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死の運命にある女性4

今回もふわっとした内容かもしれません。改めて直す可能性もあるかも.......?

「当主様!奥様が目を覚まされました!」



 部屋に侍女の一人が入ってくる。その人が発した言葉によって、パージ公爵とティオ小公爵、キアス先生は急いでリース公爵夫人の部屋に駆けつける。私も少し遅れて駆けつけると、ベッドに横になっているものの、いつもの笑顔のリース公爵夫人がいた。



「リース。大丈夫か?」



「えぇ。今は微熱程度だし、さすがキアス先生の息子さんですね」



「熱が引いたのならよかった。パージ公爵にはもう説明してあるが、この錠剤を毎朝2錠飲んでくれ」



「わかりました。あら、レシーさん」



 リース公爵夫人が私を見つけ笑顔で話しかけてくれる。先ほどまで高熱で苦しんでいたのに、彼女は誰かのために我慢できる人だ。



「私を見つけてくれてありがとう。あなたが私を見つけてくれた時はね、実は少しだけ意識があってあなたが侍女のみんなを呼びに行ってくれる声が聞こえてたの。すごく頼もしかったは」



「それはよかったです」



「あ、メリン....」



 リース公爵夫人は次にメリンさんを見つけた。私の時とは違い、厳しい声で。メリンさんはリース公爵夫人に名前を呼ばれカタカタと震えている。顔も真っ青だ。



「リース。なぜ君は床に倒れていたんだ?」



「レシーさんが来る前にメリンが紅茶を淹れてくれてね、それを飲んだら急に熱が出てしまって」



 リース公爵夫人の発言で確定だ。メリンさんがリース公爵夫人に出した紅茶に何かを混ぜ込んだ。パージ公爵はすぐさま「レシー、あの者を捕えろ」と命令してきた。私は逃げようとするメリンさんより先回りして扉の方に向かい、床に押さえつける。



「メリン。何をリースに盛った」



「た、ただの軽い興奮剤です」



 ———興奮剤。興奮剤は医師の中でも限られた人しか使えない薬物。動物に打ち込むと、もしかしたら狂獣化するかもしれない危険なものだ。各国で厳重に管理されているはず。ただ、最近は国に隠れて興奮剤を作って高額で売る、闇市場が出回っている。



「興奮剤を手に入れた場所は?」



「王都の、小さな闇市場で......」



「君の実家は取り潰しだ。もちろん、君は解雇だな」



「そんな......っ......」



 パージ公爵からクビにされ、メリンさんは放心状態だ。リース公爵夫人の方を見ると、ただ静かに頷いている。誰も、異議はないようだ。



「私は.....、悪くない......」



 なにやらブツブツと呟いているが、もうすぐ警察隊が到着するだろう。それまで捕らえておかないといけないので、用意してもらった縄で縛ろうとした時、一瞬力が緩みメリンさんが刃物を持って私に襲いかかった。



「レシー!」



「お前のせいで!お前が悪いんだ!」



 髪留めにナイフを仕込んでいたみたいだ。ただ、彼女はナイフを振り回しているだけ。だが、そのせいで安易に近づけない。今、入り口側にいるのは私一人。ティオ小公爵たちが取り押さえようとしても無理だろう。



 ———私がやるしかない。



「お前のせいで.....!お前が.....!」



「あなたの実家が取り潰されるのも、あなたが解雇されるのも私のせいではありません。あなたの自業自得です」



 私はそういうと、素早く相手の懐に飛び込み足で蹴り上げナイフを部屋の端に飛ばす。もうなにも武器もない状態

だが、念のためにささっと縄でキツめに縛る。



「レシー!大丈夫かい!?」



「レシーさん!頬に傷が.......」



 私がメリンさんを取り押さえた後に、すぐにティオ小公爵とリース公爵夫人が私の元に駆け寄る。リース公爵夫人に言われて気づいたが、頬に引っ掻き傷ができていた。これはボスに叱られるな。というよりは、リース公爵夫人がベッドから起き上がっているので、私はそっちの方が気になってしまう。



「奥様はベッドで休んでください」



「いいえ!レシーさんは怪我してるじゃない!」



「これぐらい大丈夫ですよ」



「いいや、今すぐ治療だ。キアス先生」



「わかっとるよ。まぁ、今回はそこまで大きくない傷だから傷薬を塗っておけば、後も残らず塞がるはずじゃろう」



 キアス先生からもらった傷薬をリース公爵夫人はすぐさま私の傷に塗ってくる。薄く黄色がかっているが、しっとりしており肌に馴染んであまり目立たない。



「警察隊が到着したようだ。メリンを引き渡そう。衛兵!」



 パージ公爵の合図とともに扉から重装備をした人たちがメリンさんを連れ出していく。公爵家の騎士や衛兵は強者揃いだと聞いたことがある。その人達に連れ出されていくなら、暴れたとしてもすぐに取り押さえられるだろう。



「キアス先生。今夜は公爵邸に泊まっていってください」



「そうしようかのう」



「キアス先生、ありがとうございます。息子さんにも伝えておいてくれませんか?」



「あぁ。わかった」



 キアス先生はそういうと何回か泊まったことがあるのか、慣れた足取りで部屋を出ていった。



「レシーさん。私の命を救ってくれてありがとう」



「いえ!診察をしたのはキアス先生ですし.....」



「いや、レシーが母上を見つけてくれなければ手遅れになっていたかもしれない」



「そうだな。公爵家一同感謝しよう」



 そう言って、三人は私に頭を下げてくる。正直、こういうことには慣れていないので、ものすごい混乱している。だが、暗殺者でも感謝されるということは嬉しいものだ。



 その後、警察隊の人たちが事情聴取に来たが、パージ公爵が「疲れているんだ。明日にしてくれ」というと、警察隊の人たちは帰っていった。

〜小ネタ〜

今回リース公爵夫人がのんだ興奮剤は軽いものだったが、強めのものだと常人でも死に至るかもしれない。現実世界でも違法薬物などが問題になっていますね。

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