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ふしぎなダンボール箱  作者: アーエル


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4/7


まあ、異世界は作者の望んだ法律(きそく)で運営されるのだから、「私の世界(作品内)はこれが正解なの!」と主張されるだろうけど。

……はたして、その世界で実際に生きる人たちはそれに準ずるのだろうか?

その法律で滅んだ国があれば、法律が変わってもおかしくない。

強制力の影響を受けないであろうモブ、その他大勢が変えている可能性もあるだろう。



異世界を舞台に創作する作者がどんな異世界を生み出そうと、私の創作世界(異世界)には影響が出ないようなので「所変われば品変わる」という形で納得しよう。



  ✯



主人公を不幸にするがために戦争を繰り返したり、病気や事故で生母を死なせて継母や連れ子、使用人から虐待を受ける話。

転生悪役令嬢や()()()()令嬢の人生やり直しと逆ざまぁ。

恋愛を主体にした作品で多い、断罪による粛清が行われるなど。


そのような世界観の話ばかりつくっている作者の作品から生まれた異世界は、世界が安定しない。

たとえ志の高い人たちによって新しい国が興っても長く繁栄しない。

100年、200年と人々が大切に育ててきた国であっても、世界(さくしゃ)の手によって跡形もなく破壊されてしまうからだ。

各地で戦争や内紛が起こり、下手をすれば国家は国民を巻き込んで全滅する。

そんな世界に生きる人たちの魂魄(こんぱく)は、安らぐこともできずに疲弊だけが蓄積していく。


そんな世界を見守り、管理してきた神の心が哀しまないはずがない。


混沌とした世界を生み出し続ける作者には、報酬は届いていない。

様々な補填(ほてん)のために、作者にとって大切なものを気づかないうちに()()されている。

そのほとんどが…………人物(ひと)だ。


作者に近しい人の人生を強制的に終了させてその魂魄を異世界に転生させることで、世界が抱えている負の感情を背負わせている。

とはいえ、世界の均衡(バランス)を保つために転生させられた人が普通に生きられるはずもなく。

天寿をまっとうさせてもらえなかったことで残った寿命が、その異世界を生き抜くために必要な()()となっている。

そして、作者の望んだ(つくった)『不幸な物語(ストーリー)』になぞった人生を(強制的に)歩かされていく。


ある作者の身内は、突然の病でこの世界の寿命を打ち切られて異世界へと転生させられた。

転生前に神の前に連れてこられて、その人に待ちうける運命を説明。

そして抜け出すことのできない世界で、作者曰く「不幸な生い立ちだけど最後はハッピーエンド♡」の主人公の人生を生かされることを知って大いに悲しんだ。


死に戻り作品の舞台なら、その数だけ殺されて過去へと戻される。

作品に関する記憶はないし()()()もないけど(作者本人ではないため)、第三者に背負わせるには辛い人生。

そんな作品の主人公やヒロインとして生かされる駒にされたのだ。

悲しむな、という方が鬼畜だろう。


ただし強制力という名の『神の修正』がないため、常識の欠けた人間でなければ不幸は回避できる。

当然だ、その世界の常識が作者の気分次第(ご都合主義)で書き換えられるなど、通常ではあり得ないのだから。


送られた友人知人は比較的マシな作品の人生(ストーリー)を歩んでいる。

婚約破棄されても、兄弟王子や幼馴染みが「実は前から」と出てくるのだから。

私から見たら「この舞台にいたにもかかわらず、助けもしなかったくせに」と思うんだけどね。

その作者は、それが良いらしい。

まあ、強制力はないから、嫌なら断っちゃっても良いんじゃないかな~。


しかし作者の身内であれば、そのような世界を生み出して無関係な他人の一生を壊そうとした()()を負わせることに躊躇(ちゅうちょ)などあるはずもない。


その作者本人も、いずれはこの異世界に引き寄せられることになっている。

そのときは、誰よりも酷い人生(さくひん)が待っているだろう。


【選ばれたくもない()()の代わりに不幸になるがいい】


こうして異世界へと送られているそうだ。


しかし、そうとは知らない作者は『不幸を呼び込む作品』を(えが)き続けているため、一向に世界の幸福度は上がらない。

そして浄化が足りなければひとり、またひとりと人生を打ち切られて送られていく。

作者の人生を打ち切るということは、その世界の『不幸になる人物がそれ以上増えない』ということに繋がる。

作者自身が、残された全作品(ストーリー)生きる(なぞる)ことで、巻き込まれて不幸な人生を送らされていた人たちに、やっと安らぎが訪れるだろう。



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