暗殺者の事情
この際なので言います。いっつも前書きに何を描こうかを悩んでおります。「いつも一行なのは申し訳ない.....」と思っているんですが。
「で、リース公爵夫人の事件はどうなった?」
「無事、犯人は捕まりました」
「それは当然だ。それよりも、事件の細かな状況を知りたいんだ」
今はナイト・フューナーに戻って任務の様子や、リース公爵夫人の事件について報告をボスにしている。はずだが、なぜかガルドさんともう一人、後輩の女の子もいる。
「それよりもボス。なぜガルドさんとタリナちゃんがいるんですか?」
「お前の公爵令息の護衛任務を知っているのはこの二人しかいないんだよ。一応だ。ゆくゆくは、この二人も公爵家に侵入させるつもりだからな」
「まぁ、ノーティングがいれば俺たち必要ないだろうけどな」
「ノーティング先輩!足を引っ張らないように頑張ります!ガルド先輩、しっかりしてくださいね?」
「お前な!」
ガルドさんの横で笑っているのは「タリナ」ちゃん。ボスとガルドさんの本名を知っているもう一人。コードネームはなく、タリナちゃんはナイト・フューナーの中で唯一、本名を名乗っている暗殺者だ。最近入ったばかりの新人
だが組織内ではNo.4の実力を持つ期待の新人。
どうやら、私のことを慕ってくれているみたいだ。ガルドさんには少し当たりが強いが。
「で、説明」
「わかりました。犯人はリース公爵夫人の専属侍女の代理メリンさんです。公爵家の関係としては、メリンさんの家
は子爵家で、リース公爵夫人とはお茶会で交流があったようです。公爵家の専属侍女になった理由としては、ティオ小公爵に嫁ごうとしたのでしょう。そのため、そばにいる私が邪魔になり、リース公爵夫人の容態が急変したのは私が犯人だということで追い出したかったのかと」
「なるほど。資料と同じ報告だ」
「嘘偽りはないですよ?」
ボスには、事前に今回の事件についての報告書を送っている。ちなみに、今の時間はあの事件が収束してから2時間後だ。帰ってきた時にはガルドさんから「え、公爵家で事件あったのまだ2時間前だよな」と驚かれた。タリナちゃんからは「さすがノーティング先輩!」と言われた。
「それにしても、ノーティングがティオ小公爵のこと好きだと思ってんのかね。こいつは恋愛とか全く興味ないし、経験もないだろ」
「ガルドさんは衛兵時代に結構やんちゃしてたみたいですが。ねぇ、ノーティング先輩......」
「ん?なんでお前赤くなってんだ?」
ガルドさんは妙に勘がいいところがある。というよりは、組織内の暗殺者は大体勘がいい。ガルドさんの一言に私はドキッとしてしまい、つい顔が赤くなってしまう。それに気づいたガルドさんは不思議がっているが、タリナちゃんは気づいたようだ。
「ノーティング先輩.....!まさか、ガルド先輩の言ったことが当たってるんじゃ.....!」
「あ?俺の言ったこと?って、おいおい.......」
「面倒くさいことを.........」
ガルドさんとタリナちゃんはただただ無言で驚いており、ボスはため息をついている。
「お前、マジでティオ小公爵のこと好きになったのか!?」
ガルドさんが「本当なのか!?」と私の肩を掴んで叫んでくる。私はただコクリと小さく頷くしかなかった。二人は明らかにショックした顔だ。
「ノーティング先輩!どうしたんですか!?」
「いやぁ、でもついにノーティングも恋愛かぁ」
「お前、絶対に任務に私情を挟むなよ。お前らもだ」
三者三様の反応だ。タリナちゃんは半信半疑のようだし、ガルドさんはしみじみとしているし、ボスは私たち三人に注意を促している。
「ノーティング。そのことを知っているのは誰だ?」
「リース公爵夫人です」
「親公認!?」
「面倒だ.....。しょうがない。明日にはガルドを派遣させよう。いいな」
「へいへい。わかりました。拒否権はどうせないでしょうし」
まさか、ガルドさんが派遣されることになってしまった。ガルドさんは元衛兵なので、護衛騎士には向いているだろう。護衛騎士に派遣されるとは限らないが。
「私も行きたいです!」
「お前はダメだ。とりあえず二人で様子見だな」
タリナちゃんはボスに苦情を言いながらも納得している。
「まっ、ボスの命令は絶対だし、よろしくな」
「はい。よろしくお願いします」
〜小ネタ〜
ナイト・フューナーはボスが作った組織。二十年ぐらいしか経っていなく、世界の暗殺者組織の中ではまだまだ新しい。が、ノーティングやガルド、タリナなど実力はある。ガルドは創設されて間もなくボスに拾われて入った。




