん、紅茶を淹れ直してくれないかしら?」



「かしこまりました」



「俺も手伝うぞ」



「ガルドさん、肩を掴まないでください」



「別にいいだろ?リーナ…………」



 ガルドさんのいう「リーナ」さん。私は全く知らない人だが、たまにその人と私を間違えるらしい。



 もしかしたら、ガルドさんが昔付き合っていた彼女さんの名前かもしれないな。

〜小ネタ〜

ガルドさんは茶色がかった赤髪です。高身長。性格としては明るいです。

昔に付き合っていた彼女は実は…………

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